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二十一話

 大会は問題なく進行していき、各チームが競い合っていく。


 ――一試合目。


 カエデチームが降りたのは前述したマップ中央に位置する小さな集落だ。


 ここは建物が六軒だけで三人で降りるような場所ではない。物資は少なく、回復アイテムさえロクにない所だ。


 すぐに漁りきった三人は移動を開始する。第一安地がマップ上に表示されると同時だ。


 ツムギがマップを開き、ピンを立てている。最終安地の予想地点。


 俺から見ても、そこが最終安地に絡んでくる強ポジだ。しっかりと予想出来ているツムギに安堵しつつ、カエデとリンが着いてきているのを確認する。


 他チームは未だに漁っている時間のため、迅速に移動を開始したカエデチームと遭遇することはなかった。


 周りを囲む大型都市に踏みいればランドマークにしているチームと戦うことになるが、ツムギ達は遠回りしたりと接敵を回避している。


 最終安地を見越した最適ルート。


 大会では全員が慎重に動いている。大勢の視聴者に見られている中で掻き乱すような輩は居ない。


 故に、安全に動ける。長距離スナイパーで抜かれる可能性もあるが、遮蔽を使って移動しているため抜かれたら運が悪いと割り切るしかない。


 大打撃になるが、確殺まで入れられなければいいのだ。


 全チーム中、物資は弱い。道中で真っ正面から戦えば死ぬ。各自のアーマーはレベル1。


 近くの大型都市に行けば物資も豊富だが、ランドマークにしている敵とやり合うことになる。


 敵と会わず、逃げ切るしかない。俺がツムギに伝えた芋を前提とした戦術。


 ――無事に建物を確保したカエデチームはキャラの特性を生かした立て籠りをしていく。徐々に集まってくる他チームに、周辺が銃撃の音だらけとなる。


 ツムギはチームメートに撃つことを許さず、角待ちの体勢に入っていた。至るところから飛んでくるスキャンにも動じず、沙希は今頃キルログを注視していることだろう。


 ――大会で必要なことは、いかに死なず生き残れるか。


 順位を上げれば必ず撃たなければいけない時がやってくる。そのときにキルを拾えばいいのだ。


 周りが戦っている中でカエデチームは建物の二階を陣取り、順位を上げることに専念していた。


 安地が狭まっていき、四階のあるビルに他チームも入ってくる。


 海外のプロがチームに加わっているところはお互いに順位を上げようと関与してこないが、日本のプロが参加するところは同居しようとせず戦いに来た。


 物資を強化しようという考えだろう。地域差の考えが如実に現れている。


 日本プロが先導するチームが二階へ突撃していく。


 カエデチームが占拠していた二階の出入り口は二つ。


 そこを守ればいいのだが、フォーカスを合わせて対処しようとするツムギが先に突っ込んできた敵キャラを叫ぶ。


 カエデとリンが反応し、照準を合わせて撃っていく。


 こちらはレベル1のアーマーなため、すぐにリンがダウンした。敵も落とし、トレードする形だ。


 しかし、突っ込んできて敵のおかげで室内に設置された罠が一斉に作動する。


 ダメージを与える煙や、鋭い鉄の柵。残り二枚となった敵の一人もダウンまで持っていった。


 残り一枚。


 罠のおかげで動きを阻害するが、その中でやたら難しいキャラコンを披露した敵にツムギが倒されてしまうものの、カエデが辛うじて倒してくれた。


 一部隊を壊滅。


 ――だが、喜ぶのも束の間。蘇生する暇もなく、グレネードが飛んでくる。ダウン中のシールドを使ってカエデが後ろに隠れて被弾を逃れるが、もう一部隊が漁夫に来てしまった。


 一矢報いることも不可能な状況で、カエデが倒されている。


 カエデチームが倒され、キルログに流れる。


『ごめんなさい! ダウンしなければ追い返せたのに……!』


 悔しい声を上げるツムギにカエデとリンがフォローする。


 コメント欄も賑わっており、ナイファイという文字が埋め尽くしている。


 そうして、ツムギ達の視点が観戦モードに切り替わった。


 最終円になった建物で残り八部隊という阿鼻叫喚な最後を迎え、一試合目が終了。


 カエデチームは14位。部隊キル数3。


 キルは取れたものの順位が伸びていない。これが続くようなら総合優勝は厳しくなる。


 俺は手汗を滲ませながら応援し、ツムギの魂である沙希へコメントを送った。


 リスタートという名前でただ一言、頑張れと。

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