心の剣は折ることなかれ
更新遅れてすいません!
いよいよ、剣術編を開幕です。
─────狐宵は師匠の配下から太刀を受け取り刀身を鞘にしまう。
「おっと…やはり、少々重いですね、でも何れはこの太刀を使いこなして見せましょう」
「ふむ、その志を忘れるな。それと…剣術を終えたら、お前にいうことがある。励むが良い」
師匠からの重々しい雰囲気を感じられる、それが何なのかはまだ未知に満ちていた。しかし、あまり良い話なのだろう。しかし今は、剣術を使いこなすことを一番に考えるようにした。
「さて、こっちだ。修行の場にいく」
そういい、暗い森へと入っていくその後を狐宵と焔、雫は追いかける。次第に竹藪へと差し掛かる、周りは背の丈が高く普通の竹より太く硬い竹だった。辺りを見回すがどこを見ても竹で生い茂っておりしかし、日光は届き竹が日陰となり居心地良さを感じた。暫く歩いていると、あまりの居心地さに眠たくなり、思わず狐宵はうとうととしてしまう。
「狐宵様!ねちゃダメですよ!」
「狐、狐宵様…お眠ですか?でも、夜まで我慢ですよ」
二人の配下にうとうとしていたのを見られてしまい、怒られてしまった狐宵は少し気恥ずかしそうになる。その様子を見た師匠は狐宵に話しかける。
「気を抜いては、狩る立場が狩られてしまうぞ。森の門番は一瞬の気の抜けが外部の侵入を許してしまうのだ。門番になるとはそういうことだ、肝に銘じるが良い」
師匠に叱咤され、背筋がしゃんと伸びる。確かに、門番には気を緩めず外部からの侵入を許すことなく見張らなければならない。一瞬でも息を抜いてしまったことを反省する。そして、奥へ進みとある空間についた、そこには御神木並に太く大きい木がドンとただずんでいた。あまりの存在感と大きさに見上げ心の声が漏れる。
「わぁ…これは、すごく大きい木ですね」
「それが、最終目標だ。その木を一太刀で両断することができたら合格としよう。最初からは無理なのは承知の上、まずはこの周りに生い茂っている竹を練習台としよう。この竹も普通の竹とは違く古の森独自のエネルギーで植物は通常より立派で強く育つ。生物は屈強に育ち特殊な力を持つものが生まれる、これが古の森の昔からの現象と言えるだろう。まずは、素振りをしてその刀に慣れるところから始めるとしよう」
さらっと、耳を疑うようなことを言った師匠、当たり前かのように修行の説明を淡々と続け口が塞がらずにいる狐宵を見て不思議に思った。
「狐宵、どうした口を開けて」
「え、えっと、あの木を…両断?するのですか?」
「そうだ、あの木を両断するのだ、太刀を使いこなせば容易いことだ。心配することはない己を信じ剣を振り身につけるのだ」
冗談とは感じられず、本気で言っているのだと思った狐宵はとてもだと思ったがここで挫折するわけにはいかないので絶対にやり切ると心に命じた。
師匠から課題を出された。それは「毎日、素振りを1000回、竹を10本両断」とされた。素振りに関しては身の丈には少々合わないながらも剣を懸命に振るう。
「1…10…100…999…1000!はぁはぁ…疲れ…ました、次は竹…きれるのでしょうか…」
1000回の素振りを終え、疲れながらも次の課題である竹の前にたち、背の高い竹の存在に圧巻されながらも剣を振るうが、竹が硬く刀が入ることすらなく刃が通ることを許さない。悩んでいる狐宵を木の上で見守っていた師匠がお手本を見せると言い、抜き地上に降り苦戦している竹の前に立つ。そして
「全生物には、必ず弱点がある。それは植物には例外ではない、それが太刀を使う物としての大事な着眼点だ。目に焼き付けるがよい」
鞘から刀身を天にかざし、一瞬きの間に剣を振い自分が振ってもびくともしなかった硬い竹がスパッと剣が通り一刀両断された。
目の前の状況を理解すのに少し時間がかかった、切られた竹は崩れ落ちた。
「まずは、ここが目標だな」
自分ができなかったことを簡単にやってのける師匠に尊敬が増しいつしか憧れと狐宵の中でなっていた────
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