私が嫌いな奴
蛇。
爬虫類で体は細長く、四肢が退化しており、毒を持つ者もいる。
前世、私は蛇、いや爬虫類自体が嫌いだった。その毛嫌いが回ってきたのか、
あろうことか私が蛇に転生してしまった。
その原因はついさっき。
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私は朝食を作っていた。
目玉焼きを作っている最中事は起こった。
ガシャ というドアを開ける音。いつもなら気づかない筈の音に敏感に気づき、料理の手を止めた。
私は一人暮らし。かといって誰かに合鍵を渡している訳ではない。
まずい と思い警察に連絡しようと思い部屋を移動するも、束の間。
何者かも知らぬ''人''がそこには立っていた。
鉢合わせてしまった。しかし 諦めるにはまだ早い と思い声を上げようとするも。
グサ と何かで刺されてしまった。その一瞬の出来事で意識が遠のいた。
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つまり、私は強盗に殺されたのだ。もう少し生きたい人生だった。
まあ済んだことは仕方がない、とは思えないが、どうしようもない。
これからのことを考えよう。
自分が蛇だということは、なんとなく見える。
よく「サーモグラフィーの様に見える」とか「音は聞こえない」とか聞いたことがあるけど、
周りの岩とかは色付きで今まで通り見える。それに小石が転がる音も聞こえる。
つまりは、私は今恐らく洞窟にいる。自分を見ることはできるけど大きさは分からないから
何かに襲われても対処法がわからない。
あと大抵こういう場所は異世界だと思う…いやそうであってほしい!
蛇で地球を生きるには少し大変だし…異世界には憧れる…!
まあそんなことは置いておいて外に出たい。 蛇にはあまり詳しくないし、生態はよく知らない
けど…取り敢えず明るい場所に行きたい。それが今の私の願いだ。
どうやって外に出よう。
洞窟なら上に上がればいいけど…ここは平坦だし、どっちの道が上に繋がるかも分からない。
しかし動かないわけにもいかないし、とりあえず進む。
これは…大きな穴?下に向いて空いてるけど…床は見えない。どうなっているのか見当もつかない。
ここに来るまでの道はかなり急な坂になってたし戻るのも大変だけど…
ん?坂…穴?大抵こういう所って大きな岩が転がってくるよね…。その期待は裏切って欲しい。
ゴロゴロ…
…どうやら予想が当たった。どうしよう。
穴に落ちる…?いやどのくらい深いかもわからないし、一緒に岩も降ってくるかもしれない。
でもこの穴は超えられない。まずい。こんなに短期間で まずい と思ったのは今回くらいだ。
まあ…落ちるか。潰されて死ぬぐらいなら落下しの方がいい。どうせ一緒だけど。
あぁ…私はこのまま落下死か。次はどうなるのかな…?もう少しいい暮らしがしたいなぁ…。
あ、岩が転がっていくのが見えた。どうやら圧死は免れたようだ。
…
…
…
…まだかな?かなり深い。これはそりゃあ底が見えないわけだ。
やっぱりどうにか死なない方法とかないかな?うーん。
『ステータス』
何か咄嗟に思いついた。少しやってみたかったけど…出るかな?
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種族:豪蛇 レベル:2
固有スキル:叡智の宝物庫
アクティブスキル:無
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あ…出た。けど使えない。固有スキルって言ったら…なんなんだろうこれ?
それにアクティブスキルって言ったら任意で発動するスキルだよね…?それもない。
これ…私死んだ。
ってあれ?生きてる。絶対この高さから落ちたら死ぬと思ったのに…何故だ?
この世界の蛇には落下体制でもあるのかな…?。まあ助かったのならそれでいい。
ってこれ…骨だ。それも人の。こんなに沢山?怖いな…。
で、どうやって上に上がるかだけど…どうしよう。