爪痕消えぬ故郷
夜勤週で、仕事前で暇なので毎日投稿します!!
投稿時間は相変わらず18時投稿ですので、寝る前や通勤通学時間にでも読んでいただければ幸いです!
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───────村長は目の当たりにした過去を兆光に震えるように打ち明ける。先程まで冷静沈着なままに座っていたのだが、歴戦の過去を話すにつれ冷静さは次第になくなっており体が小刻みに震えていた。それを終始きていた兆光の面々は、生唾を呑み込み一言も発することができなかった。
話の最後に今の貴方たちの故郷の姿を教えてほしいと言う村長。この場とこしえの村は、一見農業や商業で様々な発展をみせ活気に溢れる村に見えるが、隠しきれぬ爪痕が今でもなお残っている。
その一つが目の色だ、とこしえの村の出身の住民は皆緑色の瞳孔をしているが村長の目は片方だけ灰色がかかっている。これは不死の災厄がかけた呪いの一つで、かつてのとこしえの村の住民は普通の人間種より100年長生きするという特徴があった。
しかしあの戦争が会って以降、不死の災厄は自分の恩恵を与えていた大地の住民に呪いをかけ徐々に生命を吸い取るという呪い、それは生命に溢れた緑色が次第に灰色になり、年々体の自由は奪われていき両目が灰色に染まったとき命は朽ち果てると言うものだった。
言葉に詰まる面々、最初に口を開いたのは先陣を切って質問をしていた乃亜でもなく、魔法師の瑠奈だった。
「私の故郷…カグツチは、私が生まれて幼少期を過ごしこうして冒険に出るまでの日々一日たりとも消えることのない業火が至るところで火が燃え上がっています。
それは私が生まれる前から燃えていると聞いています。雨が降っても、風が吹いても消えることなくもなく、弱まることもない炎災を象徴するかのような業火。ある一人が臆病ものだと私たちのことを見下し業火に触れた人間がいました。それは幻ではなんでもなく一瞬で男の体に燃え移り灰も残さず燃え尽きたと…今こうしている間もその呪いとも言える業火は燃え続いていると思います」
その話を聞いた村長は瑠奈の言葉を重く受け止めるように、黙って聞いていた。瑠奈の話を聞いた隣に座っていた一華が続いて自分の故郷の現状を話す。
「私の故郷ナルカミは…一年中、空は晴れることなく雷雲が空を覆い雷が鳴り響いています…私が冒険者となるまで青い空を拝んだことはなく初めて晴れ渡る空を見た時は世界はこんなに美しいものだったのかと感動を覚えたほどでした。
話を戻しますが、一年中鳴り響いている雷は時々落ちてきて、その雷で家が燃えてしまう被害もしばしば…最近では、魔法使いも増え、電気耐性がある魔法防壁で保ちつつありますが、それもいつまで耐えれるかわかりません…、雷災様がお怒りなのだと小さい頃から聞かされて、私はいつか雷災様に怒りを鎮めてもらいたいなって思ってます…」
二人目が話終わり、続いて続いてと乃亜、蒼が話始めた。
「僕の故郷、イザナミはかつては、清らかな水が流れる大地でした。それを飲めば寿命が伸び身体の汚れは流れ落ちるとまで言われていたほどのものでした。しかし、今ではその川はおろか水源は蒸発して日々の水を確保するのも一苦労で、水の魔法を扱う魔法師に依存すると現状になっています」
「俺の故郷ヤハタは、周りは森林に囲われているのだがそこには魔物と言われているモンスターが生息しているのだが、俺が幼少期の頃に今まで魔物どもが人間の生活の場に現れることはなかったのだが、近年になって凶暴化してヤハタの武士団たちが対応に追われていて死者も出ているほどだ。俺はその魔物たちに対峙できる力が欲しくて冒険者になったんだ」
各々の故郷の現状をそして自分は今、自分故郷をどうしたいかを語っていく面々。その思いを現状を全て聞いた村長は、やっと聞けたと言う思いと悲惨な現状に深く受け止めるが複雑な心境だった。少し間が空き、村長は口を開いた。
「ありがとう…こんな老婆の話を聞いてもらって…ん、あら帰ってきたみたいね」
感謝を述べる村長の言葉を聞いている途中に、玄関の方から足音のような音が「トトト」と近づいてくるのが聞こえてきた。
「ただいまーお母さん」
姿を現したのは、長く綺麗な白い髪に満月かを思わせるような黄色い瞳孔と緑の宝石を嵌め込んだかのような緑色の瞳孔周りを惹きつけるかのような容姿をした大人の女性だった──────
最後まで読んでいただきありがとうございました!!!
先日、読者の方から日本語が多々読みずらい部分があるとご指摘をいただきました!
改善していきたいと思っておりますので、読者のかたもし気づいた部分があれば、DM等で誤字報告をしていただければ嬉しいです!大変助かりますので、ぜひよろしくお願いします!
それでは!更新をお楽しみに!