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異界の料理人(歓喜の音)

 泣き疲れたハナもその異様な音が耳に入り、飛び起きた。



 「何事っ!?」




 夜の帳が下り、ピクシー村の面々は夢の中のはずだ。

こんな真夜中に誰が騒いでいるのだろうか。声は集会所の方から聞こえてきた、襲撃があった日の夜だ。警戒心がハナを声がする方へと向かわせた。



 集会所に向かう間にもうめき声や叫び声が聞こえてくる。



 「襲撃者というより、何かに襲われて逃げてきた人がいるのかしら。ケンショウと羽毛うもうさんに何かされてたら大変っ!」



 また、この村を襲われるかもしれないという不安感とケンショウと羽毛うもうが穢されていないかという気持ちからハナの背中を嫌な汗が流れていく。

集会所に付いた。用心のために今日は村に泊っているモルサが先についていた。間違いなく声はここから聞こえてきている。



 「ハナ!変な声が聞こえるから心配で来たんだけど、あなたもね。」



 「うん。ケンショウと羽毛うもうさんに何かされてたらって思うと」



 涙ぐみながらハナは答える。



 「大丈夫って信じましょう。早く、犯人を突き止めないと。入るわよ」



 「うん」



 ”バンッ!!”



 ハナとモルサが勢いよく集会所の扉を開け、辺りを見渡す。

 声の主はすぐそこにいるようだ。



 モルサの”ライトアップ”により部屋を明かりが満たし、声の主の姿が見えてきた。




 ハナとモルサは驚きのあまり声を出すことができなかった。

 目の前にいるのは間違いなく夕方までピクリともしなかったケンショウと羽毛うもうだ。



 「う、噓でしょ。だってあの場で死んだはずじゃ・・・だって脈だってなかったし、冷たくなってきていたし」



 モルサは信じられず、心の声が出てきてしまっている。それもそうだろう、彼女がケンショウと羽毛うもうの脈を聞いて死を皆に告げたのだから。



 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」



 だが、悠長に話を聞くことはできなさそうだ。彼らは実際に動いているし、生きている。だが、かなりの怪我をしていて声を張り合上げ絶叫している。



 「モルサ、驚くのはわかるし私も何が起きているのか理解できてない。でも、今は早く治療してあげましょう。見てられないわ。」



 ハナがモルサにそう伝えると、モルサも頷き彼らに治療魔法”ヒール”をかけ始めた。



 ヒールにより彼らの傷は大分癒えてきた。モルサとハナはもう十分だろうと判断し、自分たちの疑問を彼らにぶつけ始めた。



 「なんで、2人とも生きているの?死んでいたはずじゃないの?」



 いきなり直球の質問だが、彼らの生死を一番嘆いた彼女たちからすれば一番先に聞かなければならないことだろう。

 羽毛うもうが話し出す。



 「俺は全然記憶がないんだけど、夢でケンショウが出てきて一緒に来いっていうからついて行ったら激痛で目が覚めて、ここにいるって感じかな。ってか俺死んでたってなに?どういうことなの?」



 「へへへ、おいらの魔法がなんとか役に立ったみたいだな!」



 「死んだと思っていたのよ。どれだけ心配したと思っているのよ。」



 へらへらとした態度にハナは安堵感から怒りが出てしまった。



 「ごめんって。でも実際結構危なかったんだよ。モルサが事前に精霊を羽毛うもうに付与させてたから精霊の導きで助けられたんだ。」



 「私の精霊も役に立ったんだ。よかった。」


 その後も色々と質問を繰り返していると、


 「なんとなく状況はわかったか?おいらたちへとへとだからもう休ませておくれ・・」



 聞き込み調査が長くなりすぎてしまったようだとハナとモルサは反省する。だが、死んだと思っていた友が生きていたのだ嬉しくて長くなるのは仕方がないよね。と2人はアイコンタクトし合い笑顔で「「おやすみ」」と答えた。



 翌日、ハナはまたもやいつもとは異なることで目が覚めた。

 香ばしい匂いが鼻をくすぐる。寝起きでもお腹が減ってくる匂いだ。

 匂いにつられ、外に出てみると羽毛うもうが何やら料理をしていた。__

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