「幻」即ち災厄
先週は投稿に空きがでてしまい申し訳ありません!
実家に帰省しておりました!!今週は投稿できたのでぜひ楽しんで呼んでくだされば嬉しいです!!
───────身嗜みを整え、気を引き締める狐宵一同。
夜叉からの伝言、「準備を整え、御殿に来い。お前についての話がある」と。この意味がありげな言葉が今後の門番としての道に影響しているかは今の狐宵には知る由もなかった。
重い足取りで夜叉の待つ御殿へと着々と歩む。その道中に、夜叉の家来たちが護衛をしており部外者の妨害、侵入を許すまいとする佇まい、通るたびに向けられる視線。狐宵は黒妖狐の面を被っているので素顔は見られないが、側から見たら堂々とした姿勢で、威厳を感じさせつつあるが仮面の下は、その様を保つので精一杯だった。
それに比べ、焔や雫は意外と堂々としており周りの目を気にしている様子は見受けられなかった。見習わなければとふと思う狐宵であった。しばらく、歩みを進めると夜叉が言ってたであろう、門番が二人仁王立ちしていた。
その門番の容姿は、片方は女性であり肩、背中と鬼の刺青が描かれており、片方の門番は全てを断罪する大剣。もう片方の門番は千里先まで一矢で射抜くほどの性能を持ち合わせているという大弓使い。夜叉の側近であろう案内人が狐宵たちの到着を待っていた。狐宵を見るなり、門番は深々と一礼をする。
「お待ちしておりました。幻災の狐宵様。私は、夜叉様の側近である。「断罪の使徒テンパラ」と申します。お会いで来て光栄でございます」
幻災という言葉に内心驚く、古の天狗より教えてもらった五代災厄その中にあたかも自分自身が加わったかのような言い方に胸をバクバクとさせながらもう片方の門番、屈強な体の門番の挨拶を聴く。
「お目に掛かり光栄でございます。テンパラと同様、夜叉様の側近である「千里を射抜く天若日子」と申します。本日は夜叉様から案内役をするようにと申しつかっております。早速ですがこちらへ」
突然言われた「幻災」の言葉に脳の処理が追いつかないまま夜叉の側近のあとを続き、夜叉がいるであろう御殿に向かう。そうこうしているうちに大きな扉の前に立っていた。たった瞬間扉の向こうから声がした。
「来たか、入ると良い」
夜叉の声と同時に、大きな扉は開かれ中に入ると、全体的に和を模した広々とした間。ところどころに武器が飾ってあり、室内で戦闘が行われても良いくらいの空間が広がっていた。その奥に堂々とした様で夜叉が輝夜と共に、座布団にかけていた。驚くべきはそこではなく、古の狐、古の天狗もそこにいたことだ。予想外の面々に驚きつつも、こちらへにこいと夜叉が手招きをして、目の前に置かれた座布団に狐宵たちも掛け夜叉は、早々に語り出した。
「早速だが、本題に入ろう。お前が知っている通りこの古の森、森と一口にいうが古の森の領域は広く陸海空に広がりそこには人間共が名づけた、五代災厄が存在している。知っての通り我もその一人であるのだが、本日を持ちお前、月影狐宵を「幻を操りし災厄」、「幻災の狐宵」として認める。聴こえたのであろう、昨夜。頭に響くあの声を」
昨夜、聞こえたあの声。自分であり自分ではないあの声、聴きたくなくても脳内で響く声。
「私は…月影狐宵。半狐の子としてこの世に産まれ…この先も永遠の時を生きるこの森の門番。感情は次第に薄くなり…やがてはこの世の秩序を司どる災厄となる─────」
この言葉を思い出し、背筋が凍る。その様子を見て夜叉は続ける。
「その声は、お前自身の力からの声であろう。その力はお前が思っているより膨大で、昨夜それはお前自身を呑み込もうとしたのである。その力に呑まれればお前自身の命はそこまでだったが、しかしそれにお前は争った。それはそう簡単なことではない、故にお前の成長を見込み、幻災としての立ち位置を認めよう。五代災厄改め、六代災厄だ。いずれ、これは人間界にもしれわたるであろう。覚えておけ、災厄に認定された以上、お前の首を狙う者が現れる、人間は金というまやかしに目の色を変え何時でも狙ってくる、故にこれより俺が直々で打ち込み稽古を行う、外で待つ。解散」
今宵、五代災厄、それに加え「幻災の月影狐宵」が加わり、改め六代災厄となり新たな歴史が刻まれた─────
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