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狐が鳴く月夜に嘆くわ伝説  作者: 謎の作家
森の門番への道 〜災い〜
30/53

哀愁に塗れて

前話の後日談会です!

是非、前話と合わせてお読みください!



────── 「故にお前の成長を見込み、幻災としての立ち位置を認めよう。五代災厄改め、六代災厄だ。いずれ、これは人間界にもしれわたるであろう」


 夜叉や、顔見知りの面々が集まる会議の中で、さらっと重要なことを言われた狐宵。自分を六代災厄に加えると言われ、脳が理解をするのに時間がかかる。徐々に理解して、やっと処理が終わった頃に狐宵が立ち上がり、驚きのあまり立ち上がり夜叉に説明を求めようとするが、その場に夜叉の姿はもうすでになく時は遅かった。仕方なく、その場に残った古の狐、古の天狗に事の真相を問いただす。


「ど、どういうことですか!!私が、六人目の災厄になるんですか?ど、どういう事か説明してくださいよ!お母様!師匠!」


状況を理解できない狐宵は、二人に攻め立てるように質問を投げかける。自分がどうして六代災厄に認められたのか、夜叉がいった事は本当なのか。今後六代災厄になったことで自分はどう存在していくのかと様々な感情が入り混じっていた。そんな狐宵の興奮を抑えるため、古の狐は狐宵に抱き寄せ落ち着かせる。古の狐が天狗に視線を送り、説明をさせる。


「あぁ…夜叉が言っていたことは本当だ。我らの総意によって決まったことだ。お前の力は狐宵の思っているより想像を絶するもの。いや、我らが思っているよりもだ。そんな存在をこの世が放ってはおかないだろう。ここから真の目的をお前には話そう。狐宵、お前は人間との戦争に終止符を打ってほしいのだ。それにはそれなりの影響力が必要だろう。なので、お前を災厄として鍛え上げ人間界に圧をかけ、奴らの玉を引っ張り出す。これが目的だ」


 古の天狗から感じられる重々しい雰囲気、今までの天狗からは感じたことのないオーラから狐宵は反論をする気が無くなっていた。奴らの玉と言うのは、おそらく冒険者を設営したと言われている天の支配者のことだろう。それと同時に、自分自身も冒険者の討伐対象になると自覚しなければならない。険しい顔で聞く狐宵に古の天狗は続ける。


「お前の素顔がバレてはならない、故に古の森を徘徊する時や人里に出向く時は妖狐の仮面は外さないようにしろ。しかし、それも時間次第でバレてしまうだろう。そうなってしまった場合冒険者がいつ目の色を変えて襲ってくるかわからぬ、ならばそいつらを圧倒する力が必要となる。お前も、腹を括るのだ」


力強い言葉に、生唾を呑み込み狐宵はこの先の自分が歩む災厄としての終わりの見えない人生。天空の支配者、冒険者という未知の存在と対立すること。災厄として鍛錬をして強くなっていくこと、心の中は不安だらけだったがどこか、不気味な好奇心が湧いていた。


「わかりました…私は、月影狐宵は「幻の災厄」として、この森を私たちの領域を人間如きの侵略から門番として侍り、一生を捧げることを誓います」


狐宵の決意を聞き届け、古の天狗、狐は夜叉の元へいくようにとさとすように目線を扉の方へ向ける。

その意図を察し、母親の毛並みを掴んでいた手を離し腰を上げる。太刀を腰に納め扉の方へと足を進め大きな扉を開け、振り返る。狐宵は心の底で心配があった。それは、


「私が、力に呑み込まれた時は迷うことなく殺してくださいね」


昨夜は力に呑まれずに済んだがまたいつあの現象が怒るかわからない。暴走して仲間を傷つけてしまうかもしれないその思いもあり、力の抜けた言葉を口にした狐宵の表情はどこか哀しげで力が抜けた作りの笑顔をしていた。昨夜に自身の力に呑み込まれそうになったあの現象は、今だに頭の中で渦巻いていて今後も残り続ける見えない傷となったのだ。


 そんな言葉を口にした娘に対し、二人は悲しむとは打って変わって任せろという眼差しをむけていた。


「安心しろ、狐宵が暴走したならば我ら総出でお前が収まるまで戦い続けてやる。だからそんな悲しい顔をするでない」


「そうよ、そこの天狗のいう通りだわ。愛娘を手にかけるなんてありえないわ。貴方が正常に戻るまで私たちは戦い続けるのみよ」


その二人の言葉を聞き、涙が溢れ落ちそうなのを堪えて扉の向こうへと足を進めその場を後にした──────

最後まで読んで頂きありがとうございました!


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