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亜人たちの料理人

「あらかた終わったか?」


 ハンダは戦況を俯瞰しながら戦士に問うた。状況は火を見るよりも明らかだが、ハンダは決まって問いかける。勝利の余韻に浸るためでもあり、今回も自分たちが生き残ることができたことでもあり、闘い終わった戦士たちを労うためだ。


 「ええ、我々の全面勝利です。」


 「そうか、いい結果が出せたな。残党などはいるのか?」


 「一部のゴブリンが私たちの襲撃を見るや逃げだしていきました。南西の方角ですが追いますか?」


 「位の高いゴブリンたちだろうな。我々と自分たちの戦力差を感じ取り、仲間をトカゲのしっぽ切りに使ったな。いや、他の種族の魔物の集落を潰していかないと戦争に間に合わないだろう。少し休憩したらまた出立しよう。他にもエリス台地にはモンスターの集落が多数あるはずだ。」


 今回の任務では王国戦士長に時間のかかる任務を与え、戦争に積極的に参加させず、王派閥の活躍を少なくさせる狙いもあることは自明の理だ。ならば、そうはさせない。

 ハンダはそんな急いで王都に戻りたいという気持ちを抱いており、戦士たちも同様だ。そのため素早く作戦を完了させる必要があった。元々、戦争には影響がない程度の作戦だ。大多数さえ殲滅できればそれでいい。


 そんな事情もあり、ハンダたちは次々とモンスター達の集落を襲っていった。それは有害・無害関係なく。ただ、エリス台地に集落を作っているからという理由で。

全滅を余儀なくされた種族たち。弱者のみ逃げ出し途方に迷う亜人種達。家族と離れ離れになった人間種達。彼らは逃げ出すほかなかった。任務という名の暴力・蹂躙は否応なく襲ってきたのだから。







 --ピクシー村では、オーク事件から数日が経ち日々の穏やかな暮らしが戻ってきていた。羽毛うもうはというと、感謝のためにふるまった料理が好評すぎて、日々村中の料理を作ることになった。羽毛うもうが来てから数日間でピクシー村の料理のレベルは50年は進歩したといっても過言ではない。


 それにしても、ここまで料理に夢中になってくれるとは料理人冥利に尽きるといえば聞こえはいいけど、タダ働きに他ならないなこれ。はあ、いつまでこんな生活が続くんだろう。異世界にはもっと心躍る展開を望んでいたんだけどなぁ。確かに、俺の料理で喜んでくれている姿をみるのは幸せだよ!?でも、小さいオッサンとか小さい女の子(変な意味じゃないよ)とかが喜んでもなんか今一つなんだよな。モテてこなかった人生を過ごしていたから反発がすごいんだよな。


 「羽毛うもう昼飯はまだか~俺たちもう腹減ったよ~オムレツ食わせてくれ~オムレツ」


 うわ、またきたよ。ひっきりなしにこれだと流石に身が持たないな・・


 「他の人の昼と一緒に作るから少しまってろって!!」


 「チッ。オムレツ忘れんなよ!」


 なんでこんな言われようせにゃならんかね。


 羽毛うもうがそんな愚痴を溢しながら厨房にたまご等の材料を取りにいくと、

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