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事情聴取

「あ、ああ。ありがとう。俺は、ゴブリン達の集落を統べていたホブゴブリン。名をダガーという。ここに来た経緯とゴブリン達の集落を統べていたといったのは理由がある。その理由というのは、つい先日人間たちの軍勢が攻めてきた。いきなりの襲撃にまさしく寝耳に水という状況でなすすべなく俺たちは蹂躙された。人間たちは抵抗する術を持たない俺たちをただ作業のように痛めつけていった。村のリーダーである俺たちホブゴブリンは命からがら逃げだすことができ、逃げ回っていたところにこの村があったんだ。あの人間たちに復讐するために躍起になっていた俺は見境もなくお前たちに失礼なことを言ってしまった。羽毛と話をし、冷静になって自分のしでかしたことの重大さと愚かさに気が付いたんだ。」



 話を聞き終わったピクシーが口を開いた。


 「かわいそうっていうのはわかったけど。やっぱりこの村でどうのこうのできる問題じゃないよ!ピクシーは常に襲われる側の種族だ。ゴブリンなんていい例じゃないか!だからピクシーたちはひっそりと村を作って暮らしてきたんだ。平穏な暮らしを送るために。みんなが、ゴブリンをみたらパニックになる」


 心からの拒否だな。ピクシーがこれまで搾取される側であり続けたためか・・・ピクシーは排他的な種族なんだな。ゴブリンのことは助けてやりたいんだがな


 「人間の軍勢は、ゴブリンの集落だけを狙いにきたの?」


 「エルフの姉さん。実際にどうなのかわからないが、順次回っていくと言っていた。たぶん、エリス台地を回って見境なしにモンスター達を蹂躙していっているんだと思う」


 「ゴブリンの言うことなんか信じられないよ。モルサも羽毛も騙されているんじゃないか?」


 「そうかもしれないけれど、エリス台地に住むものとして彼の言葉は聞き逃せないわ。」


 「俺もそう思う」


 「なら、俺はしらない。勝手にやってくれ!!」


 モルサと羽毛の言葉にピクシーは最早この場所に居場所はないという面持ちで去って行ってしまった。

 しかしながら、やはりモルサの言う通りダガーの情報はエリス台地に住むものに多くの果実をもたらせてくれる可能性がある。納得いくまで話を聞かないわけにはいかない。加えて、メリットがあれば共闘することだって考えなければならないだろう。


 「ダガー、もっと詳しくその襲撃者たちのことを教えてくれ!!」


 「ああ、エリス台地の仲間として嘘偽りなく話すよ。襲撃があったのは2日前の夕暮れのことだった。重厚そうな鎧一式を身につけた軍勢が攻めてきたんだ。全員が同じ鎧を着ていて、使い慣れた武器を装備していた。どこかの傭兵や山賊ではあそこまで統率のとれた装備や動きはできないと思う。それと戦士たちが王国のためにとか戦争直前に戦場を綺麗にする意味があるのかねとか話していた。」


 「国から派遣された戦士たちなのか、目的として戦争のための整理!?見境なくエリス台地に住む亜人たちを片付けているようだな。」


 「そうね。ダガーさんの話だとここにも戦士たちが攻めてくる可能性も高いってことになるわね。みんなわかっている思うけどピクシーは戦いに向いてないわ。見つからないように隠れるのが私たちには最良の作戦だとオ思うわ。」


 「そうだな。俺もそう思う。ダガーは屈辱を返したいと思っていると思うが、力にはなれないだろう。脅威が迫っているとわかっていても戦う勇気や力はここにはない。戦力に数えられるのだって俺とモルサぐらいだろうしな」


 そういうとダガーは予想に反した表情をした。誰もが、残念がると思っていたのだが、ダガーの口角はなぜか上がった。

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