和み徒然
3本目投稿です!!今回はほのぼの回です。
最近誤字等が多いですが、気づき次第訂正させていただきます!
誤字報告していただけると助かります!
────夜が明け始め、静まり帰った部屋にも日光が差し狐宵たちの顔を照らす、眩しさに狐宵は目が覚め上半身を起こし辺りを見渡す、隣にいたはずの輝夜は日が上り始める前に起床したらしく微かに温もりが残っていた。焔と雫を撫で起こし、布団から出ることにした。襖の向こうから食欲をそそる匂いが漂ってくる襖を開けて、そこには朝食を準備していた輝夜が立っていた。
「あら、狐宵さんに焔さんに雫さん。おはようございます。朝食の準備をしているので、洗面台で顔を洗ってきてください。そしたら、私が櫛で髪を整えてあげましょう。」
まるで母親のような輝夜に狐宵は、昨日のこともあり完全に心を許し打ち解けていた。言われた通り、狐宵たちは洗面所向かう。鏡台の前にたった狐宵は、タオルを濡らし絞って、焔と雫の顔を拭いてあげた。
「焔、雫。お顔拭きますよ、じっとしててくださいね」
「はい!んんんむ…ぱっ!スッキリしました!」
「んんん…ふぅ…。さっぱりです」
二人の顔を一通り拭き終わり、自分自身の顔を洗い眠気を飛ばす。それから居間に戻りそこに輝夜が櫛を持って、こちらにむけ微笑みかけ正座をして待っており、輝夜は手招きして目の前に座るように誘導した。招かれるままに、狐宵は輝夜の前に背を向け正座した。そんな素直な狐宵に微笑ましく思い輝夜は優しく抱き寄せながら櫛で寝癖を徐々に整えて、サラサラと髪を梳き綺麗な髪になった。初めて髪を梳いてもらいサラサラになった髪に狐宵は自分の髪を触り、嬉しそうにしている。手櫛ばかりで済ませていたので竹で作られた櫛にすごく興味を示したそうで、輝夜の持っていた櫛に目を輝かせていた。
「あら…?この櫛に、興味をお持ちですか?ふふ、いくつかあるので差し上げますよ。柄もいくつかあるので、見に行きましょうか」
「え!ほんとですか…?嬉しいです!柄もたくさんあるのですね!見にきます!!」
わかりやすい反応をする狐宵に愛おしさを覚える。輝夜は、腰をあげ再び手招きをして輝夜の身だしなみをするための部屋に移動する。
箪笥を開け、そこにはいくつかの柄の櫛が綺麗に収納されていた。十色な櫛を一つずつまじまじと眺め、目を輝かせながら見ている。そんな狐宵に手に取ってみてもいいですよと輝夜は言い、狐宵はあまりに綺麗な櫛に唾を飲み込みながら手にとる。ツヤツヤな肌触りに、ほのかな竹の香り。自然を利用したきのみなどの色を利用して、柄が描かれている。手にとったのは赤く少し黒い色で桜柄が描かれていた。
他にも様々な柄があったのだが、狐宵は桜柄の櫛に釘つけになり偉く気に入ったそうで、輝夜は問いかける。
「それにしますか?すごく気に入ったそうですし、差し上げますよ」
と優しく微笑みかけ、狐宵は嬉しそうに頷き櫛に頬擦りをして大事そうにした。まるで、自分の子ができたような気分になり、気づいたら狐宵の頭を優しく撫でていた。撫でられ甘えるようにした表情は、昨夜苦しんでいた狐宵はまるで感じられない表情をしており、輝夜は心の底から安心し胸を撫で下ろした。
「それでは、ご飯食べましょうか。お腹すいたでしょう…?」
「ギュルル…ハッ!は…はい…お腹空きました」
「クスっ、正直で助かりますね、私は台所で準備をしますので、居間で座っててくださいね」
輝夜の質問に、お腹のなる音で応答する狐宵、気恥ずかしそうに顔を赤めながら頷き輝夜はそんな狐宵を可愛らしく思い、ふふと微笑みながら台所へ向かう。狐宵一同は、畳のひかれた居間に移動し座布団に腰を下ろした。
暫くしてから、襖が開き輝夜と付き添い人の美しい着物を羽織った女性たちが次々と狐宵の前に料理を並べる。並べられた料理は、山の産物をふんだんに使った絶品料理で、食欲をそそる匂いが漂っていた。
一通り並べ終わったあと、今にも手が伸びそうな狐宵。待ち切れない狐宵たちに数々の品の概要を説明する。しかし、狐宵の頭の中は目の前の数々の料理でいっぱいだった。気づけば料理の説明は終わっており、めしがれという音頭が取られた。めしがれの言葉が聞こえた瞬間、狐宵たちは一同に
「いただきます!」
という言葉が辺りに響き、箸が止まることなく次々と減っていき15分もしないうちに平らげた。
「いい食べっぷりですね、みていて気持ちがいいですね」
料理を平らげた後、夜叉が音もなく狐宵の対面した席に姿を現した。狐宵は突然の出来事に体がびくりと反応する。夜叉は構わず告げる。
「この後、俺の御殿まで来るといい。門番どもには話は通してあるから案内人がつくだろう。お前についての大切な話があるのだ。ゆっくりでいいから、きてほしい。話は以上だ」
それだけ、伝えて夜叉は返答を待つこともなく姿を消した。食事を終えた狐宵たちは身だしなみを整え腰をあげ夜叉の御殿に向かうことにした─────
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