迷いを斬り捨てろ
皆さま、お久しぶりです!謎の作家ですー。
長らく空きができてしまいましたが、お知らせさせていただきます!
4月1日から、新卒社会人として仕事が始まるので、平日投稿ができなくなります!
そのため、できる限り土日のどちらかに投稿できたらと思っております!
またTwitterで告知しますのでよろしくお願いします!
──────育てがいのある弟子ができてやる気と期待の眼差しで道場に仁王立ちをしていた。
夜叉がこちらにこいと手招きをし狐宵は夜叉の元にいき、続けて夜叉は一つ目の剣術を説明することとなった。
「さっきの一戦を交えて足りないことがあらかた把握した、壱はやはり剣術だな。まずは基本の型から教えよう。剣術とは、型にハマってはいるが実際の戦闘では縦横無尽に剣を振り払い、型にハマらない剣術が水のようにどんな形にもなれるような柔軟さが必要とされる。お前の力は創造らしいな、それこそ型にハマらない戦闘と言えよう。その場の状況に置いて編み出される数多の幻故に、予測不能な戦闘、戦いが長引けば長引く程主は強くなる、しかし、幻術一択では、我のような戦闘に長けた者には短時間でケリをつけられてしまうであろう。そこで、剣術を扱えるようにし、そこに幻術を交えれば戦闘を優位に進めよう」
先ほどの一戦で夜叉が理解したこと、狐宵の長けた部分と弱点をそれぞれ伝える。そして、これからどうすれば良いのか。何をしていけばより強くなるのかを享受する。夜叉の言葉を受け止め、狐宵はやる気に満ち溢れた気迫をしていて夜叉はふむと満足気に頷き早速、剣術基本型を学ぶべく簡易的な竹でできた人形を夜叉の配下である阿修羅はせっせと用意していた。それらにはからくりや仕掛けが程こされていて前後左右はもちろんのこと竹刀を振ることができ、模擬対人戦ができるようなものだった。夜叉は準備された模擬対人人形の前にたち、大太刀を鞘から取り出した。
「対人戦とは、素人からみれば予測不可能な攻撃が飛んでくるように見えるのであろう。しかしそんなことはない、修行を積めば、剣筋など容易く見破れるよう。口で言うより実際に見せた方がよいな。しかとみよ」
大柄の人形のカラクリが動き出し夜叉の背後から竹刀を振りかぶり目に止まらぬ速さで襲いかかる、背後をとられスキをつかれ竹刀が夜叉に当たるかのように思われた。
────が、夜叉の大太刀がしかと竹刀を受け止めていた。常人では反応できない速さで相手の攻撃を受け止め人瞬く間に大太刀は竹刀を弾き返し、大太刀を横へ一閃し胴体を一刀両断して亡き別れの状態となる。
一瞬の出来事、さっきまであった大柄な模擬人形が真っ二つになっており倒れている。狐宵は何が起きたのかと目が点となり、思考回路が停止する。
「ふっ、中々面白い反応を見せるではないか、その感じは理解できぬかったようだな。だが、お前もこれくらいならばすぐにできる、修練に励むとよい。それでは、まず剣筋の矯正だな。無作法に振っていても意味はない、だからこそ正しいやり方で回数を重ねるのだ」
狐宵の反応を鼻で笑い、これから始める修行を簡単に説明する。その間に阿修羅たちは無数の模擬人形を並べ狐宵のための練習場を用意した。狐宵はその模擬人形の前にたち、鞘から刀身を抜き構える。
「生を授かる者である限り誰しも弱点はあろう、それが致命的な場所で無かろうと例えば相手の行動を封じたいのであれば手足を狙ったり、相手が武器を持っているならば武器を殴り落とさせるという様々な方法があろう。最初は、胴を3等分して見せよ、さすれば一段階は合格だ」
夜叉の言葉をふんふんと頷きながら聞く狐宵、そんな真剣に聞いてもらえるのだから教える側からとすれば気持ちが良いものだろう。
「習うより慣れろと言うやつですね…やってみます。…はっ!」
狐宵の振るった刀身は、胴体を切り落とす半ばで刃がひかかり止まってしまった。無理やり切り落とそうするが人形がこれ以上、刃を通すことはなく刃を戻し抜いた。
「力量は申し分がないが、やはり刀の軌道に問題があるな、刃はブレることなく一直線上に振ることを何より意識する。迷いがない一閃、これが刀を振るう上での我の中の心構えだ。お前もこの心構えをするとよい」
それからというもの、数時間、数日の時を費やし剣の軌道を意識して、何度も何度も振い失敗を重ね、だんだんと軌道が安定して迷いがない一閃へとなりつつあった。剣筋も仕上がってきた頃、狐宵は風格を帯び始めた頃、周りは静けさで収まり雰囲気が変わる、そして鞘から抜かれ、胴体を三等分に一閃の剣振りで斬り落とし、成功した。
夜叉は見事だと言わんばかりに頷いた─────
最後まで読んでいただきありがとうございました!
またの更新をお楽しみに!
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