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第7話 森再び

本日2つ目です。そして、3つ目は間に合いませんでした。なんで今日中に更新します

 俺がカイル達と初めて会った時に知ったステータス。これもこの世界独自のシステムになるらしい


「ステータスは基本的に自分にしか見えません。『ステータス・オープン』と唱えて、初めて他人にも見せることができます。目の前にガラスのような板状のものが現れ、表示されるのは――」


 ステータスにはいくつか項目がある。例えばアルノーだとこんな感じになるらしい


――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 アルノー 

種族 魔人族

年齢 25歳

性別 男

レベル 33

スキル 風魔法 速読 暗記 高速思考 短剣術 

称号 魔王城文官 渡り人の教師

――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ……なんで短剣術なんてあるんだ?


「護身のためですよ」


「護身が必要なのか?」


「身につけていて損はないということです」


 そんでもう一つ気になるのが、称号


「称号にはその人の職業や何かしらの事を成し遂げた際にそれを示すものが表示されます。元々私の称号には“魔王城文官”しかありませんでしたが、今回この任に就いたことで称号が増えたのです」


「これ、何か追加補正があったりするの?」


「稀に称号を得ることでスキルを得たり、補正が付くことはありますが、ほとんどありませんね」


 スキルはなんとなく分かる。これ、あれでしょ。絶対身体強化とかスキルにあるはず


「身体強化は通常のスキルに分類されます」


 スキルに分類とかあんの?


「スキルにはユニークスキルというものがあって、種族特有のスキルや唯一1人でしか所有していないスキルなどがこれに値します」


 



 アルノーの称号に出てた渡り人、これは俺のような異世界からやって来た者を指す。基本的に渡り人は突然世界と世界を繋げる穴が開くことで、その穴に落ちてしまう


「しかし、ここに例外があります。それが勇者と呼ばれる存在です」


 勇者は異世界から召喚されることで世界を渡る。そして勇者はユニークスキルを持っていることが多いことから、戦力として利用するために召喚される


「本来自分のことは自分で何とかするべきなので、安易に異世界の人間を使うのはよくないんです。更に召喚された側から見ると、完全に誘拐と同じなので元の世界では行方不明とされているでしょう」


 なるほどな。でも召喚した場合って元に戻すこととかできないのか?


「送還は召喚よりも非常に難易度が上がります。そもそも召喚は条件に合う人を適当な世界から連れてくるので、選ばれる世界はランダムなんです。逆に送還はその人を連れてきた世界も場所も詳しく設定しなければならないので、消費する魔力も組み立てる魔法も恐ろしく膨大になります。なので送還の方法は確立されていないんです」


 まあ、そりゃそうか。もしあるならレックスが教えてくれてるか


「代わりにと言ってはおかしいですが、渡り人にはできる限り援助をするのがこの世界ではマナーとされています」





 他にもどんな国があるのかなどを教わる日が数日続き、今日は王都の市街へとアルノーと一緒に来た


「今日は王都を観光しながら物価やエイジ様がやりたいと思えるような仕事を見つけましょう」


 店や家が建ち並ぶ中を歩きながらアルノーがそう言う。後は仕事を見つけるだけなんだが、俺はこの世界にどんな仕事があるか知らない。おまけに俺は魔法も使えないから特別な能力を必要としない仕事を見つける必要がある


 でも、それで出来ることといえば事務処理か接客業ぐらい。ああ、あと簡単な料理ならできるな、大した腕じゃないけど


 街を歩いていると、今まで見ていなかった物が見えてくる。この都市に住む人々や華やかな店構えの商店、大きな声が飛び交う鍛冶屋。そんな中で目を引いたのが武装した人たちだ。

 武装といっても騎士や兵士のように統一されたものではなく、剣を携える人に杖を持った人と色々いる


「アルノー、あの武器持った人たちって……」


「ええ、以前お話しした冒険者の方達です」


 冒険者は魔物の討伐を中心に国や市民からの依頼をこなして収入を得ている人たち。地球でいうところの猟師兼何でも屋って感じか


 冒険者は旅をすることから獣人も人族も魔人族もいる。地球では見ることのない人達をそこら中に見かけ、ついついキョロキョロと見まわす。人の笑い声や話し声で溢れた街は活気に包まれている


「アルノー、この世界だからこそできる仕事の中で俺にもできることってあるか?」


 どうせするなら地球じゃできなかったはずの仕事がしたい。これだけ色々な人種がいるんだし、人と関わりやすい仕事とかでもいい


 顎を撫でながら、俺の質問に思考を巡らせる。時々目をつむり、静かに考えている。時間にするとほんの1,2分だと思う。考えがまとまったのか俺に一言、


「付いて来てください」


と言ってどこかへと歩き始めた


 王城を出た時から計ったら30分程歩いたところでアルノーは足を止めた


「ここです」


 俺の方を振り返りながら指で示したそこは、多くの人が出入りしていることもありその賑わいが外でも感じられる場所だった。しかもその建物に出入りしているのは武装した人たちばかりだ


「なあ、ここってもしかして……」


「予想している通り、冒険者ギルドですよ」


 世界中に散らばっている冒険者をまとめ、どの国にも属していない完全独立組織、それが冒険者ギルド。冒険者に依頼を出したい人はまず、この冒険者ギルドに依頼を申請することで初めて冒険者が依頼を受けられるようになる


「でもさあ、冒険者ギルドってことは魔物に対抗するだけの能力が必要なんじゃないか?」


「それは冒険者の話ですね。もちろんギルド職員にも腕の立つ者はいますが、それは冒険者を引退してから職員に転職した人がほとんどです。最初から職員として就職した人は戦闘能力皆無の人も居るはずです」


 まあ事務職に戦闘求めたりしないか、普通


「ギルドほどこの世界独自の仕事はないでしょうし、事務仕事も多いです。私の方でどこかのギルドに就職できないか探してみます」


「ああ、頼んだ」


 ここで仕事が決まれば万々歳だけど贅沢は言うまい。だけど、アルノーに頼らなきゃ俺、仕事探せないしなあ


 不安そうにしているのがばれたのか、アルノーは笑って


「大丈夫ですよ」


と言ってくれた


そして1月ほど経って、俺は今、再びモートラムの森にいた





 なんでモートラムの森にいるかというと、話は3週間ぐらい遡る

 

 俺がこの世界についてさらに知識を得ようと城内の図書館で本を読んでいると、アルノーがやって来た


「エイジ様」


「何?アルノー」


「ギルドの件なのですが」


 あー、やっぱり無理だったかな。できればって話にしてたし


「グレンゼの冒険者ギルドなら人手はあって困ることは無いとのことで、ぜひ事務員として迎えたいとのことですがどうします?」


 そうか、無理だったn……。え?いいの?雇ってくれるの?


「ええ。ですがグレンゼはモートラムの森に近いので王都やほかの街のギルドよりも危険度が増します。それでもいいですか?」


 あ、うん。行く行く。辺境伯様っていう知り合いもいるし何とかなるでしょ


「では連絡しておきますね。出発は数日後になると思うので、また旅の用意をしましょう」


「分かった」


 そんなこんなで王都からグレンゼに戻って、グレンゼの冒険者ギルドに来た。ちなみにアルノーとは王都でお別れ。あくまで俺が就職できるまでの教師だったしな


「頑張ってきてください」

 

って馬車乗り場の前でニコニコ笑いながら見送られたな~


 あ、今回グレンゼに来るのは馬車でだったけど、やっぱり長距離馬車だからか尻の痛みは少なかったぜ。荷馬車で長距離は絶対にやるべきじゃない


 冒険者ギルドに入ったらあんまり人はいなかったから、まっすぐ受付に行って事情を話したらすぐにギルドマスターの所に案内してくれた。

 ギルドマスターは魔人族の人ですごく体が大きいわけじゃないけど、しっかりした体躯の人だった。でも威圧感とかは無くて親切な人だからすごく頼りがいがあった。後で同僚になるって人にそれを言ったらギルマス――ギルドマスターのことな――は元Sランク冒険者で二つ名まで持っていたらしい


 住む場所についてはギルドの寮があってそこの一室を使わせてくれるそうだ。部屋に荷物を置いて仕事の説明を受けようとしたら


「まずは薬草なんかを実際に見て、知るところから始める必要があります。魔物も見たことがあって損はないので森に見に行きましょう」


「はい?」


 今なんか無茶苦茶なことが聞こえた気がする。戦闘能力皆無の俺に森に行けだなんて、死んで来い発言じゃないですか。いやだなあ、もう耳が遠くなったか?


「合ってますよ。」


「いやいやダメでしょ!何考えてんの!?」


「大丈夫ですよ。こちらで頼りになる冒険者を案内につけます。安全も保障しますよ」


「それなら……」


 そうして、紹介された冒険者と一緒に森に来たって訳だ


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