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狐が鳴く月夜に嘆くわ伝説  作者: 謎の作家
交じり行く世界歪みゆく均衡
37/53

過去の後悔

連続投稿2日目です!!

昨日は108P Vを突破しましたー!!!皆様のおかげです!

今後ともご愛読の方よろしくお願いします!!!


彼の者→「かのもの」と読んでください!

────────村長と兆光の面々が会話を交わす中、入り口の方から足音がこちらへ近づいてきた。その足音の主は、妖麗な白く肩にまで届く長い髪。瞳孔は半分は満月化を思わせるかのような黄色、もう片方はエメラルドの宝石ような緑色をした瞳孔をした行き交う者が振り返ってしまうほどの美貌を有した大人の女性がふすまを開け顔を出した。



「お母さんただいま、あら、ほんとにお客さん。いらっしゃい、お客さんなんてほんとうに久しぶりね」


「詩月、せっかくだしこちらへきなさい。貴方も話せることがあるかもしれないわよ」


ふすまから顔を出した女性は、村長に対しお母さんと言っておりおそらく娘なのだろう母親に和室に入り座るように促され村長の隣に座った。


「ほら、詩月。彼たちは冒険者の方々よ。この方たちはね何でもあの災厄について興味があるみたいでね。さっきまでその話をしていたの。そうね、話をする前に簡単に自己紹介したらどう?」


「災厄に…あ、あ、うん。そうね、私はこの隣にいる村長の娘の詩月と申します。それではあなた方のことも教えていただける?」


 詩月が自己紹介をするまで兆光の面々は言葉は発せずほど見惚れていた、詩月に問いかけられ我に帰り慌てて簡単に自己紹介をする。


「チームリーダーをやっています。太刀使いの蒼です」


「魔法師の瑠奈です…すごい綺麗」


「おい…本音が漏れてるぞ、ぼ、僕はレンジャーの乃亜です」


「乃亜も動揺しまくり…私は、僧侶の一華です、よろしくお願いします」


動揺しつつも何とか自己紹介を済ませた面々、たどたどしい兆光達に少し微笑みながらも聞いていた詩月は続いて口を開き先ほどまで何を話していたのかを聞く。


「その様子だと、お母さんからは災厄の歴史を聞いたみたいね…私からも話したいことは山々なんだけど、ここで話すには空気が重いかも…外を散歩しながらでも話さない?」


「そうね、貴方の話は結構なものだから…詩月のしたいようにしなさい。兆光の方々少し悪いのだけど、付き合ってあげてくれるかしら?」


相当重い話なのだろう、二人は険しい顔して眉間にしわを寄せている。兆光たちは村長からのお願いを承諾し詩月とともに散歩がてら外出することとなった。


「それじゃ、行ってくるわね。お母さん。兆光の皆さんついてきて」


「えぇ、行ってらっしゃい。気をつけるのよ」


 村長の家を出てとこしえの村中を歩く、行き先はわからずただただ詩月の後ろをついていく詩月は歩きながら、語り始めた。それは、どこか悲しそうで後悔に満ちたような話だった。


「私はね…元々、三人で暮らしていたの。夫に…娘、そして私。不自由は色々あったけど日々、仲が睦まじく生活をしていたごく平凡家庭だったと思う。それに、娘はねとっても可愛かったのよ、鈴が転がるような笑い声に、天使のような笑顔をしていたわ」


村の中を歩きつつ詩月は過去の話、自分の娘がとっても可愛いのだと嬉しそうに話し始めた。


「へー…!娘さんとっても可愛いのですね…詩月さんもとてもお綺麗な方ですし娘さんもきっと詩月さん譲りで可愛かったのですね、一度会ってみたいなぁ」


会ってみたいという言葉に詩月は作ったような笑顔で応答をしていた。


「そうね、いつか会えてたらいいわね」


 詩月の娘の話が弾む中、それを盗み聞きする影がいた。それは…


「兄貴、何だが面白い話があるみたいでっせ」


「おい、お前、隠密使えたよな、その話詳しく盗み聞きしてこいよ」


「了解ですぜい…隠密」


彼らは、兆光の一個ランク上の鋼鉄の冒険者。彼たちはスキルを利用した盗み聞きや自分たちよりランクが下の冒険者には横柄な態度をとるといったことで悪評名高いチーム「悪式」だった。隠密を利用し、詩月一行のあとを追うのであった。


 兆光一行はそんなことも知らず、話しを弾ませながら歩みを止めることなく次第に高い見晴らしのいい丘に向かっていた。

話をする中、蒼が今までの話にふと疑問を持ち何気ないことを質問をした。


「なぁ、さっきからその話、全部過去のことに聞こえるんだけど、今娘さんたちはどうしているんだ?」


そう今まで話していたことは全てまるで過去を語るかのように話ていたためそこがひかかったのだろう、ふとした質問に詩月は楽しそうに話していた顔を一変させ顔を曇らせた。

その頃には丘の頂上に到着しそこから見る景色は古の森を一望できる景色だった。もう隠しきれないと悟った詩月は本心を打ち明けることにした。


「気づいてしまったのね…そう、今までのは全部過去の話。私の家はある日を境に貧乏になった、原因はわからない…食もまともにできなくなって夫は暴力を振るうようになった、最初は私だけだったんだけど、次第にそれは娘にも振るうようになって、私が目を離している間に振るわれていて、このままでは娘が殺されてしまうと思ったの。だから私は…娘を、あの古の森に逃すことにした。

まだ5つの年を迎える前の子だったけど…ここの言い伝えでね「7つの年を迎える前の子は神の子」っていうのがあって、ならば…神に…それが例え、災いの神様だったとしても…救われるならって思って…夜中に娘を連れ出して少し大きめの竹で編んだ籠に寝かせつけて古の森に置いて私は逃げてしまったのよ…」


思いを打ち明けた詩月、その想像を絶するほどの過去を打ち明けられ言葉に詰まった面々、しかし場所に似合わない気配がささっとその場から姿を消した。


「ただの言い訳だけど…私は、あの子が私の目の前で死ぬのを見るのが嫌っだたのかもしれない…愛する娘を失うのが怖かったのかもしれないわね…。ごめんなさいね、こんな話をして、困っちゃうわよね」


全てを打ち明け、目には涙を浮かべており力なき笑顔で振り返る詩月。そんな表情をしながらも詩月は袖から大事そうに何かを取り出した。


「でもね、私は娘がまだ生きていると思っているの、娘を逃した次の日に気になって…見に行ったのよ。籠は風で転がっていて娘はもうそこに姿はなかった。けど、代わりに一つの羽が落ちていたのよ」


そういい、詩月は一枚の大きな羽を兆光の面々へと見せた。


「私は、娘が生きていると信じているわ…いえ、生きていてほしい。古の森の言い伝えにあった、空の彼の者に拾われたのだと思っているわ。叶うならまた会えたらいいわね、もう20年ほども前の話だけど…今あったら、綺麗なお姉さんくらいにはなっているのかしらね…」


儚い表情をした詩月に、乃亜は声をかけた。


「きっと、会えますよ。娘さんは生きていると思います、その願いを諦めることなく持ち続けていれば」


その応答に詩月は、少し嬉しそうにした。


「付き合ってくれて、ありがとう。私の話は終わり、そろそろ戻りましょうか」


詩月の壮絶な過去を聞いた面々は、一人一人それぞれの思いを胸に刻み冒険を、今後の人生を強く生きていこうと思ったのであった─────

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

是非是非、ブックマークやいいね、感想等々お待ちしておりますのでよろしくお願いします!


流石に、100を超えるPVは始めただったのでびっくりしました笑

今後とも皆様に面白いと思ってもらえるよう投稿していきますので!!何卒!

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