表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

第9話 ダンジョンの成長方針

今週も楽しんでいただければ幸いです

 ダンジョンを作ると決めたものの、どうやって作ればいいのか。俺はさっぱり分からなかった。どこをどういじればいいのかと、目の前のウィンドウとにらめっこしていると


「そういや、この拡張中ってなんだ?」


 ダンジョンの名前を表示している横に括弧書きで(拡張中)とある。気になって見ていると新しいウィンドウが出てくる


「どうでもいいけどウィンドウ出過ぎじゃないか?」


 目の前にいくつも展開されているウィンドウを鬱陶しく思いつつ新しいウィンドウに目を向ける


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

管理設定

 環境維持:40%

 迷宮拡張:55%

 魔物発生:5%

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「どーりで魔物がいないわけだ」


 予想でしかないが、ダンジョンのエネルギーを何にどの程度ふっているのかを示している。魔物の生成にほとんど振り分けられていなければ、当然魔物も生まれない


「これなら0%でいいだろ」


 まだ疑問は残る


「環境維持にこれだけの割合が必要なのか?」


 俺としては一刻も早く安全なダンジョンを作りたいから、簡単には攻略されないようにしたい。となれば


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

管理設定

 環境維持:20%

 迷宮拡張:80%

 魔物発生:0%

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 これで良し。環境維持は20%以下にはできなかったから今の状態を最低限保つのに必須のエネルギー割合なんだろう。魔物も迷宮そのものが複雑かつ広大になればしばらくはいなくても大丈夫だろ


 あとは迷宮をどんなふうに拡張するかだけど、今のままでいっか。適当に迷路状にはなってるみたいだし十分だな。それじゃあ、続きは明日でいいや





 翌朝、ギルドに出勤すると俺のギルドでの指導員であるリサさんが話しかけてきた


「エイジくん。おはよう」


「リサさん。おはようございます」


「昨日は大丈夫だった?なんだかすごくボーっとしてたから、心配してたの」


「すみません。ご迷惑おかけして」


「ううん。それはいいの。エイジくんはまだ新人だし、こっちの世界にまだ慣れていないだろうしね。ただこっちに慣れてないからこそ体調を崩しやすいんじゃないかと思って」


 ああ、リサさんの心遣いが心に沁みる。かわいいだけじゃなくて仕事もテキパキこなすから職員にも冒険者にも好かれてるんだよなあ


「ありがとうございます。一晩寝て随分スッキリしたので」


「そう?辛くなったら遠慮なく言ってね?」


「はい。今日からまたご指導よろしくお願いします」


 にっこりと笑うリサさんの下、ギルドの業務を学んでいく。といっても今の俺ができるのは落ち着いた時間の受付と依頼にあった素材なんかを依頼主と種類ごとに振り分けること、あとは経理とかの事務処理。これでも大学の経済学部に行ってたんだ。この世界の人達より数字に強い自信はある


「今日の夜にどれくらいダンジョンが出来たか見ても大して変わってないだろうし、しばらく放置するか」


 なんて呟きつつ、仕事を進めた





 1週間後、仕事を終えた俺は自室で椅子に座っていた。流石に1週間あったら階層の1つや2つできているだろうから、確認しよう。もうあとは寝るだけだから何も問題なし


 意気揚々と『迷宮支配』を起動し、管理から森のダンジョン(仮)を選択する。……今更だけどこの(仮)って何?まだ名前は決まってないのか?いくら仮名でもそのまんまな気がするけど。いつかは名前が付けられるのか?


 まあいいや。えっと今のダンジョンはっと


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

森のダンジョン(仮)(拡張中)

 ・洞窟型ダンジョン

 ・全16階層

 ・魔物 0種類

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ………急に増えすぎじゃないか?確かにできるだけ早く大きくしようと思って迷宮拡張にほぼ全部振り分けたけどさ。1週間で13階層も増えるのか?


「まあ……いいか……」


 もう少し階層増やしたら、魔物を入れてみるか。今日は目星だけでもつけとこう。えっと最初の創造で見れるのか?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

創造

 ・植物

 ・魔物

 ・罠

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ほ~、植物と魔物から見てみるか


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

植物

 ・ヒカリゴケ

 ・ヒカリ草

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

魔物

 ・スライム

 ・ゴブリン

 ・コボルト

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 少なくね?え、これだけ?植物に至っては苔か草かの違いしかないじゃねえか!もっと他にあるだろ!例えば方向感覚を奪う植物とか、蟻とかの虫系の魔物とか


突っ込みを入れてるとピロンっと音が聞こえた。目の前にウィンドウが現れる


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

提案を確認。次のものが創造可能になりました

 ・マヨイゴケ

 ・マヨイ草

 ・アーミーアント

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 追加されたってことはこれ新しく考えてもいいのか?なら、色々足していってもいいよな。えっと狼系の魔物、モグラの魔物、ドラゴンとか。後は薬草とか果物とか


 再びピロンとなってウィンドウが現れる


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

提案を確認。次のものはまだ創造不可です。可能になり次第順次表示します

 ・シャドーウルフ

 ・ケイブモール

 ・アースドラゴン

 ・魔力草

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 果物は?表示すらされないとかある?どういうことだ。他のはちゃんとあるって言っても種類が少ない。狼系の魔物っていってもこの近くの森にいたのはフォレストウルフでシャドーウルフじゃなかった。とすると、ここに表示されるのは今の環境で生育できるものだけか?だったら環境を変えてみたい……ところだけどどうやって変えればいいんだ?


 適当にウィンドウを開き、項目を見ていく。可能性のあるやつはそんなに数無いから多分すぐ見つかるはず


「やっぱここか」


 管理設定の迷宮拡張に注意を向けると新たなウィンドウが姿を見せる


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

迷宮拡張

 ・洞窟型(選択中)

 ・草原型

 ・森林型

 ・湖畔型

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 意外とあるな。創造の所を見る限りもっと少ないかと思ってた。なんなら洞窟型だけでもおかしくなかったな。とりあえず、もうあと5層作ったら草原型に切り替えるか。そしたら新しく魔物増えるかもしんないし。とりあえず今ある階層に1通りの魔物と植物放逐しとく。それぞれを配置する階層は……適当で


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

次のものを創造し、各階層に配置しました

 ・ヒカリゴケ(第1~第15層)

 ・マヨイゴケ(第1~第15層)

 ・ヒカリ草(第1~第15層)

 ・マヨイ草(第1~第15層)

 ・スライム(第1~第15層)

 ・ゴブリン(第1~第10層)

 ・コボルト(第5~第15層)

 ・アーミーアント(第10~第15層)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 各階層の地図を見てみると、発生した魔物が緑の点で表示されている。1匹でいたり、集団でいたりといろいろいる。試しにスライムのステータスを表示させてみると


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

スライム  レベル5

名前:なし

スキル:自己再生 融合 分離

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 よっわ!!え、いくらなんでも弱すぎないか!?ほ、他の奴はどうなってる?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ゴブリン  レベル8

名前:なし

スキル:

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

コボルト  レベル11

名前:なし

スキル:身体強化

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アーミーアント  レベル15

名前:なし

スキル:土魔法 身体強化

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 全部微妙な……レベルも低いしスキルもほとんど持ってないし、これだとすぐに攻略されるんじゃないか?魔物より階層を拡張させるのを優先させた方がやっぱりいいか。管理設定のウィンドウはっと


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

管理設定

 環境維持:20%

 迷宮拡張:55%

 魔物発生:25%

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 これでいくか。後は20階層まで拡張したら階層の種類を変えないとな。その後の設計もぼちぼち考えとかないと。さ、明日も仕事だ。もう寝るか







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ