とりあえず自分語りといこうか
電撃大賞の応募が完了したので書き始めました。書きだめが一切ない小説で投稿もまちまちですがよろしくお願いします。
俺の名前は神楽聖中学三年生だ。高校受験を終えた俺は勉強という苦痛から解放され自由を謳歌している。
そんな普通な俺には普通で無いことがある。念能力が使えるということだ。それも生まれつき。急に力に目覚めたとか、ある日突然力を与えられたとか、そういうものじゃない天然の力。
言葉を話すより、歩き出すよりも早く俺は念能力を使った。最初は何を動かしたか。そんなことは既に覚えていないが赤子の力で持てるものなどたかが知れている。だが、今の俺に持てないものは無い。その気になれば地球だって…それは無理だ。
話が逸れた。
俺は念能力のお陰で小中とボッチ生活を送っている。人前でついうっかり念能力を使わないために。念能力があるのが当たり前の俺にとって、能力を使うな、という方が難しい。一般人で例えれば手を使うなと言われているようなものだ。
だが、俺はその状況を不満に思っているわけじゃない。むしろ都合がいいと思っている。
俺の使命が、この世の悪を裁くことだからだ。
俺がこの使命を背負うようになったのが小学四年の夏のことだ。
俺は念能力がバレないようにするため人との関わりをなるべく絶っていた。小学生の多くは群れで生活し、休み時間になれば外に遊びに行く。外で遊ばない子もいるが比率で言えば外で遊ぶ子供の方が多い。これは偏見というよりも経験則だ。そして俺はその少数派。休み時間のほとんどを図書室で過ごした俺は、図書室の全蔵書を読破した。
読む本がなくなった俺は、図書室という箱庭から大空へと旅立った。初めて訪れた本屋のことは今でも鮮明に覚えている。学校に置いている本もそうでないものも、学校を超える規模の本棚に所狭しと本が並んでいる。俺にとっては宝の山のようだった。
俺は漫画はあまり読まないが、そこで出会ったのだ。ライトノベルに。
これまで色々な本を読んできたがここまで衝撃を受けたのは初めてだった。今まで読んできた本は暇を潰すために読んでいただけで心から「読みたい!」と思って読んでいたわけではない。
俺がラノベにはまってたのは主人公に対する感情移入だ。一人で戦う孤高のヒーローに、幼心から憧れを抱いた。
ラノベと言ってもジャンルは様々だ。最初に読んだものが別のものだったら俺はここまでラノベにはまることも、この使命を背負うこともなかっただろう。
それから俺は念能力を鍛えた。今までの生活の中で使える範囲ではなく、戦闘や人命救助を視野に入れた鍛え方をした。実際に暗躍し始めたのは中学に進学してからだ。それまではひたすらに憧れだけを燃やしていた。そして初めての任務。俺は盛大な失敗をやらかした。
全身黒尽くめ、それはいい。黒い服を持っていなかった俺は学ランで夜の街を歩いていた。当然補導された。俺は正義を執行するために力を身につけたのに、一番最初に手をかけたのが、表の正義である警察官だったのだ。今思い出しても恥ずかしい。
そんなこんなでもう三年。既に俺は都市伝説になっている。
「カリシウス」
これが俺の今の名前だ。誰がつけたのかは知らないがいつのまにか世間ではこの名前で定着した。ラテン語で暗殺者、という意味らしい。正体を明かさないこちらの身としては通称というのは有難い。最近ではカリシウスを名乗る者から養護施設などに支援物資が届いた、というニュースも聞く。俺の存在が民間に良い影響を与えているのは素直に嬉しい。
中には批評家もいるが俺はそれを咎めたりはしない。俺の行動はただの自己満足であるし、そもそも俺が言わなくても、この批評家はネットで散々叩かれている。
俺の物語はまだまだ序章だ。なにか困っていることがあれば俺が相談に乗ろう。俺の正義はこの国に収まるものではないからな。
「我が名はカリシウス。では、また会おう!」
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鋼のメンタルでどんな言葉も受け止めます!