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狐が鳴く月夜に嘆くわ伝説  作者: 謎の作家
交じり行く世界歪みゆく均衡
42/53

魔法器が撮らえたもの

今回はわりと長めですので楽しめると思います!!

ぜひ、最後まで読んでくださいね!!


あ、ちなみに自分仕事でやらかして一週間療養中ですので毎日投稿できると思います、、笑

──────兆光一行は薬草を届けるついでに、先ほど古の森で起こったことを伝え、災厄の情報を手に入れるべくとこしえの村に向かった。その帰路の途中…蒼はぼやいた


「なぁ…さっきの黒狐の少女、どこかで見たことがある気がするんだけど…」


「蒼、お前もか俺もどこか詩月さんの面影を感じた気がするんだ、髪の色といい…気のせいかもしれないが」


さっきの短い出来事の中で違和感と村長の娘である詩月にどこか面影を感じる二人、古の森に娘を逃したという点から話は繋がるのだが、常識的に考えてその娘はもう既に死んでいると考えるのが当然であの森で門番として侍っているなど、当たり前だが考えれるようなことではなかった。


「顔も見えなかったのに、面影も何もないでしょう…。気のせいよきっと。…あ、そういえば何か魔法器ってやつで出来事が自動的に録画されるんじゃなかったっけ?」


「あ、そういえば私たちも持ってるね。冒険者の常備品だったかな。それを見せれば、村長達にも説明できるかも」


魔法器それは、自動的に戦闘や冒険の様子を録画し見返すことができる情報共有を目的とした冒険者の必須道具であり常備道具である。それを元に村長との情報共有を図ることにした。


 そうこうしているうちにとこしえの村の村長の家についていた、扉を叩こうとした瞬間に扉が勢いよく開き村長がすごい汗のかいたすごい形相で兆光を出迎えた。兆光達の顔を見るなり、深いため息をつき肩を撫で下ろす。


「あ、あの…村長さ、」


「詳しいことは中で話しましょう」


瑠奈の話をスパッと遮り、村長は緊迫した心境で家に急かすように上げ先ほどの和室へと招き対面に座らせた。

一言も発することも許されず、気づいたら兆光の面々は村長を前に横一列に座っていた。村長は深呼吸をし、口を開いた。


「貴方達…古の森へ足を踏み入れたわね!あの森へは絶対に入ってはいけないって言ったでしょ!」


周りを静まり返す程の村長の声、まるで悪いことをした我が子に親ながら叱るような説教がしばらく続く、兆光はその説教を受けながら、ことが事がとはいえ約束を破ってしまったので言い訳もせずにただただ反省していた…説教していた村長はしばらく叱ったあと、声がだんだんと小さくなり次第に言葉が叱りから安心したという言葉に変わっていった…


「…だけど、良かったわ、貴方達が無事で…あの森へ踏み入れたら最期、二度と帰ってこれない、あの白金の冒険者様でも帰ってこなかった。私達の話をここまで聞いてくれたのは貴方達が初めてだし、第二の我が子とも思っていたから…ほんとに良かったわ…。あ、そういえば、貴方達あの森へ入ったのでしょう?何かあったかしら?」


最後は本当に心配していて、安心したと言われ兆光達は深々と反省する。そんな時に何かあったかと聞かれ、先ほどまで話しあっていたことを思い出し、魔法器をだし村長に見せることにした。


「これは、魔法器といって冒険者の常備道具です。情報共有を目的にしていてこのように空中に映像を映し出すことができて…」


魔法器を起動した、瑠奈は空中に先ほど録画したものを映し出す…そこに映し出された少女に村長は生唾を飲んだ、

そんな村長の反応に気づくこともなく瑠奈は再生する。

 再生された動画に確かに先ほどの少女がしっかり撮らえており画面の中の少女は確かに大男に太刀を向け命を奪おうとしている、そこに兆光が乱入し、四人を見るなり一瞬、間が生まれる。束の間少女は一言ポツリと零す。


「ニンゲン…次は、ない」


その短い言葉を引き際に少女に濃霧がかかり、魔法器の視界は真っ暗になり録画が終わった。


 録画が終わると同時に2階からすごい足音を立てて階段を降りてくる音が聞こえた、鳴り止んだと思ったらものすごい勢いで襖が開く。詩月だった。詩月は息を切らすほど全速力で降りてきたらしくはぁはぁと息が上がっていた。

そして、瑠奈に先ほどの録画を私にも見せてほしいと頼み込み録画がまた再生される、その流れた映像に食い入るようにまじまじとみて録画が終わるころには、詩月は涙を流していた。


「……生きて……いたのね……凛月りつ…」


ポツリと詩月はそう言葉を零した、画面に映る少女を見るなり涙を流し「鈴月」と涙ながらに言う。その言葉に、兆光たちの違和感は確信へと変わる、あの少女に詩月の面影を感じたのは気のせいではなかったのだ。思わず詩月はそのまま立ち上がり、どこかへ行こうとした。しかしそれは村長が急いで詩月の腕を掴み静止した、その行動に詩月は

「どうして?」といった顔をするが、村長は強めの口調で詩月に言葉を投げかける。


「貴方の知っている、凛月とはもう変わっているかもしれない。貴方を覚えているって言う保証もないでしょ?それなのに、貴方の行動は死ににいくのも同然よ、一旦落ち着いて座りなさい」


その言葉に詩月は自分の行動に反省して確かに冷静ではなかったと思い、誘導された座布団に腰を下ろす。怒涛に起こる出来事に一段落つけ、一同は深呼吸をして落ち着き今後について話しあうことにした。


 

 一方、その頃。古の森の見張りを終えた狐宵は夜叉邸へと帰っていた。狐宵の日常は日中、夜叉と災厄の名に恥ないように日々鍛錬をこなし、同時に古の森の巡回を行う。一通り終えたら夜叉邸で日々を過ごすと行ったすっかり夜叉邸が自分の帰るべき場所へとなっていたのだ。侵入者を追い返した日のこと、変わらず夜叉と狐宵は談笑を交わしていた。


「幻災よ」


「狐宵です」


「…っ、あぁ…呼び名などなんでも良いじゃないか」


「いやです、私にはお母様から頂いた立派な狐宵という名前があるんです。そう呼んでもらなければ私反応しませんからね」


夜叉邸にきてはや3年の歳月が経っていた、そんなにも過ごしているのだから夜叉とももはや家族同然の仲まで深まっていたのだ。


「そんなに呼び名が大事か?相手に伝わればいいと思うのだが…」


「よくありません、ねぇ?輝夜様?」


そういい後ろ台所でお茶を淹れお茶菓子を準備していた、輝夜に問いかける。輝夜は微笑ましいなと思いながら、お盆にお茶菓子とお茶をのせ狐宵と夜叉の前に並べながら口を開く。


「そうね、せっかく名前があるのだから、そう呼んでほしいと思いますよ?今では輝夜と呼んでくれますが前までは、嫁としか呼んでくれませんでしたから」


と、夜叉を見ながらからかうようにクスクスと笑みを溢しながら狐宵の意見に賛同する。夜叉は輝夜までにそう言われてしまい部が悪くなりぽりぽりと頭を掻く。そして観念したのか夜叉はこう提案する。


「はぁ…仕方ないな、だったらこうしよう…俺はお前を「狐宵」と呼ぶからお前は俺を「天」と呼ぶことにする。これを受け入れるなら狐宵と呼ぶことにする…どうだ?」


自分も呼ぶからそちら側も名前で呼んでほしいといった夜叉のまさかの提案に狐宵はおかしくなり思わずクスリと笑みを零した。夜叉はそんな反応をされ照れ臭くなったのか誤魔化した。


「クス…ふふ、わかりました、その提案を呑みましょう…そ、天様…?」


「あぁ…それでいい、狐宵よ。話が逸れたが本題と行こう。いつものお前なら侵入者を迷わず葬るのに今回は、あの冒険者らを逃した。なぜだ?」


その問いかけに狐宵はしばらく考えて、疑問が混じった顔をしながらポツリと零す。


「なぜでしょう…私にも何故逃したのかはわかりません…。でも、あの冒険者4人組に感じたものがあるんです」


後から乱入してきた兆光に何かを感じたという狐宵に夜叉は興味深げにまた問いかける。


「何を感じたんだ…?」


「あの四人から…どこか懐かしい匂いを感じたんです…」


天井を見上げ、遠い昔の記憶をたどるような顔をする狐宵に夜叉は「そうか…」とだけ消えそうな声でそう言葉を零すのであった────────

最後まで読んでいただきありがとうございます!!

更新をお楽しみに!!

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