113話 叶うはずのない恋心
12年後
「キリア様お帰りなさいませ」
「お疲れ様」
「各地の調査お疲れ様でした。お食事の準備ができていますが…」
「いや、大丈夫。お腹空かないから」
「失礼しました」
「それじゃ僕は研究室に籠るから」
「かしこまりました」
ふぅ…これで調査は終わり。ようやく城に戻って来れた。各地の漂ってた魂も無事に返せたしゾンビもちゃんと対処できた。これでまた数十年は大丈夫だろう。彷徨ってる魂を放っておいたら何が起こるか分からないし最悪の場合魂が人に悪用されるかもしれない。そうなる前に魂をあるべき場所へ返してあげないといけない。こればっかりはアイリス様にもできないから僕がするしかない。それに人間の魔力を持つ僕の方がサナティクト王国にも潜り込みやすいしね。
「やっぱりこの城が1番落ち着くね。それとこの研究室。アイリス様には感謝してもしきれないね」
研究室の椅子に深く腰をかけて長く息を吐く。心臓は動いていないとはいえ疲れたな。これから研究の結果をまとめないといけないんだけど、疲れてやる気がでないなぁ。僕は眠れないから余計に疲れるのかな。そもそも死んでるのに疲れるっておかしいんだよね。魂の問題かな。そこらへんももっと研究しないと。魂は分からないことばかりだから研究意欲が湧いてくる。
コンコン
「失礼します。キリア様いらっしゃいますか?」
「うん、いるよ。どうぞ」
随分と若い声、いや子供の声だ。この城には見た目が子供の人は多いからおかしくはないか。僕が返事を返せばドアがゆっくりと開いて子供が中に入ってくる。あぁメイドか。ん?この子の魔力人間だ。人間がこの城にいるなんておかしいし、それにメイドなんて…。
「私メイドのメイと申します。お疲れのキリア様にお茶をお持ちしました」
「メイ…あぁ!あの時の赤ん坊か!そっか、あれから何年も経ってるんだから大きくなるよね。えーっとあれから…12年か」
「はい。キリア様にはお世話になったとアイリス様から伺っております。先ほどお戻りになったと聞いたのでご挨拶をと思いまして」
「そっか。それにしてもメイドとして上手くやってるみたいでよかったよ。なにかあればアイリス様か四芒星の誰かに言えばなんとかしてくれるから頼りなよ」
「はい。ありがとうございます。お茶の準備致しますね」
赤ん坊の頃から12年。ってことはあと3年で成人か。それにしても僕は12年城を離れてたのか。死んでからというもの時間感覚がどんどん鈍ってきてる。人間だった頃は12年なんて凄く長く感じたのにな。
「それでメイ。君はどうするんだ?」
「どうする、とはどういうことでしょうか」
「もうすぐ15になるだろ?僕たちは君を拾った時に15までこの城においてその後は君の好きなようにさせるという話になってたんだ」
「ですが私はまだ12です。15歳になるまでまだ3年あります」
「3年なんてあっという間だよ。それにどうするかは早めに決めた方がいい」
「実はもう私はとっくに決めております」
「そうなのか?」
「私はこの城に残ります。この命尽きるまで拾ってくださったアイリス様と育ててくださったこの城の皆様に尽くすつもりです。この気持ちは永遠に変わりません」
真剣な目だ。あの言葉に嘘偽りなんてない。僕にはない目の輝き、偶に羨ましくなる。僕は生まれた時から呪われている。この子は親から捨てられたがこの城で沢山の愛を受け取って育ってきた。やっぱり人は生まれじゃなくて育ってきた環境なんだ。まぁ僕はそのどっちも呪われてたんだけど。
「そっか。それはもうアイリス様に言ってあるのかい?」
「いえ。15歳の誕生日に言おうと思っています。それまで内緒にしていてくださいね」
「分かったよ。アイリス様には内緒にしておく」
「ありがとうございます!」
年相応の笑顔で可愛く笑う。言葉遣いや振る舞い方で大人らしく見えるけどまだ12歳なんだよね。若いなぁ。何も知らない純粋な時期だ。アイリス様が目にかけてるんだから相当過保護に育てられてきたんだろうな。
「キリア様それはなんの資料ですか?」
お茶を淹れる準備をしながら僕が持ってる資料を覗き込んできた。これは僕が前に調査した各地の彷徨ってた魂の記録。これから僕は今日まで調査してきた魂の調査結果を資料にまとめないといけない。忙しくなるな。なにしろ12年分の調査結果だからね。
「これ?これは僕が前に調査してきた魂の調査記録」
「魂ですか?」
「そう。この世界は死んだはずの魂があるべき場所に帰らずにその場に留まり続けることがある。魂をそのままにしておくと死体に入りこんでゾンビになって生者を襲うことがある。それを未然に防ぐために僕が定期的に魂をあるべき場所に返すんだ」
「あるべき場所、とは?」
「精霊の森に存在する魂の墓場。死んだ魂は本来そこへ向かって魂を休め転生するための準備をするんだ。偶に魂がそこへ向かわないことがある。なんでかはよく分かってないけどね」
「精霊の森…魂の墓場」
「聞いたことはない?」
「いえ。初めて聞きました」
「そっか。そしたら本を何冊か貸してあげるよ。知識は蓄えておいて損はないからね。読む時間くらいはあるでしょ」
何冊か本を呼び寄せてメイに渡す。精霊の森、魂について分かりやすい本を何冊か選んだ。この城にいる人は本を読まない人が多いから宝の持ち腐れなんだよね。本だって偶には誰かに読んでほしいだろうからね。
「あ、ありがとうございます!ぜひ読ませていただきます」
「返すのはいつでもいいからね」
「はい。勉強させてもらいます」
本を抱えて綺麗に頭を下げる。立ち振る舞いがちゃんとしてる。この城もメイドの教育はちゃんとしてるんだな。
「そういえば魂をあるべき場所に返すとおっしゃっていましたがもしかして魂魔法ですか?」
「うん。だからアイリス様にもできない」
「ですが魂魔法は使用するのに代償があると……」
魂魔法。究極魔法の一種。究極魔法の使用には大きな代償がある。力がないものが扱えばどんな代償がその身を襲うか分からない。昔からあらゆる書物に書かれてきた。だけど僕は違う。
「僕は魂の精霊の力を一部持ってる。だから魂魔法を使っても代償を受けない」
「魂の精霊ですか!?だ、大精霊の1人の魂の精霊から加護を受けているんですか!?」
「加護…まぁそんな感じかな」
「す、凄い……」
「メイも魔力を持ってるよね。もしよかったら魔法を……」
「メ〜イ!!どこ〜!!」
「アイリス様の声ですね…」
「君を探してるみたいだね」
「魔道具で知らせてくれればよろしいのに…」
「こっちに近づいてるね」
どたどたどたどた!!
アホみたいに多い魔力だけでも分かるのに足音をあんなに鳴らせば誰だってこっちに近づいてるのが分かる。あんなに叫んだら周りに迷惑だろうに…。今にクロードがとんでくるぞ。
バァン!!
「メイ!!ここにいた!」
「アイリス様。どうされたんですか?」
「美味しいお菓子もらったから一緒に食べようと思って!」
「そうでしたか。ちょうどお茶がこちらにあるのでご用意しますね。あ、ちょっと冷めちゃってますね。温めるので少し待っててください」
アイリス様が持ってきた缶入りのクッキーを資料を無理やりどけた机に置く。メイがお茶の準備をする為にポットを両手で抱える。炎魔法を使えるのか。手のひらに魔力が集まってるのが分かる。だけど素手でポットを温めてたら火傷するんじゃ…。
「熱っ!」
「メイ大丈夫!?」
「やっぱりこうなった…。ほら手、だして」
「は、はい……」
メイの手をとって回復魔法で火傷を癒していく。熱で赤くなった手のひらが徐々に元の色にもどっていく。回復魔法は普段使わないから苦手なんだよな。僕は屍人だからたとえ首が取れても生きていられるから回復魔法を使う必要がないからなぁ。他の魔法はまだできるんだけど回復魔法だけはどうも苦手だ。うちで1番回復魔法上手いのはローザじゃないかな。
「どう?痛みは?」
「はい。大分良くなりました」
「念の為ちゃんと冷やしておいてね」
「ありがとうございます!」
「メイ大丈夫?あとでローザに見てもらお」
「そこまで酷くはないので大丈夫ですよ。今お茶淹れますね」
2つのティーカップにお茶を淹れていく、お茶のいい香りがふんわりと部屋中に広がっていく。いい匂いだ。疲れ切った体に染みる感じがする。リラックスっていうのかな。
「あれ?なんで2つ?」
「あ、私の分忘れてました」
「そしたら僕の分あげるよ。僕水分いらないし」
「いえ。この紅茶いいものなので是非飲んでください。それに水分が必要ないからといって全くとらないのは体じゃなくて心に悪いです」
「心?」
「食事は栄養補給の為だけじゃなくて心の栄養補給でもあるんです。ですから是非飲んでください。味には自信がありますので」
心、か。そんな不確かであるのかも分からないものは僕は信じない方だ。だけど昔人間だった頃に聞いたな。心と魂は同じだって。もちろんそんな根拠はないけど。心は脳にあるのか心臓にあるのかそれとも魂なのか。もし魂なら僕にも心はある。まぁ感情がないって自覚はないけどね。
「キリア。メイがここまで言ってるんだから飲んであげなよ」
「アイリス様がそう言うなら…」
「どうぞ!」
メイからティーカップを受け取る。何百年振りの食事だろう。調査中は何も食べてなかった。いやそれ以前にもう何年も食べ物を食べてなかった。食べる必要もないし時間ももったいなかったから食べてなかった。昔はなんとなく食べてた筈だけどいつまでその習慣を続けてたか忘れちゃったな。
「それじゃあ……」
鼻に紅茶のいい香りが香ってくる。カップを持ち上げて口をつける。冷ましてなかったせいで口の中が熱く感じる。何百年も食事をしてなかったせいで味覚が衰えている。紅茶の味がうっすらする感じでほぼ水みたいな味がする。でも久しぶりに暖かいものを飲んで胸の辺りが温かくなった気がする。
「ど、どうでしょうか…」
「うん。美味しいよ。ありがとう」
「本当ですか!ありがとうございます!」
満面の笑顔を俺に向ける。その笑顔を向けられた瞬間、動いていないはずの心臓が急激に脈をうつような感覚に冷たいはずの体温が上がっていく感じがする。おかしい。こんなこと今までになかったはず。この感覚はメイのあの笑顔を見てから。この状況下で考えられることは……。
ガタガタッ!!
「キ、キリア様!?」
「キリア急にどうしたの?椅子から転げ落ちて」
「い、いやなんでもない…なんでもないんだ……」
いや…いやいやいやいやいやいや…!!流石にない!もしそうだとしたら僕は異常性癖者じゃないか!!落ち着け…。僕は何百年も生きててメイはまだ12歳じゃないか!歳の差いくつだと思ってるんだ。
「それにしてもさぁ。私が美味しいって言ってもそんなに喜ばないのにキリアに言われたら凄い喜んでるじゃん。どうしてよ〜!私だっていつも言ってるよ!?」
「アイリス様は…その……なにを食べても美味しいとおっしゃるので…」
「だってメイが作るものはなんでも美味しいんだもん」
「丸こげになった料理でも美味しいとおっしゃるじゃないですか…」
「う…あ、あ!ほらお菓子食べよ!せっかく持ってきたんだからさ!」
「キリア様も食べてください。2人じゃ食べきれないので」
「う、うん……頂くよ」
椅子に座り直してゆっくり深呼吸する。まさかだ…。僕がメイのことが好き?いやいや…僕は屍人でメイは人間でまだ12歳だ。僕の身体は15歳くらいのままだけど中身は100歳越えだ。だから僕はメイには相応しくない。なんで好きになっちゃったのかなぁ…。
****
そんなことがあったあの日から3年。メイは今日、自分の誕生日の日にアイリス様にここにいることを伝えた。それを聞いたアイリス様は大いによろこんでメイの誕生日パーティーは更に盛り上がった。この3年で分かったがメイは城にいる魔王軍によく好かれてる。人間だからと何か言われることもあるがすぐに他の人が来てメイを助けてくれる。アイリス様が目にかけてるというのもあるだろうけどメイ自身の人柄もあるだろう。メイは誰にでも優しい。その優しさがみんなに好かれる理由だろう。
「キリア様!こんなところにいらっしゃったんですね」
「メイ。どうしたんだ?パーティーの主役がこんなところにいちゃ駄目じゃないか?」
「少し疲れてしまって。ちょっと息抜きです。キリア様は?」
「僕もそんなところかな。ちょっと夜風にあたりたくて」
僕がバルコニーで夜風にあたってるとメイが少し疲れた様子でバルコニーにやって来た。沢山の人に囲まれて疲れたんだろう。それにアイリス様のメイへの構いっぷりが凄かったから余計にだろう。
「そうでしたか。キリア様お料理は食べられましたか?凄く美味しかったですよ」
「うん食べたよ。凄く美味しかった」
「それはよかったです!料理長様が私の為にと腕を振るって沢山作ってくれたんです」
「うちの料理長の腕は国1番だからね」
「はい!」
「そういえば人間は15になったら教会で成人の儀を受けるんでしょ。メイはどうするの」
人間は15歳になったらサナティクト王国の教会で成人の儀を受ける。その儀式で人間は祝福をもらえることがある。人間は魔族と比べて魔法を使える人間が少ない。魔法を扱える人間が少ない上に祝福を貰える人間は更に少ない。この儀式は昔から存在する。力の弱い人間が長年魔族に滅ぼされずにいるのはこのギフトと勇者の存在。その一対である勇者はここ数年現れていないが一体何があったのか…。
「サナティクト王国の教会ですからね…。私1人で行きたいんですがアイリス様が許してくれるかどうか……」
「あぁ…確かに」
この3年で分かったことはもう1つある。それはアイリス様のメイへの過保護具合だ。メイが少し城へ出るにも誰かしら人をつける。そんなアイリス様がメイが1人でサナティクト王国へ行くのを許すとは思えない。だけどサナティクト王国へ人をつけるのはできないだろう。メイは人間だがついてくるのは魔族だ。魔族が出たと騒ぎになる。今回ばかりは仕方ないだろう。
「メイだったら祝福を貰えそうだけど教会へ行けないんだったら仕方ないね」
「そうですか?もし祝福を貰えたらアイリス様のお力に更になれたのに…」
「そうだね……」
「………あ!キリア様って人間の魔力なんですよね!」
「確かにそうだけど…まさか…」
「キリア様だったらサナティクト王国にいても人間の魔力ですから魔族だってバレませんし、アイリス様も許してくださります!」
「確かにそうだけど…」
「おい!メイ!こんなとこにいたのか!」
「お師匠様!」
「げぇ…ジャッカス…」
「チビもここにいたのか」
メイと話してたらジャッカスがバルコニーに来てメイを呼びに来た。片手には骨つき肉を持っていて随分と野蛮な見た目だな。メイはジャッカスのことをお師匠と呼んでいるがそれはメイがジャッカスに稽古をつけてもらっているからだ。少しでもアイリス様の為になるようにといつからかジャッカスに稽古をつけてもらっていたようだ。前に組み手をしてるジャッカスとメイを見たがメイはなかなか筋がよかった。ジャッカスに対してよく動けていたし、体力もある。戦いのセンスもありそうだ。だけどアイリス様はメイが戦うのを許さないだろうな。
「これからケーキだってアイリスが言ってたぞ。アイリスが探してた」
「ケーキ!行きましょう!」
「行くかぁ」
「そうだね。ずっとここにいたら身体も冷えるしね」
バルコニーを出てパーティー会場に戻る。相変わらずの馬鹿騒ぎに少しうんざりするが今日はメイの誕生日だから仕方ないな。
「あらキリア〜!メイと一緒にいたの〜?」
「ローザ、酒臭さっ!どんだけ飲んだんだい!?」
「ん〜?覚えてないわ!」
「ローザ……」
「も、申し訳ないです…もう飲まないよう言ったんですが……」
「まぁローザは酒癖悪いし…」
会場に戻ったらローザに肩を組まれて絡まれた。ローザは相当飲んだのか酒の匂いが凄いし顔も真っ赤だ。ローザは酔うと絡み酒になるのが最悪だ。側にいたアルバも止めたであろうが聞かなかったんだろうな。
「それで〜キリアあんたメイとはどういう関係なのよ〜」
「関係って…別にそんなんじゃ……」
「本当に〜??」
ローザが更に距離を詰めてくると酒の匂いが更にキツくなる。僕は酒を飲まないし、酒の匂いも嫌いだから正直酒の場は苦手だ。それにローザは酔うと普段の恋愛脳が更に酷くなる。誰彼構わずこうやって絡んでくる。今のも特段意味はない。だから僕がいまだにメイのことを好きなことはもちろん知らない。
「だから本当に……そういうことじゃ…」
「あら?あらあらあら??え、キリア貴方まさか……」
「ま、まさかなんですか?」
「あ〜……最悪だ……」
「え〜!ちょっと詳しく聞かせなさいよ!」
「こういう時だけなんで察しがいいんだ…」
僕の表情や振る舞いで一瞬でバレた。さっきまであんなに酔ってたのになんで急に察しがよくなるんだ。面白がるように口元に手を当てて背中をバシバシと叩いてくる。隣のアルバも興味深々で聞き耳を立ててきてる。あのローザにバレるなんて一生の不覚だ…。もう死んでるけど。
「で、メイのことが好きなのよね」
「まぁ…うん…」
「え〜いいじゃない!どこ?どこが好きになったの?」
「え…笑顔、とか」
「素敵じゃな〜い♡」
「え、気持ち悪いって思わないの?」
「なんで?素敵じゃない」
「僕とメイどれだけ歳離れてると思ってるの?人間でよくある10とか20歳差どころじゃないんだよ!100以上は離れてるんだよ!」
「愛に年齢は関係ないじゃない。別に私はなんとも思わないわよ」
「ぼ、僕もです!」
「でも僕はこの気持ちをメイに伝える気はないよ。だからローザが期待するようなことはないからね」
「え〜?なんでよ〜?」
「僕は屍人、一応魔族だ。人間のメイには僕みたいなやつじゃなくてちゃんとした人間と一緒になる方がいいよ。それに僕は一生15歳の姿のままだ。そんなやつなんて気味が悪いだろ」
「キリア……」
「キ、キリア様……」
この気持ちを自覚してから僕は何度もメイのことを諦めようとした。歳の差が離れすぎてて周りから見れば僕は異常性癖者だ。そんなのメイにも迷惑がかかるし気持ち悪いと思われる。だからずっと諦めようとしてきた。だけど諦めることができなかった。メイの明るい雰囲気と笑顔に何度もその覚悟は折れることになった。
「おーい!!キリア!ローザ!アルバ!ケーキ食べるよ〜!!」
「あ、アイリス様が呼んでる。行かないと」
「キリア…本当にいいのかしら」