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第28話 〇〇〇〇 参戦!!

4つのダンジョンのうち2つの防衛戦に勝利した。


「やったな!」

「うん!」


俺はジュリアと手を叩き合う。


「シャーロック、ギガ。お疲れ様。ゴッドスライムとジャイアントアント達と一緒に一度こっちに戻って来てくれ」

「かしこまりました」

「御意」


ダンジョンコアを通しての通信を切る。


「もうすぐ残る2つのダンジョンにも敵が来そうだよ」

「ああ、準備は良いか? リンダ、グラオン」


俺は新たに2つのダンジョンと通信をつなぐ。


「はいは〜い。暇で暇でしょ〜がないよ。早く来てって感じ? キャハハハッ」


最初に返事を返したのは【最果ての迷宮】にいるリンダだった。


「ワオーーーーーン!!」


リンダの通信から遠吠えが聞こえた。


「ほら、聞こえる? シロも準備万端ってさ!」


まだリンダが進化をする前、一緒によく行動していた【ホワイトウルフ】。彼も【ちょうちょうちょうしんか】によりS級モンスターへと進化をした。

【ホワイトフェンリル】という巨大な狼は雷のように地を駆ける。

ホワイトフェンリルはリンダから【シロ】という名前を貰い、共に最果ての迷宮に配置された。


「80階層まであるこの迷宮。最下層近くまで来たところで一気に水攻め! 相変わらずマスターの考えは悪どいね」

「褒め言葉として受け取っておくよ」


最果ての迷宮付近を流れる、大陸2番目の流域面積の【ゴチック大運河】。この川の水を引くことで最果ての迷宮丸々水に沈めるつもりだ。


「しっかり頼むぞ、リンダ」

「任せといて!」


リンダとの通信が切れる。

てか、グラオンからの反応が一切ないな。あいつの性格から察するにリンダとの会話をぶった切ってでも話しかけてくるというのに。


「おーい、グラオン。生きてるか?」

「……………」

「グラオーン?」

「んがっ!? おお!? なんだ、敵襲か!?」

「グラオン」

「よし!野郎ども、出陣だああああ!!って、マスターか」

「お前寝てただろ」

「ね、寝てねーよ」

「いや、寝てたな」

「寝てない寝てない」

「よだれついてんぞ」

「え、まじで!? 」


言っておくが俺からグラオンの様子は見えない。まんまと騙されたな。


「ところでそっちの準備は順調か?」

「ああ、完璧だぜ。俺様の手腕だな」


そう言って下品な声を立てて笑うグラオン。


グラオンが守護するのは【真紅の樹海】。大陸最大規模の森林地帯である。ここには多数の高レベルモンスターが存在していたが、グラオンが1ヶ月かけてすべてのモンスターを配下にしてしまった。


「本当に大丈夫だろうな?」

「ケケッ。マスターは心配性だなぁ。しょうがねぇ、俺様が改めて作戦を説明してやるぜ」

「ああ、頼む」

「まず、人間どもは間違いなくダンジョンコアを狙ってくるわけだ。魔法感知を使える奴らならほぼ直でダンジョンコアの元へとたどり着くだろうよ」

「確かにそうだな」

「そこで、ダンジョンコアを囮にしてその周囲にモンスター達を配置しておく。奴らがダンジョンコアを意気揚々と破壊した時には……」

「もう周囲をモンスターに囲まれてるってことか」

「そういうことだぜ」


グラオンは思い出したように付け加える。


「俺様は敵が包囲された後、上空からブレスを吐く。奴らは抵抗する間も無く丸焦げだ。地上部隊は【ゴブリンキング】と【ゴブリンクイーン】に指揮を任せてあるぜ」


ゴブリンキングもゴブリンクイーンもダンジョンの初期メンバーだった者だ。

もともと子供じみた身長と知能しか持ち合わせていなかったが、いまや2.5メートル近い巨漢と人間以上の知能を持つS級モンスターである。


「くれぐれも油断するなよ。わかっているとは思うがダンジョンコアはダミーだ。身の危険を感じたらすぐに撤退しろ」

「はいはい、わかってるよ」


グラオンは煩わしそうに鼻を鳴らすと通信を切った。


「さあ、うまくいくといいんだが」


〇●


その後、敵がダンジョンへ侵入した。どちらのダンジョンもかなりの規模を誇るものだからまだ本格的な戦闘には入らない。


3時間後、真紅の樹海のダンジョンコアが破壊された。真紅の樹海に置いてあるダンジョンコアは何も創造していない。そのため壊されてもなんの影響もないわけだ。


作戦通り大量のモンスター達が人間達を取り囲む。

上空には翼を持つモンスター達が羽ばたく。


SS級モンスター1匹。

S級モンスター8匹。

A級モンスター79匹。

B級モンスター6514匹。

以下多数。


真紅の樹海に生息するモンスターのほとんどが集結していた。


「ヒャーハッハッハ! 愚かなサルだぜ。魂まで焼き尽くす俺様の【破滅の焔】身を以て実感するんだな!」


グラオンが大きく息を吸い込んだその時。


「……!?」


グラオンの瞳に信じ難いものが写った。


●〇


「んー!順調順調ー!」


リンダが大きく伸びをした。

敵は現在42階層の攻略をしている。


「この分じゃ今日中に最下層には着きそうだね」

「ワンワン」

「そんなに焦っちゃダメっしょ。そうねー、60階層くらいに入ってもらわないと」

「クーン」

「まあ、あと1、2時間くらいっしょ」

「ワンワン、ワオーン」

「キャハハ、まじそれな!」


リンダは声を立てて笑った。


〇●


「ま、まじかよ……」


俺は真紅の樹海の様子を見て絶句する。


ダンジョンコアを通して見るその景色は地獄そのものだった。


モンスターと人間とが血と血で争う闘争。悲鳴と怒号が樹海にこだまする。


「なんであいつがここに……」


モンスターと戦う人間達。

その中には【世界の管理者】の姿があった。

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