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契約篇  ——中編——

どうもです!月そらまめです!

これは前投稿した契約篇短編の続きです!そちらの方を見ていない場合はそちらからご覧下さい!

誤字脱字、あったらご報告お願いします。

変な日本語があると思いますが、ご了承ください。そのうち直します。

では、お楽しみください。


 「すまんラミュ、俺、もうソラリスと契約したんだ…」

契約しようと意気込むラミュには悪いが、もう俺にはソラリスがいるんでな。

「そ…そうか…た、確かにな、もちろん契約するよな…」

こ、この契約ってやつ、どうにか二人契約はできないのだろうか、とても罪悪感があるんだが…

「で、でも!せめてお前の側に私を置かせてくれ!」

「本当はお前とも契約したいんだがな…ん…?まてよ…そういえばまだ必ず一人とは…『男女一人一人で‥』だめか…」

本当に1人じゃないとダメなのか?まだ方法があるはずだけど…

「ラミュ!図書館に、行って見ないか?!」

「もっ、もちろん行くぞ!」


 と、ラミュは、さっきの食いつきは何処へやら、すっかり静かになっていた。


——街の巨大図書館へ移動中の事。


  「ちよぉっと待ったぁー!」  


「お?」

「なんだなんだ?」

街人の、なんだなんだ?のコール。

いや、ほんとなんだよ…

「ん?そういえばソラリスはあああああ!!!」

「おっちょい、大丈夫か」

なんの罪もないラミュに唐突なラリアットがかかる。

だが、ものの見事にラミュはそのラリアットをかわした。

「大丈夫だ。問題ないいあああああああ痛い痛いやめっ、ちょっ、見えないぞ、やめろ、目を隠すのはやめてくれ、あああああ、重い、しがみつくな、やめろおおおおおお!!」

なにしてんだこいつら。

うわぁ。ちょ、街中でなにしてんの、視線が痛いから!主に子供の目を隠すお母様たちの視線が辛い!

「はぁ、はぁ、はぁ…」

「おい…街中でなにしてんだ…顔赤いぞ、大丈夫か。息荒いぞ、大丈夫か」

いろんな面で見ると色々怖いんですが…

ここだけ見ると…ちょっと…ねぇ…(服は着てるので安心してください)


——こんな時のために用意しといたんだよ…


「 『サンド・ブレス』 」

「 『小砂の息吹よ』 」


少量の砂を吹く、土と風の合成創造魔法。

魔力消費も少なくて、コスパがいい魔法を研究しておいた。

「うわぁ…口がじゃりじゃりする…」

「そ、そうだな…とて、とひぇも…気持ち悪い…」

「フハハ!お前らは俺の不快にさせる魔法をくらって、そんな反応か!なかなかだ!」

とりあえず早く逃げないと…!

「おいお前ら、少しは人の目というものを気にしたらどうだ、ソラリスに関しては一貫してそうだ。とりあえず早くここからおさらばするぞ」

小声で俺が伝えると、なんか言いたそうなやつがいるから手を取り足早に図書館に向かった。

「ちょ、ちょっと海、ひどいじゃないの、私を置いてくなんて!」

「なんだよ、ちゃんと手紙置いたじゃないか」

そう、俺はちゃんと置き手紙を作って置いた。

「でも!」

「ほら、早く行くぞ」


——あれから三十分ぐらい?俺たちは図書館に着き、本を探していた。

「ねぇ海〜、本当に契約の本にあるんだよねー?」

「あってるが…」

そこでふと、思いついた。

「なあ、ここに人はいないのか?」

単純な疑問だ。

3人集合し、会議…

俺に続き、ソラリスが。

「今のところ見かけてないけど…」

チラッ…

「な、なぜこっちを向くんだ!?私は知らんぞ!そもそも、こ、この街の名すら知らんのに、ここの巨大図書館の本棚の裏に隠し部屋があるなんて、知るわけないだろう!?」

「「隠し部屋、あるんだ」」

ほとんどあるって言ってるようなもんだろ…

ということで、人もいないというので、隠し部屋の探索となった。

「こっちだ…」

「どう開けるんだ?」

「ほ、ほほ、本を…押して…元に戻す…」

ほう、意外に簡単だな。

がががが……とまでは行かなく、本棚の後ろにドアがあった。

「こ、ここは、あまり読めない本の隠し場所となっている」

50冊ほどの薄い本が入る少し小さい本棚に、10冊ほどの本が入っていた。

ん…

「あった!」

そこには、『契約』という本があった。よし、確認。

「これか…?」

ラミュが開いたページには、『二人目の契約者』と見出しがある、恐らく俺たちが探していたところだろう。

「二人目の契約者は、出来はするが、効果が薄くなる…二人目は、あることを行わなければならない。それは…契約者である人物の試練だ。試練は睡眠中の夢にて行われる。試練が起こる条件は、二人目と契約を交わした時」

「契約者ってもしかして俺のことか?」

「海ぐらいしかいないんじゃない?」


と、契約方法もわかったので今日の買い出しに手伝うことにした。

「なぁ、ずっと疑問だったんだけど、この金はどこから?」

「ふふふ…海にも話すときが来たんだねッ!」


——嫌な予感しかしない…


「実は、私、魔王軍抹殺メンバーの一人!なのです!ちなみにヒーラーでね。ここの眼が白いとメンバーなんだ」

「眼が片方白いって、それ俺もじゃねえか!」

それはもう、真っ白の眼。

「それで、そのメンバーには国からお金が支給されるんだ!」

「だからそれ俺もなんだって…」

「海は直接、国のお偉いさんには会ってないからね」

国のお偉いさんって、国家とかか?

「なぁ…こんなところで魔王抹殺メンバーとやらが宿借りてていいのかよ…普通領地かなんかもらえないのか?」

「あー、その話は後でね…」

うん、やはりここでは何か話してはいけない理由があるのか。


と、街の商店街から抜け、宿へ。

「「ただいまー」」

「お、お帰りなさいっ!」

ここは宿なんだが…家みたいだな…

「あ、ラミュ、海、ほい」

ソラリスからはパンを渡された。クロワッサンのようなもので、美味しそうだった。

もぐもぐ……うむ、うまひ

「そういえば、ソラリス、さっきの領地についてだが…」


ラミュは散歩してくる、と、外出したので、俺とソラリス二人きりとなった。

「私は、実際土地とその権利を持ってます!今はまだ草っ原なんだけど、魔王軍を倒したり、この国に貢献すると色々またもらえるんだけどね、仕事がなくて、定期的にお金がもらえるぐらいなんだ」

いや、金貰えるだけって、相当だがな。

「だけど、近々また強力な魔物が増えてきてね、仕事のチャンスでもあるんだけど…」

「えと…メンバーって今何人だ?」

「火、水、闇、光、あと私のヒーラーで5人…土と風の欄が空いてるんだけど」

「じゃあ、俺も入れるってことか」

「それはそうだけど、まだ海、試験受けてないし…」

まじかよ、試験受けないとメンバーに入れないのかよ

「試験ってどんな試験なんだ?」

「属性によって違うけど…他の属性と自分の得意属性を合わせれるか、とかの試験もあったね。私の場合ヒールの試験だから、状態異常の解治だったり傷の回復だけど」

んんん…土属性を極めなければ試験には望めないな…

「海の場合そもそもレベル値が低すぎて第一試験すら行けないけどね」

ソラリスは嘲笑を続けたものだから少しムカついた。

「レベル値が低すぎて…さらっとイラつく言葉吐くないよ、またかけるぞ…それかお前を使ってレベル上げさせてもらおうか…」

作戦変更、なんかイラついたので…

「えぇ!?ちょ、いきなり何…」

アレを取り出し…

「ちょ、やめっ、んな、なにやってへぇぇぇぇ?!」

「ちょっと静かにしろ…」

なんだろう、この状況だと誤解を招かれないんですけど。

「あ、もしかして、初めてか…?」

「い、いきなり、な、なに?とても…気持ちいいんだけど…」

「ふふふ…ここか?」


「あっ!あっ…海、なんなの…?この快感は…」


おいやめろ、言動には十分気つけろよな

「何言ってんだ、お前ほんとに初めてなのか」

「ち、違うの、やったことは何回もあるんだけど、はぁ、はぁ、んっ、うますぎて…」

「あぁ、わかるか?俺はこの手においては超一流だからな…」



ラミュ:んんん!?

な、なんだ!?な、な、何をしているんだ!?

声しか聞こえないが、とてつもなく…だめな声が聞こえる!

こ、ここは宿だよな!?

確認しないと!!

「お、おおお、お前たちぃ!な、な、何をしているんだ!」

勢いよくドアを引いたけどこれ押しドアだった。恥。

ガタッと中から音が聞こえたから焦ったけど、すぐにドアを開けた。


そこには、ちゃんとソラリスと海が…いた…

「ん?」

海はこっちに気づいたが、なぜか海の下にいるソラリスは気づいていない…

「ひゃあっだめえっ…はっ」


「お帰り、ラミュ」

な、なんだその笑顔は!?

「何をしているんだ!」

「耳かきだけど」


海:

「ったく、耳かきしてただけなのに…」

「とりあえず、お前らは二人きりだと危ない!私はお前らから離れないからな!」

「あ…もしかして…ラミュさーん…ちょっと想像してたんだぁ〜…ぐふふ、ぐへへへ」

俺がゲス顔で煽ったっ!!

「そ、そそそ、そんなのないわけないかもしれなくもないけど!」

なんだ、今のは本当になに言ってんのかわかんなかったからもうちょっと理解し易いように喋ってくれという意を込めて

「あっ、ふーん……」

と言った。


「なぁ海、腹空はらすかないk」

「あっ、そうだ」


「——ラミュもやってみるか?」

「なんだその手は!?やめろ!ちょ、離せ!」

俺が不思議な手つきでラミュを誘い込み…落ち着いたら…

「ああっ!?」

捕獲成功。あとは…っと…

実際焦らしが気持ちよさの秘訣だ。焦らして…獲る…

「ふぇええええ…」

「まぁ落ち着け、そんな暴れるんじゃない」

ラミュは足をくいくいさせて、その動きはやはり誤解を生む動きだった。はい、今後は自重します。すいません


※耳かきです


「はぁ、んっ…もう…らへぇ…」


※耳かきです



と、色々あり…

夜。

ソラリスは既にラミュの方のベッドで寝ていた。

「——う、海…」

「んな、なんだ?」

「けい…やく…」

「なんだよ、なんでそんなムズムズしてんだ?トイレなら早く行けよ?お漏らしすんなよ?」

明るすぎないランタンの明るさが、静かな室内をいい感じに照らしてくれている。

正座をしているラミュは。

「ち、違う!もうこの歳になって漏らすなどあるものか!」

「わ、わかったから、えっと、契約、だろ?」

「うん、それで…本当に…いいのか?」

「いいのかって?」

……

「試練を受けるのは海なのだぞ?何があるかわからないのに…危険ではないか!?そんな私に無理しなく…」

「ちょっと待て、何があるかわからないからやめるって、そんなんだったら壁ぶち当たりまくりだぜ?それに、俺は無理なんてしてない。言いたい気持ちもわかる。二人目の契約人を造るだなんて、そんなの前代未聞だろうからな。だけど。だけど、なんかこれは普通ではない。俺とソラリスはなんかあれだ。今はただの出来立ての友達みたいなもんだし、今やることはただ、もう一人仲間にしてやる。それだけだ。そう思うぞ」

仲間はずれじゃ、嫌だろう?

「私は…私は…」

ラミュは俯むき、自分の髪わしゃわしゃとを貪り…

「おい…そんな、死ぬことなんかないって。心配しすぎだよ」

「海ぃ…!」

「おっと、そういう展開はナシな?」

ラミュが抱きついてきそうなもんだったから肩を押さえた。まぁお預けってことだ

「えっ」

ラミュは突然の存外な言動に反応し虚空の一声を放つ。


——と、ラミュと指切りげんまんをしたわけだが…


「はっ!」

な、なんだここ…

「どこ…だよ…」

足元を見ると、ちゃんと自分の脚。床は鏡のような感じだが曇っている。

全体的に灰色で、あたりを見渡しても、霧のような、雲のような。自分を中心として、腕を広げてみても、指が隠れるほどだ。

…と。

「んあ、もしかして、契約人の方?」

どこからか、女性のような感じだが…ん…何かよくわからない声が聞こえてきた。

「え、契約人、うんそうだけど…ああそうか、えっと、試練、だろ」

「お、よく知ってるね、まぁでもそれ知らなくて来たんなら…」


「殺る」


「つもりだったぞよ」

殺す!?試練のこと知らなかったら殺すとか、どんなやばいやつだよ!

ええええ、殺すって、マジかよおい、殺される判定あんのかよ!

ああああああ!ごめん、ラミュ、多分そこ帰れんわ。ああ、死んだ、もうオワタですわ。

「って半分冗談だって!そんな震えなくてもいいぞ!」

半分…じゃあそのまた半分は本気だったってことかよ…

「そうぞよ」

ああっ!心を読んでいらっしゃる!!!

owt、ほんとowt。

右耳に鋭い声が伝わって来た。

この場合…後ろ…

「ほらほら早く早く!こっち向いてよ!」

向いたら殺されそうです!でも向かなかったら殺されそうです!もう向いちゃいます!

俺は震えながらも、後ろを恐る恐る向いた。

え…誰…

鼠色に灰青色の髪。白い肌。身長は少し小さくて、俺の身長の半分より少し大きいぐらい。

ちなみに、眼は漆黒。まさに本当の漆黒で、それなのに明るかった。

「あれ、歳は16超えてるのに『純』?ほへぇー、異世界人っているもんなんだね」

じーっと見られて、固まる。うわぁもう嫌だ、早くあのラミュとソラリスに会いたい。

「あ、ごめん、つい見惚れちゃった……自己紹介するね?私は『クゥリオス』、この空間で神様を勤めているぞよ!」

な、なんだと!?あの、クゥリオス…いや、でも、うん、ありえなくはない。多分間違ってない。

「あのー、自分、契約の試練を受けに来たんですが…」

「承知した。じゃあ、行ってきて?」


——は?


「だから、元の世界に帰っていいよ?」

「すいません、言ってる意味が自分にはわかりません」

「はぁ…じゃあいいよ、とりあえず帰らせてあげる」

なんか浮いて来た(体が)

「えええっっ!?ちょ、ちょっとぉぉ!?」

理解不能だ!え、えと、うわああああああ!!

「事情はまた明日ね〜」

神様は、こちら(上)を向き、言って来た。 もう何がなんだか。



だんだん明るくなってくる。


「キエエエエエエエエエエ!!!!!!」

「ふわあああああ!!??」

隣!

「キエエエエエエエエエエエエ!!??」

「ヴァああああああああああ!?!?!?」


「「あ゛ぁ゛…」」


胸に違和感。股に違和感。

 MA ☆  SA ☆  KA ☆ 


「二人ともどうしたの!!??朝から奇声上げるなんて、迷惑にもほどがあるよ?ってなんでこっち来てるの?ねぇ?」

「「ソラリス…」」

「二人とも、しっかりして!朝ボケ?顔洗って来なさいな」

そうだよな、朝ボケだよな。

「「じゃあ、行ってくる」」

………

外に出て、近くの水場へ。

意外と綺麗で、透明だ。

パシャパシャっと、顔をゆすいだ。

「「ふう…」」

二人とも俯いたまま…

「「俺たち(私たち)入れ替わってますかね…」」

すると、俺(ラミュの体)が。

「どうする…」

「安静に…しておこう…」

と__

「えっと、二人とも、私ちょっと出かけてくるから」

宿の扉からヒョイっと出て来たソラリスは唐突にそんなことを言って来た。


——それから。


ソ:

「全く…何があったんだろ…」

海とラミュが変になったあと、海の魔王討伐メンバーに入会するために申し込みしないといけないので、街外れのお城に向かうことにした。

「お金は移動に使うとして、十分な食事代は消えるけど…どうしよう…」

自分の財布を見ながらとぼとぼ歩いていると__。

「——よな。ははは!………おいそこのネェチャン、今暇?」

なんだこいつら、ナンパか?

「すいません、用事があるので…」

「おいちょまてよぉ!金が必要なんだろ?俺たちの言うことを聞けば少しはくれてやるよ」

強引に腕を掴んできた。

はぁ、チンピラはやっぱりチンピラだな…まあここだと警察はいるけどこう言う場合は多少暴力してでも正当防衛だからな…うん…ヒーラーとして暴力はしたくないけど、まぁ、こういういかがわしい匂いがするやつには__

「はぁ、すいません、これ以上私に触れると容赦しませんよ…」

「まあでも本当はヒマなんだろ?俺たちとあそっ…」


「 『脛蹴すねげり』ッッッッ!!」


「 『お前はもう、死んでいる』 」


__ 脛蹴すねげり。だよね

まぁ?痛めつける程度だから?骨は折らないけど。

「いったっいっ」

お、効いた効いた。

すねを抱えてぴょんぴょんと跳ねるチンピラA。

そこでチンピラBが。

「アニキィ!でえ丈夫ですかぁ!?お、お前!覚えてろよ!」

少し痩せたチンピラBは怖がりながらも言った。

「はい!しっかりと覚えておきますよ!次会った時は容赦しませんよ♪」

「う、うひいい!」

はぁ、これだから最近のやつは、すぐ怖気付く…弱っちいなぁ…

やったぜ



「__と、色々ありまして…」

街外れのお城に着いた。

……面倒…

「君は誰かね?」

「だから、ほら、あの魔王討伐メンバーの一人ですよ!ほらほら、眼が白いじゃないですか!」

……ばんが……門番が面倒臭い!!

ここの門番、入ってよしまでがとても面倒。

『君は誰かね?』を三回以上聞いてくる。なんのつもりだ…

「…ソラリティア・リスティーア、ですよぉ!聞いたことありませんか!?」

「うん…ちょっと聞いてきます」

高身長の騎士のような格好をした方。


——と。

「おやおや、ソラリティア様じゃありませんか!」

無駄にでかい城の門の向こう側から、私の名前を呼ぶ声が__

「ああっ!?爺!?」

私の爺というのは、用心棒のような執事に当たる方だ。

門を開けてくれて、ようやく領地に入れたところで。

「爺、なんでここにいるの?」

「実は、お嬢様があそこから離れた後、領主様が、ここに来い、と言われまして…」

「えっと、お父様は…どこのいるのかな…」

私は、リスティーア家の娘。此処ここの国の貴族、リスティーア家の4代目当主とは私のことだ。

「お父様は、この城でここの領主様と、暮らしておりますよ」

と、まぁ、今日の目的は海のメンバー入会申し込みだから、お父様とお話しするのはまた違う日にしようかな。


「失礼致します…」

どこか安心する部屋の匂い。貫禄のある扉の閉まる音は、やはりまた、聞いたことのある音色だった。

「ソラリティア君。話は聞いているよ」

慌てる様子などなく、静かな響く声音こわねが耳にきたる。

「これはこれは、話が早くて助かります」

こういうところはとても緊張する。大勢の人の前に並ぶより、一つ一つの言葉に重みがあるため、背筋が凍る。

「さあ、ここに座って」

相手と向かい合う。

相手はこの国のお偉いさん__

「今日は、魔王討伐グループ、また一人、入れていただけはいけませんか」

単刀直入に言った。ここでどう返すかっ…!!

「うーん、属性枠は何かね?」

「土属性です」

順調…だが…次が心配だ…

「ほう土属性かっ…」

と、言葉が途切れた。 __まさか

いや、違う、そういう反応じゃない、ってあ…そう…

途中止まったが、咳払いをするだけだった。

うーんなんだこの間は、、

「す、すいませんなんか…」


「いやこちらこそすまん、土属性というのは珍しくてな。ちょっとどんなものかとな」

「土属性…って、珍しいんですか…?」

聞いたこともないわけでもないけど…

「おや、このメンバーさんが知らないとは」

軽く笑われた…なんか悔しい…!

ってかこの人の名前ってなんだっけ…

「と、というか、お互い…というか私があなたの名前を知らないから教えてください!」

どうしたらいいかわからないからもう相手も見ず行き当たりばったりに発言してしまった…!

ああああこれでメンバー抜けたらどうしよう!でも!でも!何がやりたいんだ私は!

「っくぅぅ…!!」

「まぁまぁ落ち着きなさんな。私は…『カメマレイト』…の方がわかると思いますけど、聞いたことはありますかね」

「——カメマレイト…!? え…」

カメマレイト。なんか変な名前だなって思うかもしれない…けど、例のクゥリオス神の宗教が消えて、最初に対抗した、声を挙げたとっても権利を持っていた政治家。『あの』とき、死んだはず…いや、だから知らなかったのか。

そうだ、殺された。そう教えられた。そう本に載っていた。でも、やっぱり…生きていた。

「そ、そうですか…はい…すいません、取り乱してしまいました…」

この人物があのヒトとなると、もう向けない。

視線は下へ。もうわかると怖い。

「そうだ、えっと、メンバーの…申し込みを…」

震えて、ろくに声が出ない。

だって、死んだ。って、死んだって。幽霊、ではないよね…ね…


私幽霊系大の苦手なのに…ま、まぁいいや…落ち着こう…


「カメマレイトさん、メンバー申し込みは本人とやった方がいいと思ったので自分はもう帰ります、すいません…」

「いやいいよソラリス君、このジジイは暇だから、いつでも来るんだよ、ソラリス君、また来ておくれよ」

「はい…」


——かちゃん…と閉まるドアの音。

帰って来た。申し込みはまた海と一緒に行こう。



海:

ソラリスが帰ってきた。

ソラリスの眼は自らの髪で隠れているが、あの片方だけの紅い眼が光る。

「そうだ…海…海は…」

「う、海か、あいつは__」

また、抱きかかって来た。 なぜだ、俺は今ラミュのはずだ。ソラリスがわかるはずない。でも……


「  『ジ・エンド』だ  」


えっ

「ひえええええ!?」

なんだなんだ!?


と、どうでしたでしょうか。

次も続きます。多分次で契約篇は終わるので、少々お待ちください。

ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました!

コメント、感想、ご指摘など、お待ちしております。

ありがとうございました!!


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