生命の泉、訪れしわ命の芽吹き
連日投稿中です!!
今回の回は内容が濃いかもです!近いうちにキャラ絵を公開したいなと思っています。
それでは、楽しんでください!
───大天狗の背中を追いかけ、森林の奥へ奥へと歩き進む。そこは月光も届かぬ道を歩き進めて数十分が過ぎた頃、大天狗は狐宵に問いかける。
「狐宵よ、怯えぬのだな。ここの森には我らの支配下外の生物も多く生息している。もちろん我らと敵対する者もだ。温泉に行くときは大狐にひっついて怯えていたというのに」
落ち着いている狐宵を見て、意外と思った大天狗はからかいを交えて狐宵に話しかける。
「み、見ていたのですか?!一体どこから…。それにそうですね、何だかあまり恐怖を感じなくなりました」
大天狗の目、それは千里眼のようなもので敵意がなく、ある程度の繋がりがある人物を対象を見る能力がある。狐宵は、大天狗の思わぬからかいに頬を赤く染め、少し声が大きくなってしまう。この心の落ち着きは狐宵自身も不思議に思う。元々臆病な性格な狐宵からしたらありえないことだった。
そんな和やかな雰囲気の中森を歩む。次第に、月光もなく光り輝く滝が高くから落ちる泉が見えてきた。そこで大天狗は歩みを止める。
「ついたぞ、生命の泉だ。さて、早速だが本題に入ろう。あそこに廃れた祠があるであろう。その中に真っ白な狐のお面が封印されている。その祠は資格があるものしか開くどころか触れることすらできない。だが、狐宵にはその資格がある。まずは、それを開き妖狐のお面を自分色に染めるのだ」
そう言われた狐宵は廃れた祠の前に立ち、手をほこらの取手に手を掛ける。扉はすんなりと開き相手を選別するような雰囲気を放つ何色に染まっていない狐の顔が彫られた真っ白なお面を手に取る。瞬間真っ白な狐のお面に歪な紋様が刻まれ黒く染まる。不思議なことにお面は自分の体の成長に合わせて大きさが変わるようだ。
そのお面を見た大天狗は息を呑む。狐宵を迎えてからまだ日は経ってないが驚くことばかりで目を見張る物ばかりだった。
「より寄って、黒か…。全く我らをどこまで驚かせば気が済むのだ、あの大狐と言われている古の狐でさえ上位である白い狐なのに、その上を行く古の時代よりも前に生きていたという伝説の黒狐か…これは運命なのか」
仮面越しでもわかる難しい顔をしているのを見て、狐宵は黒いお面は不吉なのかと心配になり不安な顔をする。
「あ、あの。師匠、黒いお面は不味かった…ですか?」
つい不安になり大天狗に問いかける。自分の発言で不安にさせてしまったと気づいた大天狗は答える。
「むしろ逆だ、お前は凄い者だ誇らしく思うぞ。黒狐は狐の中でも滅多に生まれるのことのない上位種。だからこそ、我も決めた。お前を迎えた時はただの少女だった、お腹を鳴らした時は面白いやつだと思って気に入っていたが我の心には迷いがあった、今は心の底からお前に我らの未来を託そうと思う。その為には我らを超えて貰わなければならない、みっちり稽古をつけてやろう。さて、そのお面をつけてみるがいい」
淡々と重みを感じる言葉で狐宵に語り続けていく、同時に我らの未来をお前に託すと心の底からの信頼を込めてこちらを見ていた狐宵の肩に優しく手を置き、仮面をつけるよう諭す。
「その思い、今の私にはまだ重すぎる気がします…でも、その信頼は無駄にはしたくありません。でも、私は誓いました。この森の門番、侍る者になると。言葉の真意はまだ分かりませんが承りました」
狐宵の決断と同時に妖狐の仮面をつける。つけた瞬間、漏れ出ていた気配は全て収まり人間と変わらないものとなった。これで認識は人里に降りても違和感がなくなったのである。
一つ目の試練が終え大天狗と狐宵は皆のいる広間へと帰ろうとした時、祠の奥に位置する泉が光だし泉の中から二つの黒い狐火が飛び出した。それは小さい狐の形を徐々に形造っていき…。
「コォォン」
「コォォン」
二体の小さい黒狐が狐宵の目の前に顕現する。それは大天狗の語り話にあった古の時代より前の時代から存在した伝説上の生き物であるまだ幼い黒狐が現れた。
「──なんてことだ、これは狐宵に惹かれ顕現したというのか。全く大したやつだ狐宵は、皆を驚かせてしまうぞ困ったものだな」
顕現した二体の黒狐は狐宵の前に近づき頭を下げる。これは狐宵に服従するという意味で配下に加わったのである。
狐宵は、その幼い狐二匹を見据えしゃがみ二匹の頭を撫で黒狐は嬉そうに尻尾を振り狐宵の頬に擦り寄り微笑ましい雰囲気を大天狗は静かに見守っていた。
「さて、三人とも皆の元へと帰るぞ」
大天狗は狐宵と黒狐に呼びかけ皆の待つ場所へと帰るのであった────
どうだったでしょうか!
最近、小説を書くのが楽しくなってきたので連日投稿します!
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