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#7

お読みいただきありがとうございます。



飽くまで 不定期更新 が標準仕様です。 ごめんなさい。

「俺の年齢? そんなの聞いたって面白くないだろ?」


そう言って法術札の話を続けるユウ様。

「法術ってのは身体の中に流れる生命力というか、魂魄の潤滑剤というか、まあこれもエーテルなんだけどね。そう言う力を使って術を使うんだ。だから程度の違いはあるけど 修行次第で誰でも使える。 でその力っていうのは血液に多く溶け込んでるんだよ。」

「ああ〜、それで法術札は血を使って書くんですね〜。………勉強になります〜。」

「それならもっと普及してそうですけど………。」

そんな疑問にも答えてくれる。

「俺のいた世界の文字っていうのがネックになってるんだな。普通に使ってる文字でも、前に教えたかな文字でおよそ100、あのカクカクした文字は900、既に使われなくなった文字や術でしか使わない特殊な文字を合わせると3000文字とも5000文字とも言われてる。それが誤字や綴り間違いたった一つで術が起動しない。」


これを聞いてゾッとした。………私は5000文字も覚えなきゃいけないの?


「覚える文字? ああ、別に良いよ、覚えなくて。」

恐る恐る聞いたら事も無げに言われました。

「言ったろ?体内の力が流れる血で書くんだ。どうあがいても血の提供者の力以上の事は出来ないんだよ。だから回復や治療に、身体強化に、と どうしてもそういう風に特化する。せいぜい使い魔を産むか生活用の火や水を生み出すくらいだ。」

なるほど、そんな威力ではわざわざ魔導師が覚えるメリットが有りません。


「あ、でもスクロールは結構な威力が出ると聞きますが。」

「そっちは魔導だからね。インクに魔水銀、マンドレイクの絞り汁を混ぜたもので書く。で魔導と同じく、空気中に漂うエーテルやダークマタと言われる物質を改変する事で術が発動するんだよ。スクロールも誰が使っても術が発動するけど材料が希少過ぎて大量生産は出来ない。作り手も魔導を学んでないと無理。」


「世界に魔導師なんて もうどれ程も居ないよ? 今時はせいぜいが君みたいに 伝承が途切れてて素養だけっていう、魔導との縁の切れた一般人だ。もうあと数世代…100年もしたら戦場に出れる様な魔導師、絶滅すんじゃね?」


魔導師って先の無い斜陽産業だったんですね…ちょっとショックです。



「さてどんな感じ?」


お昼からの尋問前にヴェルン様と情報の擦り合わせです。

大人の仕事にはホウレンソウが大事ですからね。

「ああ、『アレ』は結構ペラペラ喋ってた様だな。救いは聞いた連中が話半分に聞いてたのと場所はいつもあの酒場のあのテーブルだったって事だな。」

「馴染みの娼婦や商店、家族がいるならそれも当たってくれ。口止めが難しいなら口が利けなくするか攫って。」


「…………そこまですんのか?」

ヴェルン様に同意です。流石にやり過ぎでは?と思ったのですが次の台詞でそんな気持ち吹っ飛びました。


「俺たちが帝国相手に上手くやれてるのは俺の存在がバレてないからだ。もしバレたら前に話した、例の人造勇者どもが戦線に投入されるかも知れん。」


まさか! こんな鬼畜が帝国には複数いるとでも? そんなの冗談ですよね?

……………何ですか?その悪夢みたいな話。

「サファ、なんか失礼な事考えてない?」

「いえ? 全然。 全く。 これっぽっちも。」


「ま、良いか。 じゃあ続き続きっと。最初の三人からまた入れてね。」



いつのまにか居ないと思ったら ルチカちゃん 『アレ』さんになんかペタらペタら貼ってます。

「あ、来ちゃいました〜。 もう少しゆっくりで良かったのに〜。…………うふふふ。」

「何してるんです?ルチカちゃん。」


「うふふふ……次は塩を摺り込むとか 辛子粉を摺り込むとかするかなーって思ってほんの少しだけ治療してみました〜ふふ。」

「ほんの少し………ですか?」

「ああ、ルチカ、お疲れ。 サファは知らないか。皮を剥いだ後は少し表面が落ち着いた方が塩揉みが効くんだよ。」

そんなの、知りませんし知りたく有りません。


『許して…………許して下さい……。』

「じゃあ誰と誰に喋ったのか教えて?」


『飲んでて……酔ってたから覚えてねえんだよお…。』

「そう。 じゃ、思い出したら言ってね。」

入ってきた三人は『アレ』さんを見て震えてます。

「君たち、彼の傷にこれ摺り込んで?」


三人それぞれに 粗塩の入った壺が渡されます。

しかし、震えて動けなくなってしまってます。 そんな彼らにユウ様は優しく語りかけます。

「まさか…君たちも喋ったの?」


「「「うわああああああ!」」」

『あああああああああああああああああああ〜。』


啼きながら一心不乱に塩を摺り込む三人と悲鳴なのか感嘆の叫びなのか分からない哭き声を上げる『アレ』さん。

『アレ』さんが気絶したのでお三方は交代です。

ああ、きっと古参の方々は以前これをやったんですね。道理でユウ様の言う事をよく聞く訳です。


目覚ましに塩水をぶっ掛けるユウ様…。

「これが効くんだ。乾いてくると虫が集って齧られてるみたいにチリチリピリピリと刺す様に痛んで直にズクンズクンと疼いてくるんだ。」

心底嬉しそうに言う。

「痛くて痛くて、夜なんか寝てられない。ふふふっ 。」

まるで ルチカちゃんが乗り憑ったかの様です。

「素敵ですね〜。うふふふふふふふふ〜。」


ルチカちゃんってば、ひょっとして壊れて無くてこれが地なのかしら?

ちょっとそんな事を考えました。


ええ、現実逃避です。


この塩揉み作業だけでもまだ三組の参加者が待ってますから。



結局、『アレ』さんからは新しい話は聞けませんでした。

最初から新しい話も古い話も出させなかった様にも思います。


『アレ』さんは最後まで耐えられずお亡くなりになりました。


どうも死因は致死量の塩分摂取だった様です。

随分摺り込みましたからね。


ユウ様は

「俺は三日三晩休み無しでこれされたのになー。死ねるってズルいよなー。」

とか言ってましたが聞かなかった事にします。



世の中には見ちゃいけない、知っちゃいけない事もあるのです。


人間の壊れた 壊れてない の線引きってどこらへんなんですかね?


よくわからないので困ってます。

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