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#4 自己紹介

体育館がざわめく中、入学式は終わった。


入学式と一緒に俺の高校生活も終わったんだけど、どうしよう。


まあ、何とかなるだろう。

関わらなければ何も問題ない。


退場の時に、亜美がいるステージ脇に目をやると、こちらを真っすぐ見ていた。


「めんどくさい高校生活になりそうだな、理沙。……理沙?」


話しかけても反応がない理沙を見てみると、体育館の出入口を見ていた。


けど、ただ見ているだけではなく、怒りを込めているかのように全身に力が入っているのがわかる。


理沙が見ている方に視線を移すと、そこにもう一人の金髪の少女が立っていた。


すれ違う新入生達はチラチラ見ながら退場していくのがわかる。


「二階堂、海華」


理沙が言った名前は体育館出入口に立っている肩にかかるほどの金髪の持ち主、二階堂海華。


あそこにいられたらすれ違ってしまうのは確実だ。


俺達の退場の順番が来る。


一歩ずつ海華に近づいて行く。


相手はなにも行動を起こさない、起こさないがずっと俺を見ている。


そして、すれ違いざまに、


「久しぶりだね、いっちゃん」


「……ああ、久しぶりだな海華」


と小学校以来ぶりの会話をした。


その後は真っすぐ自分のクラスに戻っていった。



樹と理沙が去った後、体育館に残っていた亜美と海華は話をしていた。


「亜美、新入生代表の挨拶お疲れ様~」


「海華……あなた入学式でなかったわよね。ここからだと体育館全体見れるから丸わかりなの。しかもあなたは金髪のままだし、困ったものね」


「単純に家に忘れてきちゃったんだよ」


亜美はやれやれと思ってはいるが、海華は意外としっかりしているのはわかってる。


今回の件も何か企んでいるのではないかとも考えているがどうなのかは、彼女にしかわからない。


「まあいいわ。とりあえず教室に戻りましょう」


「そうだね。いっちゃんがいる教室に…いや、いっちゃん達がいる教室に」


海華が言い換えた理由は亜美にはよくわからなかったが、この高校にはもう一人お目当ての人がいるという話は聞いているためその人のことだろうと自己完結して、体育館を去ることにした。

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