秘めた心
今週も投稿できてよかったです!ではではお読みください!!
─────万の病に効くと言われる薬草を採取する依頼を受け、古の森への道のりを歩く「兆光」こと、最近下から2番目の黒曜ランクになった冒険者チーム。困ったことに古の森の所在しかわかっておらず、それ以外の情報が何もなかった。
「なぁ、瑠奈。その黒い狐の仮面を被った少女だっけな。それ以外になんかの情報はないのか?」
「そうねぇ、私は噂話を耳にしただけだから詳しくはわからないけど、私は災厄に何か関係してるんじゃないかって思ってるのよ」
情報が少ない現状、とにかく何でもいいから情報が欲しい一行。そこで、太刀を主に使うチームのリーダーである蒼が口を開き、後を歩いていた魔法師であり、主に後衛で広範囲魔法を使う瑠奈が災厄に関わっているのではないかと答える。その返答に蒼は興味を持ちつつも覚えが悪い蒼は難しい顔をする、その顔にいつものことかと呆れつつも瑠奈は続ける。
「遥か、昔より存在するとされる五大災厄。「水災」「炎災」「不死鳥」「夜叉」「麒麟」この五人が災厄最恐と恐れられているわ。過去に何かが発端で、人間界と災厄たちの戦争が勃発していまだにそれが続いてるって話よ。そして、私たち冒険者の最大目標が五大災厄の討伐。けど、歴代の白金の戦士たちは古の森に足を踏み入れて以降、消息を絶ったそうよ。今では3チームいる白金ランクの「漣」「鎌鼬」「豪化」しか存在しないわ」
災厄のことについて少し興味のあった瑠奈の故郷に伝わる話を蒼たちに語る。その話に加え、乃亜が謎になっていた部分を少し強い口調でつけたしをする。
「きっかけは、俺ら人間が古の森の生物を傷つけたからだ。これは俺の叔母から昔から聞かされた話何だが、古の森こと、あの災厄の生息地は昔は神々が生きる聖地として人々は崇めていた。あの謎めいた森は昔では季節折々の姿を見せ、神聖な場所だったと言われている。神々は人々の住む土地に恵みを与え人々はそれを頼りに生活をしていたんだ。だがそこには侵入禁ずの決まりがある。しかし、ある日天空の支配者の刺客と名乗る者が森へ踏みいり空の彼の者の配下を傷つけた。それを発端とし戦争が現に至るまで続いてきたんだ。かつて神と呼ばれていた者は怒り狂い人々の土地を荒地と化した。植物は燃え灰となり、水は大波となり押し寄せる。天気は荒れて、全ての生命は力を失い、数々の人型の魔物が人々と戦った…。それ以来かつて神々と呼ばれていた者達は、「災厄」と呼ばれるようになったてな…」
乃亜は何か言いたげにしている様子を見て、蒼は乃亜の肩に手を置き抱き寄せその不意に乃亜は体勢を崩しかけなんだよと思いながらも蒼を見る。
「なんだよ、何か言いたそうだな。俺らの仲だ。喋ってもいいぞ」
いつもは、能天気で何も考えてなさそうな蒼だが、人一倍仲間思いで蒼は時に頼りになる性格だった。そんな蒼にやれやれとため息をつきつつも乃亜は本心を話はじめた。
「俺は、この戦争の真実を知りたい。なぜこうなってしまったのかと。この戦争のきっかけは俺が先言った通り、天空の刺客が空の彼の者の配下を奇襲したからだ。しかし、歴史上では突如災厄が暴走し我々の世界を破壊を開始したと書き換えられている。みんなもそう記憶しているはずだ、この情報は今俺しか知らないと思う。何故なら俺の叔母は、俺がまだ小さき頃に何者かの手によって消されたからだ。これには絶対に何かが絡んでいると思うんだ。あわよくば、災厄と呼ばれている者たちと話し合いをし和解をしてこの戦争に終止符を打ちたい。これが俺の冒険の終着点だ」
心の内に秘めていた言葉を乃亜は皆に告げるように話し、蒼一行は何かの決意を固めるかのように頷いた。そんな話をしながら歩いている道中、林を抜け谷を跨ぎ、そこそこ発展した村が見えてきた。休憩をしようとそこに寄ることにしたところ通りすがったとある老婆が先ほどの話を小耳に挟み蒼たちに話しかけてきた。
「あんたら、あの森に行くのかね」
「はい、薬草の採取依頼でここまできたんです。なんだか知っていることがあれば教えてくださいませんか?」
と、僧侶の一華が応答する。その返答に老婆を一瞬難しい顔をしながらも話を続けた。その内容は先ほど休憩のため寄ろうとした村の話となる。
「あの森のことを知りたいのなら、あそこに見える村に行くといいわよ。あそこの村の名前は「とこしえ」と言うんだ。私もあそこの出身なんだがあの村は古くから古の森と関わりがあってお前さんたちが知りたいことも知れるかもしれないよ、村長のとこに行ってみるといいわ、私はあんま詳しくないないからねぇ、ごめんねぇ」
力になれずにごめんねと謝る老婆に一華と瑠奈は頭を上げるように宥めつつお礼を行って言われた通り村に向かうことにした。そして蒼はこれからの方向性の確認として皆に告げた。
「よし、俺たち「兆光」は薬草の採取に加え、古の森の情報収集をすることとする。異論はあるか?」
蒼の宣言に三人は異論なしという意味で首を振り満場一致でとこしえの村に向かうこととした──────
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