災いの予兆
連日投稿できずにすいません!!
怪我の関係で、投稿できたりできなかったりで不安定ですが、できる時に投稿しますので
何卒よろしくお願いします!!
───────魔法器が映し出したものを見て一時的に取り乱した詩月、村長の助言もあって詩月は正気を取り戻し、兆光含め村長、詩月は状況を整理することにした。まずは、この画面に写っている少女について乃亜が口を開く。
「詩月さん、この少女は本当に娘さんなのか?この前聞いたところによると娘さんはもう20歳を迎えているはずだ…だが、この少女は20歳に達していないように見える…それに、あれ程の強さだ…考えづらいんじゃないか?」
その質問はもっとなことだった。映像の少女はどう見ても20歳未満、おおよそ16歳を迎えた頃の容姿であろう。それに加え、古の森で門番として侍っており、凄腕の剣士ときたら理解しようにも頭痛がする程だった。しかし、詩月はそれにも関わらず、詩月の意見は変わらなかった。
「間違いないわ、私が娘を間違えるはずがないわ。5年の短い歳月とはいえ…忘れられない思い出はたくさんあるわ。
それに、髪といい…声といい、私によく似ている…でも、まるで別人ね…」
村長も同意見のようで、詩月の発言に訂正を加えようとしない。
「私もそう思うわ、あの子の生まれた時から私も見てるけど間違いなくこのこは凛月ね。でも…狐のお面、黒いわね…」
村長は黒い狐の仮面に何かひかかるらしく、考え込む。その様子に一華は気付き、はっとし黒い狐についての伝説を思い出す。
「そういえば、私書物で読んだことがあるんだけど、黒い狐は…「神道」と呼ばれていて…狐の中でも最上位。でももう一つの名、二つ名は…」
一華が二つ名を言いかけた途端、村長の言葉がそれを遮る。
「「災厄」または、「災いの前兆」ね」
村長の言葉に一華は静かに頷く。物知りねといった顔で一華をみて少し微笑む。その顔も束の間村長はまた険しい顔で話始める。
「そうね、この際全てを話しましょう。さっき言っていた私たちだけしか知らない話も含めてね」
村長の険しい表情に一同は息を呑みあたりは静まり返る。
「ある日、古の森の奥地から狐があたり一体に遠吠えをあげる声が聞こえたわ。それをきっかけに謎の影で空高くに昇っていた満月は一瞬にして覆われて一時的な新月が訪れた、これは災いの前兆と皆はいったわ、そして暫く時間が空いた後、新たな禍々しい気配が生まれるのを感じた。今となっては…あの気配は、あの子が災厄として生まれ変わった気配だったのかもしれないわね…。そして、災厄と呼ばれる黒狐の仮面をつけているということは…彼女は…いえ、凛月は六大目の災厄になったと考えるのが妥当…ね」
その結論に隣にいた詩月はくらっとなり、その場に倒れそうになっていた体を村長が体を支える。
「正気を保ちなさい、詩月。でも、生きていたってことがわかってよかったじゃない」
「そうね…確かに…生きていてよかったわ…」
一安心した村長と詩月を他所に蒼は何かひかかったようで、蒼はふと疑問に思ったことを村長たちに問う。
「なぁ、村長らはその娘をどうするんだ。災厄となった娘と対面したとしてどうなると思う?」
その質問に村長らは言葉を失い、確かに考えてなかったことを自覚して二人顔を見合わせる。その様子をみて蒼は続ける。
「彼女は、もうすでに災厄の一員だ。村長が言っていたように彼女が村長たちを覚えているかもわからない。それに俺らニンゲンとしかみてない、下手したら侵入者としかみられないかもしれない」
その問いかけにさらに村長たちは言葉を失う、そのままでは何も進まないと思った瑠奈と一華は何かないと話あっていた。そこで瑠奈が何かに気づいた。
「ねぇ、この魔法器ってみんな持ってるんだよね?もし、この映像がみんなの前で流れたとして…みんなはどうするんだろう?」
その当たり前といえば当たり前の疑問に、その場にいた全員は思考を巡らせる。
「もしかして…捉え方にとっては…」
そう、この動画が写っているのは新たな災厄の出現、ましてやニンゲンに対しての宣戦布告として捉える奴らかもしれないということ…それに新たな災厄が生まれたということは討伐対象が増えたことにより事情も知らない冒険者協会が動く可能性があり、金に貪欲な冒険者らが変な気を起こし、また戦争の発端になりかねない…それに気づいた兆光は慌てて立ち上がる。
「ねぇ、これってあの悪式も持ってるわよね…それに悪式は冒険者協会に…」
そこで、兆光が「あ!」と顔を見合わせ事の重大さに気付く。この時に気づいた悪い予感は的中することになるのだが、この先起こることは想像を絶するものだと一同は知る由もなかった。
あることに気づいた兆光一同はこの場に止まってはこの先起こりうる事未然に防がなければならない…勢いよく立ち上がり乃亜が大声でいう
「このままでは不味い事になる、早く俺らも冒険者協会へと戻ろう!」
その言葉を発端に兆光は急いで冒険者協会への帰路につく、別れの言葉を交わす事もなく飛び出す彼らを村長と詩月はその背中を見送るのであった───────
更新をお楽しみに!!