目覚める水災、来たりし狐の娘
連日投稿です!
昨日申し上げた通り、4日5日は投稿できるか分かりませんのでご了承ください!
───目を瞑り、瞼に映るは暗闇精神を集中させ自分が水面の上を一歩一歩踏み出し歩くのを想像する。そして、想像が頭の中でしっかり浮かんだ時、一歩水面に足を踏み出す。想像のまま水面を歩き出す…。しかし、現実は甘くなく…「ちゃぽん」足が沈む、水面を歩くとは程遠いものだった。
「いったであろう、力の根幹は想像だが修行が伴うと。暫く一人で修行をすると良い。狐よ、少しきて欲しいのだ。すべきことがあってな」
「たまには、娘を信じて待つのも悪くないわね。焔に雫見守ってあげなさい。それと、いつ帰れるかわからないかお腹がすいたら自分で調達しなさい。これも門番になるために必要なことよ」
師匠の言葉は真意を射ていたようで、想像だけでは幻術を展開することは難しく修行を越て使えるようになるようだった。狐宵は皆の前で森の門番になることを誓ったことを胸に抱いていたので決して諦めることはなかった。
古の狐、古の天狗は狐宵を信じその場を離れることにした。
焔と雫が見守る中、狐宵は師匠の水面を歩き、決して沈むようなことを感じさせない水面での歩行をもう一度思い出し真似をしようとする。しかし、上手くはいかない水面に足を浮かべてもすぐに沈み集中が乱れ、膝下まである水深に沈み下駄に靴下は濡れては狐火で水分を蒸発させるのくり返し。何度も何度も挫けることなく挑み続ける、挑み続けているうちに日が落ち始める。辺りが暗くなった頃ずっと見守っていた焔、雫は狐宵に近寄り
「狐宵様、そろそろご飯にしませんか!」
「励むことはいいことですが、息抜きも必要ですよ…?」
狐宵はどこかで自分を追い詰めてできないことに焦りを抱いてたことを雫の助言で気付かされる。師匠と母親、それからみんなの前で誓ったことに応えるためにと頭の中で考えすぎて集中が乱れていた。二人の言葉もあり一旦休憩することにした狐宵。去り際に母親が自分たちで食糧調達をするようにと言われたのを思い出す。そして、二人に近寄りしゃがみ頭を撫でた
「焔、雫。さっきはありがとうございます。それではご飯にしましょう。今日も狩りです!!」
食糧を調達するために、今日も狩りをしに水竜の湖を離れ森に入る。暫く歩きつづけ草むらの奥に何かの影が見える。三人は警戒し慎重に近づく、草を掻き分け姿を確認する。そこには角の生えた鬼がいた。そうこの水竜の湖の近くには鬼の里が位置していた。天狗と狐勢力と敵対していて仲が悪かったのだ。その姿は全身がとてもゴツく屈強な体だった。今、見つかってはまずいと思った狐宵は気配を悟られないように元の位置に戻り、逆方向を探索する。探索をしている間にオークの群れに出くわす、焔、雫と息を合わせてオークの群れを三人で囲う。三人の存在に気づき、オークは警戒体制と戦闘が始まる。
「狐…、お前ら、食う。今日の…食糧」
目の前に獲物が現れたと思っているオーク達は手持ちの斧を振り翳し獰猛に狐宵に襲い掛かる。狐宵は精神を集中させ、斧の軌道を予測しかわす。体制を立て直し反撃に、三方向から狐火を放ち逃走路を無くす。そして…
「烈火の光焔」
左手で指先を合わせ狐のポーズをつくり術を唱えた。瞬間、光り輝き激しく燃える狐火がオークの群れを囲み命を燃やす、雫、焔が同時にそれぞれ追い討ちで術を展開する。
「狐の紅炎!」
「氷獄の礫…」
焔は、火の玉を放ち追加で雫は凍えるような氷の礫を放つ。全てはオークの群れに命中しオークの群れは滅んだ。
水竜の湖に一同は戻り今宵は、オークの肉を焼き食事を済ませる。外敵から姿を隠せれそうな場所を見つけ三人固まって眠りにつき夜を明かした。
その様子を、水の深き場所に生息する何者かの影が見守っていた。
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