斥候はもういらないと勇者パーティから追放された俺、無茶苦茶愛されていたことに気づいてももう遅い
俺――狼獣人のクランが勇者パーティに俺が加わったのは本当に偶然の仕業としか言えなかった。
教会から神託を受けた勇者アルスはまだ駆け出しで、幼馴染の魔法使いシャロンと、お付きの神官ペローと共に仲間を探していた。
斥候役のパーティメンバーを探していたところ、駆け出しのレンジャーだった僕と出会った。その時まだ俺は12歳で、ギルドに登録できるギリギリの年齢だった。実はサバを読んでいて11歳だったんだけど――狩人だった祖父を亡くして行く当てのなかった俺を哀れんだのか、それとも何か見るべきところがあったのか、パーティメンバーに誘ってくれたのだ。
まあ、当時は魔王の脅威なんてそんなでもなくて、勇者なんて胡散臭いと思われてた。だから大人たちの中で除け者になってた俺を選ぶしかなかったのかも知れないけど。俺がイヌ科の獣人族で感知能力に優れているところを見込まれたと――そう信じたい。
それから行く先々で人助けや魔物の討伐を続け、いけ好かない魔法剣士のロデリック、歴戦の傭兵ヒューを仲間に加え、勇者一行は六人パーティになった。いずれ劣らぬ実力者で、戦闘能力の低い俺だけが浮いていた。
だが旅を続ける上で斥候役は欠かせない存在だ。最初は野外活動専門だった俺も、特訓して罠や鍵の解除も身に付けていった。
ロデリックはすこし意地悪だったけど、パーティのみんなは優しく、うまく行っていたと思う。アルスもシャロンも俺のことを弟のように可愛がってくれたし、酒癖が悪いのが玉に瑕のヒューのおっちゃんはどことなく父さんを思い出させた。ペローは何かと口うるさかったけど、それも俺を思ってのことだった。旅の合間に俺に読み書きや、神様のことをいろいろと教えてくれる、先生みたいな人だった。
優しくて明るい仲間たち。旅の合間はいつも笑顔が絶えなかった。
旅は二年ほど続き、俺は十三歳になった。その頃には勇者パーティもついに魔族領まで侵入し、魔王城目前まで到達する。
――事件が起きたのはその時だった。
***
魔王領に入り、最後の集落で休息を取り出立して数日。禍々しい森をかき分けて勇者アルス一行は魔王城の目と鼻の先までたどり着いていた。
魔物が襲い掛かってくる気配がないのが不気味だ。まるで魔王ゼガサタンが早く来いと待ち構えているようである。
これが最後の休息になるだろう。比較的開けた場所を探すとたき火を囲んで野営をする。この辺りは魔族の領域で、徘徊する魔物も極めて強い。
ペローが魔物除けの結界を張ってくれたが、万が一ということもある。今夜は交代で見張りに立つことになるだろう。
ロデリックはヒューのおっちゃんは最初から手慣れたものだったが、冒険を始めた頃のアルスたちはまさしく駆け出しって感じで何もできなかったんだ。だから最初は野営の準備はアルスたちに色々教えながら、実質俺が一人で担当していたものだ。
今となってはみんなもくもくと支度ができるようになった。
激戦を乗り越えて、みんな本当に強くなったと思う。俺も弓の腕を磨く努力を欠かしたことはないけれど、他のみんなほどパーティに貢献できているかと言うと――自信はない。
最近は特にシャロンが探索や開錠の術を覚え始めて、俺の働きなんてせいぜい彼女の魔力の節約になってる程度だ。それに俺は13歳になった今も体が小さくて強い弓は引けない。強い魔物には牽制にすらならないことだってある。
そう、薄々分かってたんだ。
自分がこのパーティに『不要』だってことは。
それはリーダーである勇者アルスから切り出された。
「――みんな、座ってくれ。大事な話がある」
アルスは顔の前で手を組み、重い口を開く。
「僕たちは長い旅の末――ようやくここまでたどり着いた。ここまでやって来れたのはみんなが力を貸してくれたお陰だ」
言葉とは裏腹に、アルスの言葉はどこか苦々しいものを匂わせていた。
「僕は勇者として生まれ、魔王を倒す宿命を背負って生きてきたけど、みんなはそうじゃない。命懸けの辛い旅に付き合ってくれたこと、感謝に堪えない。改めて、ありがとう」
そう言って、アルスは深々と頭を下げた。
「もう! 何よ改まって! こっちが恥ずかしくなるじゃない! 故郷の村を焼け出された時からあたしたち、一蓮托生だって言ったでしょ」
どこか空元気じみた笑顔で言うシャロンは勇者アルスの幼馴染だ。アルスの旅を助けるため、幼い頃から魔法の修行をしていたのだと言う。卑劣な魔王軍によってアルス達の故郷は焼き払われた。しかし彼女の機転によって二人だけは無事に逃げ出すことに成功し、教会の保護を受けることになったのだ。
「神の仕える身として勇者の神聖なる戦いを導く――これ以上の誉がありましょうか」
ペローは将来を嘱望されていた神官見習いで、お目付け役兼世話役として同行することになった人物だ。信心深く、一見すると穏やかだが、自分にも他人にも厳しい。何かあるとすぐお説教をするのがたまに傷だが、神官としての能力は確かだ。
「生きて帰りゃたんまり報奨金が出るんだろ? 血生臭い傭兵稼業にもうんざりしてたんだ。その金で隠居できるなら最高だわな!」
そう言ったのは歴戦の傭兵、ヒューのおっちゃんだ。パーティメンバーの中でも一番大柄で力持ち。巨大な戦斧を軽々と振り回す。お金目当てみたいなことを言っているけど、本当は違う。彼は魔族に妻子の命を奪われた過去があり、復讐のために一人魔王軍と戦っていたところをアルスが声をかけたのだ。
「ふん。どうでもいい。それよりわかっているだろうな? 魔王を倒したら――」
そっけなく言うのは魔法剣士のロデリックだ。詳しいことは知らないが彼はさる貴族の令息で、神童とまで歌われた才能の持ち主らしい。そんな彼は平民上がりのアルスが勇者であることが納得できず、自分が魔王を倒すと息巻いてパーティに加わった。要はアルスに強烈なライバル意識を抱いているのだ。
「ああ、もう一度どっちが強いか決着をつける、だろ? わかってるよ」
いつも通りのロデリックに、アルスは苦笑いして返す。アルスは強いが、争いを好まないタチだ。
「……」
そして――。
俺は。俺だけが何も言えなかった。勇者の仲間としてこれと誇れるものがなかったから。
「で? 大事な話ってのはそれが本題じゃねえんだろ?」
ヒューのおっちゃんがふと真顔になって話の続きを促す。
「ああ――」
アルスは他の仲間たちに目配せをし、小さく頷く。
「クラン、君を――このパーティから追放する」
聞き間違いじゃない――はっきりとそう言った。
「な、んで? 俺たちここまで一緒に――」
正直言って――アルスが話を切り出した時から予感はしていたんだ。
でも――信じたくなかった。
アルスの言葉を受け入れられない俺を、ロデリックは鼻で笑う。
「はっ。自分でもわかってるんだろうが犬っころ。足手まといなんだよ」
ヒューのおっちゃんも、顎に伸びた無精髭いじりながら唸る。
「――まあそうだわな。クランは魔法も使えんし、弓も大して威力がない。魔王や四天王たちとの戦いでは――いるだけ邪魔だぁな」
いつもは穏やかなペローまでが追い打ちをかける。
「そうですね。魔王城は目と鼻の先。この先は私が魔物除けをしながらシャロンが探知の魔術を使えば済むことです」
「……」
シャロンだけは何も言えない様子で唇を噛み、俯いていた。彼女は感情を隠すのが下手だ。きっとこれは前々から示し合わせていたことなんだろう。
「確かにそうかも知れないけど――!」
足手まといでもここまで来たんだ。少しでも、みんなの力になりたい。
俺の反駁を遮ったのは、他ならぬ勇者のアルスだった。
「みんなの言う通り、クラン、君は足手まといなんだ。君が居たら余計な気を取られて誰かが命を失うかも知れない。君には悪いけど、僕はリーダーとして決断を下さなければならない立場だ。――どうか分かって」
諭すような静かな言葉に、我慢していた涙がこぼれ落ちる。
「わかんないよ! アルスの馬鹿!」
アルスの言葉を俺は最後まで聞かなかった。仲間たちに背を向け、地面を蹴って走り出す。
追ってくる気配はない。まあ、ロデリックやシャロンの飛行魔法でも使わなければ追いつけないだろう。パワーはないけど、スピードとスタミナだけはパーティの中でも一番だ。
――いずれにしても追いかけてくる気配はない。俺は無我夢中で夜の森を走った。行き場のない思いを振り払うように。
***
気付いたら汗だくで最後に立ち寄った集落の入り口に立っていた。
魔族と人間がともに暮らしている街だ。魔王城の目の前――諍いに疲れた魔王領の人々が暮らす隠れ里。その光景を見てアルスは感慨深げに「早く戦いが終わればいいな」と零していた。
アルスは確かに強いが、戦いなんて似合わない心優しい青年だ。きっと俺のことでもずいぶん悩んで決断したのだろう。だからこそ自分の無力さが悔しくて仕方なかった。
息を切らせながら突っ立っていると、通りかかったおばさんが怪訝そうに声をかけてくる。
「あんた勇者様ご一行の――こんなところで何してるんだい?」
「それは――」
もうとっくに枯れたはずの涙がじわりと溢れてくる。
「なんだか訳ありみたいだね。とりあえず水でも飲むかい? 体中の水分吐き出しちまったみたいな顔してるよ、あんた」
***
小さなカウンターがあるだけの小さな店は、この集落で唯一の娯楽の場。酒が飲める場所だ。茫然自失とした俺はおばさん――マリムさんと言うらしい――に引っ張られるようにして席に着いた。
俺の姿を見た店のおじさんは、
「驚いた。本当に戻ってきた。こりゃ駆けは俺の負けだな」
そういうとカウンター下からずっしりと重みのある革袋を置いた。
「いや、ヒューの旦那がな。獣人の子供だけそっちに戻ってくるだろうから、会ったらこれを渡してくれっていうもんだからよ。戻ってこなかったら俺のもんにしていいっていうから預かったんだが、一人で森を抜けてきたのか。大したもんだ」
「これって……」
パーティの全財産じゃないか。
「何があったんだい? 話すだけでもすっきりすることだってあるだろう?」
マリムさんに促されて、俺は事情をかいつまんで説明した。
「それは――」
「辛かったろうねえ」
そう言ってマリムさんは俺の肩をそっとさすってくれる。おじさんはどこまで事情を知っているのだろう、何も言えないのか
おじさんが乱暴にカウンターの上に置いたからだろうか、袋の紐がほどけて中身がこぼれだす。こぼれでた金貨と一緒に、何か折り畳まれた紙のようなものがあった。
「これは、手紙――?」
俺はその手紙を手にとって、そっと開いてみる。
アルスの字だ。
『クランへ
これを読んでいるということは無事にあの集落へ辿り着けたんだろう。
君は優秀なレンジャーだ。その点はまったく心配していなかったけどね。
このお金はみんなの同意を得て君に渡すことを決めたんだ。しばらくは食うに困ることはないだろう。
魔王城に入れば、僕らはきっと生きて帰ることはできないだろう。勇者と言うのはそういう宿命の元にある。僕は幼い頃からそれを心に刻んで生きてきた。勇者と魔王は対なるもの。差し違える運命にあるのだと。
だから一人で行くと言ってもみんな頑として頷かなくてね。シャロンもペローも最初から命を棄てる覚悟で僕の旅に同行してたし、ヒューは家族の仇を討つって聞かないし、ロデリックは貴族の義務だとかよくわからんことを言ってたな。
でもクラン、君は違う。成り行きで僕たちと同行することになっただけだ。
いや、それだけじゃあないな。うん――僕はどうしても君に生き残ってほしかった。
僕は勇者として生まれ、魔王と差し違えるためだけに育てられた。うん。僕はとても大事に育てられたんだ。でもそこに『情』はなかった。必ず死ぬと分かっている子供に情を持って接していたら人の心は耐えられない。
――実際魔王軍に故郷が焼き払われた時……僕は少しも悲しいと思わなかった。
でも君が死ぬかも知れない。それを想像すると僕は平静ではいられないんだ。
出会った時のことを覚えているかい? ほんの子供だった君は他の冒険者たちから爪弾きにされて途方にくれていた。それがどうしても放っておけなくて、僕は声をかけたんだ。
最初は探索を少し手伝ってもらって、それで別れるつもりだったんだ。でも君がいる空間は不思議と心地よくて――そう。君がいると死地に向かう辛いだけだった旅路が楽しくなって、僕らは君を手放せなくなっていた。
知っているかい? シャロンには君と同じ年ごろの弟がいたんだ。村への襲撃で亡くなってしまったけれども――だから君への思い入れもひとしおだったんじゃないかな。君がサバを読んで冒険者登録していたこともしっかり見抜いていたよ。嘘はよくないね。
ペローは君のことを勤勉で素直な生徒だとしきりにほめていたよ。戦いが終わったら教師として暮らすのも悪くない――そんなことを言っていたね。
ヒューの娘さんも――生きていたら君と同じ年ごろだったそうだよ。君に臭いって言われた時はかなりショックを受けたみたいだね。あれは今思い出して傑作だ。
ロデリックはね。一度あいつが酔っ払った時に聞いたんだけど――僕が話したってのは内緒だよ? クランが子供の頃飼ってた犬に似てるからつい構っちゃうんだってさ。あのしかめっ面でそんなこと考えてたなんてね!
心から言える。厳しかった。辛かった。苦しかった。でも楽しい旅路だったって。
だから――。そう。君だけには。
生きてほしい。生き抜いて、僕らの旅を語り継いでほしい。
僕の、僕らの生きた軌跡を。
僕の『弟』。どうか、どうか幸せに
勇者アルスより』
「ずるいよ……」
じっちゃんが死んだ時だってこんなに涙は出なかった。人ってこんなに泣けるんだって、自分でも驚くほど涙があふれて止まらない。
「なんでこんな言い逃げみたいに置いてくんだよぅ!」
***
それから俺が故郷であるテレンシア王国に帰った頃には、教皇庁から魔王の気配が消滅した――つまり勇者アルス一行によって倒されたとの情報が公示された。
しかしいつまで待っても勇者アルスとその仲間たちが戻ってくる気配はなかった。
誰もが勇者たちの偉業を称え、またその死を悼んだ。
これで世界は平和になる――そのはずだった。
しかし魔王討伐が確認されて一年ほど。
今度は人間同士での争いが始まった。テレンシア王国に対し、隣国マルクス公国が宣戦布告したのだ。その他各地でも紛争が勃発しているらしい――。
テレンシア王国に帰った俺は、ラズィーズ公爵家の食客として保護を受ける身となった。公爵もそのご家族も、その使用人たちも俺に優しく接してくれた。俺は狩人や斥候の仕事をこなしながら、自分の弱点を補うために魔術を学んだ。
獣人は基本的に魔術を使わない。教えを請われた魔術師たちは難色を示す者が多く、師を探すのに苦労したが、公爵の後押しで隠居した宮廷魔術師を紹介された。
俺は弓の技術と並行して身体能力や知覚能力を向上させる術を中心に必死で魔術の訓練をした。
結果、元々高い獣人の知覚・身体能力に魔法による強化が上乗せされ『クランには予知能力がある』『急ぎの伝令なら早馬を使うよりクランに依頼した方が良い』との評価をいただくことになった。
弓の方も肉体の成長と共に強い弓が引けるようになった。加えてアルスやロデリックが行っていた魔法剣の応用で、矢に強化を施す術を編み出した。これも『狼獣人クランは見えざる剛弓を放つ』との評判をいただいている
要するに、俺は強くなった。
パーティを追放されたあの日から三年。
十六歳になった俺はラズィーズ公爵の嫡男であるヴィクトール様麾下の中隊に斥候要員として配備された。
ヴィクトール様の元にはさまざまな情報が集まってくる。その中には「勇者の仲間を目撃した」という情報がわずかばかりだが存在した。
人違いかも知れない。それでも俺の心の中に希望の光が灯った。
もし仲間たちが生きているのなら、必ず探し出す。
俺はそう決意した。
***
マルクス公国との戦況は、膠着状態が続いている。国境線で睨み合いが続き、いつ爆発してもおかしくない状況だ。
そんな中、ヴィクトール様と俺は王都のラズィーズ公爵邸に呼び戻されていた。
公爵自らの急な呼び出し。何かよほどの自体があったと思われる。
ラズィーズ公爵は猛禽のような眼差しを持つ強面の男性だ。年老いて前線を退いたとは言えど危険な戦場に何度も立った方である。その覇気はすさまじい。
「召喚に応じ帰参いたしました。父上。クランも連れて来いとのことでしたが――」
「うむ」
公爵閣下の執務室。俺は公爵家に宿を借りている身だけれど、公爵を前にするといまだに緊張してしまう。上位貴族ならではの威風は魔物の放つ殺気とは違うのだ。
「用があるのはどちらかと言えばクランの方でな」
そう言うと公爵は腕を組み、一つ息を吐く。
「確保した捕虜から聞き出した情報だ。マルクス公国の王城で――勇者一行の一人、神官ペロー殿の姿が目撃されたとの報告が上がっている」
「!」
ペローが、生きている。俺は見開き、息を呑んだ。
「しかしペロー殿が生きているとして、なぜマルクス公国の王城にいるのか。故郷である我がテレンシアに連絡がないのか――どうもこの一件きな臭いものを感じてな」
言いながら公爵は顎鬚を撫でる。
「クランの実力を見込んで頼みたい。隣国に潜入し状況を調べては貰えんだろうか。本来ならば国の暗部が担う仕事ではあるが――彼らは『内側』の対応に追われていてな」
「危険です。確かにクランは優秀な斥候であり弓手でもある。しかし敵国への単独潜入とあっては――」
ヴィクトール様が反駁する。
だがペローが生きている。その可能性があるのなら、俺は自分の目で確かめたい。
「――謹んでお受けいたします」
「クラン……!」
「ヴィクトール様、仲間を見つけ出すことは俺の悲願なんです。大丈夫です。必ず生きて帰るとお約束します」
ヴィクトール様は俺の決意が固いと見たのか、「わかったよ」と首を横に振った。
「だが無茶をするんじゃないぞ――お前ほどの優秀な部下を失うのは痛い」
「――ありがとうございます」
そういうと俺は先んじて部屋を辞した。ヴィクトール様にとっては久々の帰還だ。父親とつもる話もあるだろう。
俺は明日出立するため、食料などの準備に取り掛かる。
敵国の王城にペローがいる。ペローが生きているのは喜ばしいことだ。だが――どうしても嫌な予感が拭えない。
だけど――いやだからこそ、会って確かめなければならないのだ。