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黒い折り鶴
15年後~。
黒い紙で折り鶴をおる。私の心の中には、もう龍の姿は居なくなった。やっと思い出に出来たんだ。亡霊?はたまた、眩しい光り?両極端な龍の影から解放された。とにかく、異様なまでに愛しい人、自分でも理解に苦しく説明出来ない感情。
ナラタージュあの曲の歌詞。
思い出に出来たんだ。
理由もなく愛しい。謎が溶けないままで。
海は目を瞑り、ふっと目を開けて部屋の隅に視線をやると、茶色のマントを羽織った人物が現れた。被っていたハットを下げお辞儀をしてみせる。「私は、ある人にあなたを探すように頼まれて来たのです。その人の事が心配です。あなたにお願いがあります。」そういうと、すぐに消えてしまった。
幻覚?あの方は、どちらの紳士なのでしょう
その日を境に、信じられない日々が続いたのです。