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狐が鳴く月夜に嘆くわ伝説  作者: 謎の作家
森の門番への道 〜災い〜
27/53

私は…?

はい、連続投稿してます!!本日もお楽しみください!!


本話は今後に結構関わりのある話となっております!!

──────静まり返った夜中、小さな寝息だけが部屋に響く。時計の針は深夜の2時をさしている。昨日起きたエルフの出来事。狐宵の中で何かが確実に起こった謎の変化。この変化が今後の歴史を動かすことを今は誰も知る由を無かった。


 狐宵の先程までしていた寝息が止まり、意識が戻り覚醒する。


「ここは…。知らない天井…、ん?焔に雫は寝ているのですね。ところでここは…」


目が覚めて、上半身を起こして今の状況を理解しようとする。ここがどこなのか、どういった状況なのか…。目覚めたことばかりということもあり頭が回らないので夜風に当たりながら考えることにした。仮面を被り道場が見える縁側に座り、月を見上げる。


「ここは、夜叉様のお屋敷でしたか…。昨日からの記憶が曖昧ですね。エルフとの一戦があって…その後は…うっ」


昨日の出来事を思いかえそうとする狐宵、しかしそこで頭痛が走り自分の声が頭の中に響く。自分ではない自分の声が頭に響き耳を塞いでもそれは聴こえる。


「私は…月影狐宵。半狐の子としてこの世に産まれ…この先も永遠の時を生きるこの森の門番。感情は次第に薄くなり…やがてはこの世の秩序を司どる災厄となる─────」


この言葉が永遠と頭の中で繰り返される、耳を塞ごうが頭を抱えようが…それは聴こえ蝕まれていくような感覚。だんだんと自分がわからなくなり…


「狐宵様!!!!!!!大丈夫ですか!!」


「しっかりしてください!!負けちゃダメですよ!!!」


どこか聞き覚えのある声がする、苦しみながらも聞き馴染みのある声に手を伸ばす。手には暖かい毛並みを感じる、

触り慣れた温もりのある我が子のような感覚。頭の中で繰り返されていた声は次第に小さくなりやがて消えた。息が詰まるような感覚に陥り、息切れしてその場に寝込む。自分でも今なぜそんなことが起きたのかわからずにいたところに、異常を察した輝夜が急いで駆け寄り抱き寄せる。


「狐宵さん、もう大丈夫ですよ。怖くありません、私がついていますので。深呼吸して、ゆっくり落ち着いて…」


言われる通りに狐宵は深呼吸を繰り返し、落ち着きを取り戻す。上がっていた息は治り正常に戻った。怖さのあまりに涙が溢れ輝夜に抱きついた。そんな狐宵を輝夜は優しく抱きしめ、何も言わずに背中を撫で安心させる。我が子を抱きしめるようにひたすら、ひたすら愛を注ぎ込んで…。狐宵の涙もおさまったころ何が起きたのかと狐宵に問う。


「狐宵さん、よろしければ何が起きたのか私に話してはくれないでしょうか?ゆっくりでよろしいですので私に話してみてください、誰かに伝えたほうがきっと楽になりますよ」


輝夜に優しく諭され一言…言葉を途切れ途切れながらも繋いで、輝夜に先ほど起こったことを懸命に伝える。


「私ではない…私の声が、頭の中で永遠と繰り返されて…「私は…いずれ秩序を司どる災厄となる」って…息が苦しくなって…何か光がだんだんと遠のいて…闇に引きずり込まれいきそうな感覚……でした」


 その言葉を聞き、輝夜は息が詰まる。「五代災厄」という言葉は古より前の時代から存在するとされる五つの災厄。「炎災のイフリート」「水災のリバイアサン」「雷災の麒麟」「永劫の不死鳥」「夜叉」の五つの災い。人間の間でそう名付けられた彼らは、その名に恥じぬ膨大な力を持っていた。この五代災厄は約1000年の間も顔ぶれが変わることなく語り継がれてきた。この変わることのなかった顔ぶれに新参が加わることなるということは、どちらの歴史にも大きな爪痕を刻むこととなる。その張本人が今、目の前にいる。この状況に思考が追いつかなくなりそうになったのを自覚して、輝夜は一旦深呼吸をして落ち着くことにした。


「なるほど…そんなことが、怖かったですね。でも、狐宵さんはよく頑張りました。力に呑み込まれそうになったのにも関わらず争い、自我を保てた。これは素晴らしいことですよ。今日はもう眠りましょう。今後は私も一緒に隣で寝てあげますからね」


そっと、狐宵の耳元でそう囁きかけ狐宵は軽く頷き応答する。布団に戻り輝夜は狐宵を寝かせ、隣に添い寝して狐宵を抱きしめる。安心した狐宵は静かにまた眠りつく…心配していた焔たちも眠りつき、また時は静かに流れていった──────

最後まで読んでいただきありがとうございました!!


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