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第4話 王様ゲーム

取り敢えず思い立って、太介だけと話をすることにした。最初は女子たちも割って入ってはきたものの、他の男子とも話すようになったのでホッとした。なーんだ。これでよかったんじゃん。

太介は太介でウゼぇけどよぉ~。

酒入ってるとこ初めて見たわ。


「カスミ。ダメだよ。ね。他の男見たら。ばっちいばっちい。ね」


うざぁ~い。両手はぎっちりホールドされてるし、超見つめられて身動きとれなぁい。酔ってるから余計になんかおかしいよ~。


「おうさまゲイ~ムッ!」


倉田ァ! なんだ突然!

聞いたことあるわ。王様ゲームな。

合コン定番の。テメーらで勝手にやってくれよぉ。

このアホ太介は私が押さえとくからよ。


「倉田さん。私と太介はパスでいいですよね?」

「カスミさぁ~ん。ダメダメ~。全員参加ですよ」


はぁ?

はぁ?

バカかよ。私と太介入ったら味がボケるぞ?

楽しく7人でやるからおもしれーんじゃねーかよ。ホントに大学生か? 塾で教えてんだろーがよぉ。


チッ! マジで割り箸渡して来やがった。

世間知らずのお坊ちゃま、太介は訳も分からずに割り箸眺めてるわ。数字書いてあるだろ。オメーは4番だよ。私は6番かぁ。かー。何もなきゃいいけど。


「王様だーれだ!」


スッと手が上がりました。来たか。福永。

存在感なかったわ。どんな命令出してくんだよ~。


「ちょっと。エッチな命令はダメね」

「ちゃんと健全なヤツにしてよね」


おおー。女子からの指示。まぁそんな軽口叩けるようになったんだから良かったと判断するべきか? なかなか溶け込めたようじゃん。オメーら。めでたし、めでたし。


「じゃあ6番がぁ~」


6番? 私じゃねーか!


「1番にバックハグ!」


な、な、なんだと?

エッチではない。たしかにエッチではないけどー!

上手いな福永。私じゃなく、他の女ならよかったなぁ。考えられた見事な命令だと思います。


「6番だぁ~れだ!?」


しゃぁない。手、上げるか。まぁバックハグぐらいだったら……。


「カスミさんか~」

「いーなー」


「1番だぁ~れだ!?」


おおお! 倉田!

オメーかよ。女子オチを期待してたのによぉ~。

太介の野郎、訳も分からず、みんなに合わせて拍手してるわ。酔ってるな。アホだコイツ。


ちょっとみんなに見える位置まで二人で移動。

急に太介の動きがおかしくなってきた。大きな目を見開いて暴れてるけど、何してんだよ。まぁいいや。


「じゃ倉田さん。後ろ向いてください」

「こ、こうかな?」


しゃあねぇ。ちゃっちゃと済ますか。

倉田の背中から腹部に手を伸ばしてキュッと結ぶバックハグ。


「やーめーろーッ!」

「王様の命令はぁー?」


「「「「絶対!!」」」」


太介の叫びも空しく、私は倉田に後ろからハグ。


「おぅふ……」


へ、変な声だすんじゃねーは、倉田。

しかし、これは胸が背中に当たっちゃうし、密着度が高ぇ。つか、太介にもやったことないのにぃ。まぁいいかと思ったけど、結構アレだ。これわ。私、ビッチみてーじゃねーかよぉ。


「ちょっと、ちょっと倉田さん、なにやってんすかぁ!」


太介が走ってきて、私たちを引き離し、私を抱いた。初めてのハグにちょっとドキドキ。ナニコレ。酒入ってるからか? 強引だなぁ太介。


「だって王様の命令だぞ? ルール知ってんだろ?」

「知らないッス。大丈夫? カスミ」


倉田もとんだ災難だな。まぁ自分で太介呼んだんだから、その辺は自己責任。


「ちょっとちょっと~、工藤くん」

「そーそー。王様の命令に逆らっちゃダメ。嫌なら自分が王様になればいいじゃん?」


おー。女子たちが今までとは違う攻撃を太介にしてきたぞ? そら、今まで好きでも私にベッタリだったら引くわな。優秀な判断だと思いますよ。うん。


え? 太介は──。

お、おい! めっちゃ赤い顔で私を見てるよ!

なんだコイツ!

鼻血まででてるけど? 千葉さんのティッシュで助かったわ。なにしてんの。お前。


「おうさまの めいれい ぜったい」


言葉覚え立ての原始人?

なに、その言い方。鼻に詰め物して、なに考えてんの?














 



挿絵(By みてみん)



┏(o・v・o)┛

「絶対王制の前に次々と自我の崩壊する若者たち。カスミは一人それに立ち向かう。君主交代、酩酊の宴。割り箸を握り締める太介」
















挿絵(By みてみん)



┏(o・v・o)┛

「次回 カスミ、覚醒」






(。 ◕‿◕。)佐々木

「さぁ〜て。次回は私の女のミリキでサービスしちゃうわよ!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 太介のメンタルは中学生なのかな?www ???「この次も、サービスサービスぅ」
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