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第8話 ダンジョンマスターになりました

皆さんこんにちは

お待たせしました。ついに、ついにここまで書けました。ようやくダンジョンマスターになってくれます!これからはダンジョンを頑張って成長させていくので、どうか見守り続けてください。

そして少しでもいいなと思ってもらえたなら、ブックマークと評価よろしくお願いします。

 森に来たものの元々魔王城の図書館で絵付きの図鑑とか読んでいたから、ほんとに確認レベル。でも合ってるのかの不安とかあるからちょうどいい。百聞は一見に如かずってな。一緒に来てくれた冒険者たちはついでに他の依頼も受けたみたいで俺のそばには腰に剣を携えた人が一人しかいない

 名前はゲイル。魔人族のBランク冒険者で、《風狼》というパーティのリーダーをしているらしい。Aランクも夢じゃないと言われているとのこと

 

 パーティ名を聞いた最初、なぜに狼?と思ったらゲイルさんの親友が狼人の獣人で一緒にパーティを組んでいるそうだ


 さてさてそんな訳でゲイルさんに護衛をしてもらいつつ、ギルドで借りた図鑑を片手に草むらをガサガサ


「ゲイルさん」


「お、なんだ?」


「この苔ってあの洞窟にありますかね?」


 そういいながらピッと指さしたのは木の陰にひっそりと見える洞窟。


「ん~。多分あるだろ。行ってみるか?」


「行きます」


「あいよ」


 しゃがんでいた状態から腰を上げ、服についた葉っぱを払っていると


「おーい!!ゲイル!ちょっと手伝ってくれ!」


パーティメンバーがゲイルさんを呼ぶ


「あー、でもなあ……」


 俺の方をチラチラ見ながら、断ろうとしてたから笑って


「俺は大丈夫ですよ。あそこの洞窟にいるんで終わったら声かけてください」


と言うも


「だけど、一応依頼だし」

 

と乗り気じゃない様子。俺は別に気にしないんだけど、やっぱりプロとしてのプライド的なものがあるのか?


「この辺りは強い魔物はいないんですよね?なら適当に逃げるか隠れるかしますから」


 みたいな感じで何とか説得して、パーティメンバーの方に行かせた。それを見送ってから俺は洞窟へと歩いて行った





 見つけた洞窟はそんなに大きいものじゃなくて、人が一人通れるくらいの道幅しかなかった。入口からの光か、ぼんやり明るい。目当ての苔を見つけようと奥へ足を進める。奥へ奥へと進んでいくも、苔どころか虫一匹いない

 それに一番おかしいと思うのは、もうそこそこ入口から離れてるはずなのに躓いたり(つまづいたり)することなく歩けるぐらい明るいこと。普通ならもう見えなくなってもおかしくない……


 諦めて戻った方が良いかと思ったら、フッと足元の感覚が消えた。えっ?と思って、下を見るとどう見ても落とし穴としか言えない穴が開いている。当然回避する術を持っているわけも無く、俺はそのまま落とし穴に吸い込まれた





 落とし穴を下へ下へと落ちていく。体感で言うと10分ほど経ってようやく出口から放り出される。でも、クッションなんてあるはずないから地面に直接落ちた。尻が超痛い


「んで、ここどこよ」


 尻をさすりながら周りを見てみると、部屋二つ分位の広さの場所だった。上の部分とは違って地面は磨かれた石のように綺麗な状態だ。人どころか草一本生えていない空間にポツンと水晶玉が浮いている。仄かに光るそれにそろそろと近づき、間近で観察する。でも、うっすら光っていること以外は特に変哲もない水晶玉。大きさは、バレーボールぐらいか?


 思い切ってそっと手を触れると、一瞬強く光り思わず目を瞑る。光が弱まって眼を開くと


「え……?何だこれ……?」


目の前にはステータスを表示するのとよく似たものが広がっており、そこに文字が現れ始める。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

未成熟のダンジョンコアへの生命体の接触を確認


システムコード『ダンジョンマスターの登録』に基づき、対象のダンジョンマスター登録を開始します

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


待てまてマテ!!なに勝手に登録しようとしてんだコラ!停止ボタンはないのか!?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

対象に称号『ダンジョンマスター』のインストールを開始―――失敗しました

対象の魂魄(ソウル)情報(コード)をスキャン―――異なる世界の因子を確認

対象の適応処置を開始します―――

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


なに勝手に処置始めてんだ!ていうか処置って何!?俺バケモンになったりすんの?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

処置が終了しました

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


終わるの早えな!俺何にも変わってねえぞ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

再度、称号『ダンジョンマスター』のインストールを開始―――終了しました


システムコード『迷宮管理に関するスキルの取得』に基づき、称号『ダンジョンマスター』に付随するスキルのインストールを開始します


インストール開始―――失敗しました


対象のレベルがスキルの全ての機能のインストールに必要なレベルに達していません。よって応急処置としてスキルのダウンロードのみ行い、対象のレベルの上昇に合わせて再度インストールし、使用可能にします


ダウンロード開始―――終了しました

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 その後も次から次へと切り替わる表記について行けず、気付けば表示は消え、目の前で水晶玉がフワフワと浮いているだけだった


「とりあえず、戻ろう……」


理解の追い付かない事態に疲れ、洞窟の入り口に戻ってゲイルさんたちと合流しようと思ったが


「どうやって戻ったらいいんだよ……!!」


 今いる場所は落ちてきた落とし穴以外に道はないうえ、落とし穴の出口は既に塞がっていた。帰ることもできずにここで死ぬのか……?


 絶望の中、目の前にさっきと同じように表記がフッと現れる


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

迷宮内転移で入口まで転移しますか?  

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 え?戻れんの?戻れるなら、何でもいいや……


 洞窟の入り口に戻るイメージをすると、一瞬の浮遊感の後に景色ががらりと変わる。辺りを見れば洞窟の入り口を入ってすぐの場所に立っていて、目の前には入ってきた入り口があった。

 外に出ると、ゲイルさん達がこちらにやって来た


「おう、一人にして悪かったな。大丈夫だったか?」


「ええ、まあ……」


 俺の曖昧な返事を妙に思ったのか、顔を覗き込んでくる


「顔色悪いけど、何かあったか?」


「いや、別に。何もないですよ」


 安心させようと笑顔を向けたけど、多分引き攣ってたと思う。案の定、ゲイルさんは疑った様子で俺の体を見てくる


「怪我してる訳じゃなさそうだし。本当に何も無いならいいけどよ」


「すみません。ご迷惑をかけて」


 俺の謝罪に肩をすくめたゲイルさんはグレンゼへの帰還を提案し、俺たちはグレンゼへと帰った





 夜、ギルド職員用の寮に与えられた自室で俺はベッドに倒れ込んでいた。洞窟から帰った後、ギルドでゲイルさん達《風狼》の依頼完了手続きを研修として行い、一連の流れを習った。しばらくは練習ということで受付での手続きをしていたけど、やがて冒険者たちが次々と帰ってきて受付が大忙しになると、俺は裏方に回された。入ったばかりの俺じゃ、あの量はさばけない。正直ギルドに帰ってきてもいまいち気力が戻らなくて、とにかく休みたかったし渡りに船だった


 仰向けに寝転がりながらぼんやりと天井を眺める


「なんか今日は、疲れたなあ~~」


 洞窟で遭難しかかって、ダンジョンマスターに登録とかで頭の容量がパンパンになっている。もうこのまま眠ってしまいたいが、一つやらないといけないというか、確認しなくちゃいけないことがある


 天井を向いたまま自分のステータスを表示させると、前とは表記内容が変わっていた


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 エイジ・アサダ

種族 人族

年齢 23歳

性別 男

レベル 1

ユニークスキル 迷宮支配

称号 渡り人 ダンジョンマスター

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 この前まで表示されてなかったレベルとスキルと称号が出てる。ていうかレベル1かよ。ないわ~~

 称号はまあ、なんとなく分かる。分かるけど、問題はやっぱりこのスキルだよなあ


「『迷宮支配』か……」


 あの洞窟、あれがダンジョンなのは間違いないんだろうけど、『迷宮支配』はダンジョンマスターになったことで手に入れたスキルだろうな。これ何ができるわけ?


するとステータスに重なるように、別の表示――もう、いちいち表示って思うの面倒だな。パソコンみたいな見た目なんだし、ウィンドウでいいや――が出てきた


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ユニークスキル『迷宮支配』

 ・創造

 ・管理

 ・眷属

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 これ、ここの中から選べばいいのか?とりあえずダンジョンは既にあるわけだし、管理で今の状態を見たいけど、管理で見れるのか?


 管理を選択すると再度ウィンドウが出てくる


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

管理する対象を選んでください

 ・森のダンジョン(仮)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 見れるの1個だけじゃん。当たり前だけど。あれどんな構造なんだ?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

森のダンジョン(仮)(拡張中)

 ・洞窟型迷宮

 ・全3階層

 ・魔物 0種類

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 開いた口が塞がらないってのはこの事か?何だこのダンジョン、ほんとにただの洞窟でしかねえ。それぞれの階層の構造は?


 ダンジョン全体の構造が立体映像みたいに表示されるとそれぞれの階層から線が伸び、3つのウィンドウが出て来て、地図が表示される。しかしどの階層も代り映えしない作りをしており、探索を始めたらすぐに攻略できるだろう


「せめてもの救いはダンジョンコアのある階層は残り二つの階層と切り離されてることか」


 ダンジョンの核であるダンジョンコアを破壊するとダンジョンを維持できなくなり、ダンジョンは消滅する。ダンジョンは危険でもあるが魔物の素材や希少な薬草などが手に入ることから、破壊するよりも利用する方が良いとされ、ギルドの管理下に置かれている。


 俺のものとなったダンジョンは入口のある1層目と2層目のみが繋がっていて、ダンジョンコアのある3層目は2層分ほど地下に行ったところに隔離されていた。でも、結局のところこのダンジョンをどうするかは決めれていない。危険は今のところないが、これからの成長によっては放っておくと面倒なことになるかもしれない


 しばらく考え込んだが、俺はあることを思い出した


「俺、レベル1だった」


 レベル1なんてこの世界では幼児と同じ。成長するにつれてレベルは少しではあるが上がる。鍛錬や戦闘などをしていればなおさらレベルは高くなっていく。それは自然界で生きる魔物も同じこと


「レベル上げをしないとヤバい」


 諦めていたレベル上げだったが、表示されるようになった今ならレベルも上がるはず。でもいきなり魔物と戦って勝てるとも思えない。だからこそ


「自衛のためにダンジョンを作ろう!」


 ダンジョンマスターなんだから、ダンジョンが成長するのに合わせて自分も成長してもおかしくない。ついでに強い配下もできたらさらに生存率が上がる!


「俺はダンジョンでこの世界を生き抜いてみせる!」


 後、ついでに好きなように作れるなら是非とも住みやすいダンジョンにしよう。そうしよう


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