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どうやら、俺は強敵と戦う事になりそうです

月の少女は、考える。

己が失敗を


月の少女は、考える。

己を守ってくれた人を、


月の少女は考える、

己が知る、彼の結末を。


そして、月の少女は…。



……俺は、迷っていた。



猛烈に感じた衝撃によって、飛ばされ、背後から流れ行く視界。


幸い…書斎の床や壁を破壊しながら迫って来た彼の魔法は、アレだけの威力が有ったにもかかわらず、

俺が感じたのは痛みでは無く衝撃だった。



目に見えない縄を発している力さえも、この一撃へと込められていたのではないかと思える。


その一撃は、今せめてもの抵抗にと、交差した俺の腕の向こうで『透明な膜』によって阻まれている。


その膜は、いつの間にか腕に巻き付いていた『羽衣』から発せられているのだ。

魔力の扱いを先程精霊達に『魔力のこんぺいとう』を与えた際に知ったばかりと言えど、そう理解できた。




『月光の障壁』が、また使われたのだ。魔力を羽衣に集中させて、ひたすらに衝撃に耐える。


身体は空中に投げ出され、床などで踏ん張る事も出来ない、出来る事は魔力を羽衣に流す事だけ。


羽衣…数ある月の里の全てを統べる。『月下美人』の称号を持った存在。


そして今生の母。アメリア・Mムーン・トリスタンが装備している『月光の羽衣』と同じ羽衣。


彼女の後継となる存在にのみコレは与えられる。そう言うモノだ。


俺は、また母に…守られたらしい。





魔力の使い方が分からなかった以前とは事なり、今回は破れる事は無く。今も尚攻撃を阻み続ける。


あの時もしも、魔力の使い方…魔術の使い方が分かれば…『暗黒のゲート』が使えていたなら…。


きっと…違った結果を迎えていたかも知れない。


いや…使えたからと言って弟を助けながら咄嗟の判断で出来るか、怪しいかも知れない…。


飛んで来た野球ボールを振り向き様に、ホームラン出来るか?と言う感じだ、多分。

我ながら、まったくもって……変な例えだ…。





ソレに、恐らくこの『言語』についても母からの贈り物なのだろう。


幼い日に誘拐され、長い事男として育ってしまったナフティアに、女性として人から眉を潜められない様に。

この世界の性別の立場などの違いは分からないが、前世のモノと似てる点があるやも知れない。


何せ、勇者から伝えられている服などの文化は同じなのだ。


以前、前世で雑学好きな同僚が言っていた、女性がスカート、男性がズボン、そう言った分け方は、

ほんの数年前までは当たり前に有ったと、今でこそ女性はズボンを履いたりするが、当たり前の様にそう言う文化が有って、その文化の始まりは小さな部族だった事など。


もしかしたら、この世界にも、似た様な文化なのかもしれない。さっきマナの話を聞きながら、そんな話を思い出していた。


なにせ、ゲーム時代女性の登場人物は皆スカートか、それに準ずるものだったから。


ゲームとして見れば違和感も無いが、むしろ皆可愛いかった!、だが、現実としては、そう考えるのが妥当かも知れない。


まぁ、そう言った難しい所は、研究者でも無い自分には分からないが…、分かってる事もある。

『言語』の加護と言えば正しいのか、いや…この場合は『喋り方』かも知れない…これによって人との不和にならない様に、母からの気遣いだったのかも知れ無い。


深く考えすぎだろうか…考えが変な方向に行ってしまった。





こうして考えにふけっている内に、自分に迫ろうとする竜巻にも似た攻撃は、次第に威力は衰え。

やがて俺は、その失速によって、重力に引かれてゆっくりと下へと落下していった。


通常ならば、支えも術も無く空中に居たならば、重力に捕まったが最後…急速に落下する。

バンジージャンプすらした事無い俺とって、攻撃による被害とは別にソレは通常ならば脅威となるはずだ。


…だが、俺はそうはならない事を知っていた。月の一族でも一部しか使う事の許されない、魔術。


その魔術は、羽衣に付与されている…効果は『所有者にかかる重力を六分の一にする事』


ゲーム時代、ナフティアは地形からの、マイナス効果をほとんど受けなかったが、コレも現実になると…すざまじい効果だ。


本当にアメリアさん…いや、母には頭が下がる。




木々が薙ぎ倒され、先程の屋敷から一直線に割れてしまった森。


降りて行く内に背後には、小さいながらに村が見えた。村の向こうには草原、その先が海。

なるほど、あちらから俺たちは拾われてきたらしい。


そうして俺は、ゆっくりと木々が倒れて開けた場所に降り立つ。







俺は、迷っていた。…いや、違うな。


多少、自分が知る形は違えども、異なる世界への転生について…


ありふれた物語の中に入れた様な、主人公になったのだと、浮き足立っていたんだ。


今だに現実を信じられないでいた、そんな俺は忘れていたのだ、この世界が自分達が『現代』とそう呼ぶ所とは違うのだと言う事を。


コントローラーを片手に、或いは書物を手に、何処かの誰かが描きだした世界を覗いて居るのとは、違うのだ。


前世だったなら、刃物や銃器を持って歩いただけでも、警察という治安団体のお世話になっているだろうが、

この世界は違う、誰も彼もが『魔力』と言う、エネルギー、もとい銃器で言う所の弾倉を持って居て、


ソレは『魔術』と言う、銃の元に簡単に相手へと向けられる。


だからこそ、この世界の人間は俺達とは、違う心持ち、心の強さを持っている。


相手を傷つける覚悟、誰かを守りたい想い、先程、彼…ゲイル・ガーランドは、ソファーに眠る彼女に対して、なんと言ったか?、『弟子』だ。


護るべき者が、彼にはある。







確かに、彼らは俺やマサトを助けてくれた。…何処の誰かも知れない俺達を。


ソレはきっと、この世界が人が簡単に死んでしまう世界だから、あちらの世界なら通報して後は、先程と同じ様に治安団体にお任せする程度だっただろう。


ゲームとしてこの世界を見ていた時、『魔物』を狩ってレベルを上げていた。


狩って…つまり最低限自分に勝てる見込みがあり、理不尽な死がプレイヤーに訪れる事が無い。訪れたとしても、事前にセーブ(残していた)していたデータ(記録)をロード(読み上げ)して、またやり直す事が出来る。

それがゲームと言うモノだから、勝てなければやり直せばいいんだ。

ファンタジー系のゲームに置いて、ソレが当たり前の様な常識。だからこそ現実になっても気がつかなかった。


簡単に死ぬ、簡単に殺せてしまう世界。人もモノも、そして俺が知る前世に置いては『人ならざる者』が存在する世界。

そして、その『人ならざる者』さえも恐るる『魔王』居た世界。


魔王の事は知っている。闇の上位種、『暗黒の魔術』を司る存在。暗黒の竜。

ゲーム時代であったが、その能力は強大だった。

魔物を生み出し、月の民や魔族を、そして精霊達を洗脳していた元凶。


たしか…ゲームの設定では、数百年に一度の頻度で復活していたらしい。

エルフやハーフエルフの話や、『太陽の遺跡』そして『月の遺跡』など、過去の文献が遺跡などに残っていた、っ説明が有ったっけ。

さっきのマナの勇者の遺跡の話なんかも、多分その繋がりなのだろう。



倒れた木々が土埃を上げ、壊れた壁から落ちた瓦礫が煙を上げている。



遠くに見える壁穴を見上げれば、中から影が二つ。恐らくマナとゲイルだろう。



ゲーム時代の時、この場合ナフティアは、どうしたのだろうか…?


母から送られた法衣は、まだ部屋の中だ。逃げる訳にはいかない。


だが相手は『風の賢者、ゲイル・ガーランド』だ。

ゲーム時代の役割で言う所の魔術師、その最上位に位置する『賢者』の名を冠する事が許された4人の1人。

ゲーム一期は物語の本編に登場する事は無く。名前すらも出ない。


風の賢者として本島に残り、魔王軍からの侵攻を阻むとして、火の賢者キール以外は、話題程度にしか出ていなかった。

その話題と言うのも、水の賢者は露出狂だ、土の賢者は頭も固い。と言った所だ。具体的な強さと言った話題は殆ど出て居なかった。


……だが、その中に一つ気になる事がある。

風の賢者に関しては、一つだけ強さに関わる話が出ていた。後に、二期でマナが色々と話ていたが…今はいい、その程度の日常的な話だった。…他の賢者も、また、二期で登場していたし…


そして、それは、……対人・対生物において最強だった。と言う話だった。

マナ曰く、師匠はこう言っていたと言う、『陸の上の生き物は皆、海の中の生物と同じだ』と。

他の賢者もキールを含めて、同じ話をしていたかに思う。



ゲイルの得意とする魔術の属性は『風』だ。先程の台風の様な攻撃からもわかる。

賢者と言うだけに、魔術使いの系統だろう。







……突然、壁の穴から風が巻き起こり、土煙を吹き飛ばした。


「…生きていたか、魔族よ…」


土埃は晴れ、ゲイルが姿を表した。そう言うと彼は身体に風を纏い、ゆっくりと舞い降りてくる。


「結構、魔力を込めていたと思ったのだがな、無傷とは…」


「やはり、…魔族は恐ろしい、月の魔力で回復でもしたのか?」


俺の手に、僅かに力が入る。

彼は大地に脚をつけると、ゆっくりとした動作で、手をこちらい向けると、


「答える気は…無い…か?」


「私は…魔族ではありません、私は…」


「ぷっ!ハッハッハッ!この後に及んで面白い冗談だ!」


「それが答えならば…死ね」





ゲイルに対して俺はナフティア。


ゲームに置いては、タンク系の補助、サポート系の位置だった。加えて相手を眠らせる事を得意とした。デバフ系の魔術を使っていた。

魔法の攻撃には滅法強く、反射・吸収などが出来た。そのかわり弓や剣、徒手空拳など物理系統の攻撃には、

弱く。障壁などで防御し、受け流す事でダメージをある程度防げる。


マサトとは対象に、太陽では無く、月が出ている限り魔術を使う上で必要なMP(マジックポイント)は常時、微回復し。SP(スキルポイント)もまた回復する。

その為回復系のナタリアと一緒にパーティを組んでいると、レオンが万が一ボスで瀕死になっても。僅かに時間は稼げる。


一見こう言った防御面を見ると強いと判断する場合もあるだろうが、そうでもない。

ナフティアは、攻撃手段が…殆ど無い。キャラクターの生命力を表すHP(ヒットポイント)も、魔術使いと然程変わらず。多少多い程度。

マサトなどのオールラウンダー系に比べても劣る程度。そう言った立ち位置のキャラクターだ。



耐久面で、言うとレオンは騎士の見た目からして物理に強く、また自身の『光翼の魔法』により機動力を始めとした、魔法に対する防御面も持っているキャラクターだった。

体力も全キャラクター筆頭と言える程多い上に、光属性の魔法を駆使して攻撃手段もある。

理想の壁役である





ゲイルが、腕を振ると共に、不可視の縦の風の斬撃が巻き起こる。

月の光によって強化された俺の瞳はソレを捉え、斬撃は真っ直ぐにこちらに向かってくるが…


魔法反射(マジックカウンター)


斬撃は俺にぶつかる瞬間、方向を変え、まるで車が大きくカーブするかの様に俺の背を通って、ゲイルの方へと戻って行く。


「……ほう」


しかし、再び振り抜かれたゲイルの腕に呼応する様に起きた、不可視の風の壁によって斬撃は防がれた。


ゲイルは、キャラクターとしては相性は良くても恐らく強敵だ。

最悪、マナやゲイルに正体がバレてしまうかもしれない事を覚悟で、ナハトに変身するしかないかもしれない。

だが、それがもしかしたら、今後のストーリーを変えてしまうかもしれない…。

もっともいけないパターンは、ストーリー上『濡れ衣』だった筈のマナの師匠の仇と言う立場を、本当になってしまっては、元も子もない。

それに…ん?、ゲイルが『奴』に襲われるのは、いつだっけ?、たしか…一期終了後の…ソレに…ゲイルの顔、どっかで見た様な…キャラクターの絵なんて…ゲーム時代…どこにも…?。


「…俺の魔法を跳ね返したのか…なるほど」


一瞬、思考の海に沈みかけたところを、ゲイルの言葉によって、現実に戻ってくる。


「…ならば、こう言うのはどうかな?」


直接的な攻撃は、跳ね返されたと見るや、ゲイルは真っ直ぐコチラに向けた腕で、指を鳴らす。


すると、2人の頭上に風が集まり始めた。


早々に、次の手に切り替えるとは、流石マナの師匠。

そう感心したいが、いかんせんソレが現在対自している相手なのだ…。厄介極まりない。


最初は二人の衣服を仄かに揺らす程度であった風は、みるみる内に勢いを増しナフティアの露出した腕や脚が、風によって熱が徐々に奪われる。


「……これは」


ナフティアは、青みがかった瞳を大きく開き見上げる。


旋風爆雷彗星シルフィード・メテオ


その魔術の名を呟いたのは、果たしてゲイルか、はたまた自分か。

見上げた視界の片隅に見えた壁穴には、マナの姿は無く。恐らく……何処かに隠れたのだろうと何処か現実逃避しかかった自分が頭の中で呟く。




旋風爆雷彗星。

風系統魔術の範囲攻撃魔術最上位、巨大な風の塊を相手に向かってぶつける。そう言ってしまえば簡単な魔術。

だが、いくつもの風によって帯電し。その術者が雷の属性を扱えるならば、即座にその電気は威力を増し。強力な雷を纏う。

その圧縮された風によって受けた相手を細切れにし。避けたとしてもその蓄えられた電気は周囲に風の爆風と共に広がる。

…ゲーム時代、この魔術を自分なりにアレンジし必殺技として使っていた。




マナが風の精霊と共に苦労して再現していたソレ。必殺技として使われたソレが今眼前に現れていた。

まさか、その必殺技の元になった程の魔術が、こうもあっさりと出せるなんて、予想出来るだろうか…?

ソレもたった指の動作一つ、詠唱も構えも無い。


「加えて…コレは、オマケだ。」


そう言うや否や、ゲイルは片手を大きく横に振りぬいた、再び巨大な斬撃がナフティアへと迫ってくる。


「…んっ!。『魔術反障壁マジックリフレクター」』


ナフティアは、咄嗟に羽衣に魔力を込め障壁を展開し攻撃を反射する…障壁に触れた部分だけを…。

残る巨大な斬撃の余波は、ナフティアの背後の木々を切り倒す。


「おっとっと、あぶねーなぁ」


言葉とは裏腹に、ゲイルは反射された斬撃の一部を軽く跳躍し避けてみせた。


「ほいじゃ、オマケはココからだ…」


「えっ…?」


頭上に流れている風とは別に、ナフティアの背後に向かってゲイルの方から風が流れる。

まるで、ナフティアに攻撃の隙を与えないかの様に畳み掛けられたその魔術は、風によって先程切り倒された木々を宙へと巻き上げる。


木々は風の縄によってまるで意思があるかの様に、虚空を彷徨い


「…お前は、もう逃げられ無い。」


その言葉と共に、木々はナフティアを囲む様に大地に突き刺さる。


「じゃあな…魔族ナフティアよ…」


頭上の風に集まっていた雷は、避雷針の様に木々に向かって落ちる。木々は瞬く間に火を纏い、その衝撃は大地を揺らした…。


「トドメだ…」


ゲイルは、手を頭上に向け、いざ破壊の風を怨敵に振り下ろさんとした瞬間。





地鳴りの様な音が響き、その直後パリーンと言う何かが割れる様な音が、遠くの方から聞こえてきた。





ゲイルはその音に動きを止め、音のあった方…村の方へと視線を向ける。


「…まさか…村の結界が…?」


そして、一瞬の隙をついたかの様に燃えた木々の煙の中から、白いシャボン玉の様な攻撃がゲイルを襲う。


「ちぃ!…」


ゲイルは大きく舌打ちすると、風の障壁を貼る事も忘れ背後に飛ぶ。


「…あの野郎…逃げやがったか…」


どうやら一瞬の隙をついて、攻撃すると共に。ゲイルの言葉とおりに、先程までナフティアのいた場所には誰も居なかった。


ゲイルは、再び舌打ちすると魔術を解除し、辺りを見回す。風の魔法で周囲の探索を試みるも…反応は無い。


「マナ、隠れているのだろう…出てこい」


「はい!お師匠さま!」


ゲイルの背後、屋敷の一階の窓から元気な声をあげて、マナが飛び出してきた。


「すまないが、マナ。屋敷を頼む。俺は村の様子を見てく……」


ゲイルは見てくると、言葉を続けようとして思わず息を飲んだ。

何故なら先程まで無かった『巨大なモノ』が村の方角付近に浮かびあがっていたからである。


「あれは…いつの間に。まさか魔族!?」


「あっ……お、お師匠様!?」


ゲイルは、騒つく様な嫌な予感を覚え、マナの声を背に風を纏うと、空へと駆け出した。


やがて、空に浮かんだ『巨大なモノ』に光の粒が集まり始め、ゲイルはその強化された瞳によって、その光が集まっているのは巨大な大砲の様な筒の先だと言うのがみえた。


ゲイルは、渾身の魔力を移動魔術に込めて村へと急ぐ。そして、ゲイルは村と空中に浮かぶモノの間に割り込むと、ナフティアとの戦闘、そして高速の移動魔法で、残った魔力を全て消費し風の結界を村全体に形成する。




その次の瞬間…砲身に集まった光は、一筋の巨大な線を描く様に…村に向かって放たれた。




けたたましい音を奏でながら、風の結界と光線は激しくせめぎ合う…。


だが、徐々に風の結界は光線によって、どんどん後ろに押し込められる。

ゲイルは、口から血を流しつつも、渾身の魔力を込めて己を奮い立たせるかの様に叫ぶ…




「ぐっ!、おおおおおおおお」




だが、尚も光線の進行は止まる事はなく、徐々に…徐々に。

村へとその破壊の光は迫って行く。


先程の巨大な音は、恐らくこの光線によるモノだろう。


この攻撃によって、村の結界は破壊され砕け散ったに違い居ない。


光線によってゲイルの足は、背後へと徐々に大地に後を残しつつ押され行く。




「くッ……そぉったれ……」


魔力は、等に底を尽きかけ、突き出した両手や口から血が吹きだす。

気力だけで魔力を操り壁を生成する。



……だが、破壊の光は風の障壁とは対称に、その威力を増し…、




やがて、ゲイルの魔力が尽き風の障壁は、その姿を消した。



ゲイルは眼前に迫る光線を、薄れゆくまなこで見つめる。

内に宿した生命力とも言える魔力を失い過ぎたせいで、身体が満足に動かない。

動いていたとしても、もう回避する事も間に合わない。


ゲイルは、フラつく身体に鞭打って両手を広げるよ、ゆっくりと覚悟を決めて瞼を閉じた…。



瞼の裏に、村の人々を…そして、花が咲いた様な眩しい笑顔を浮かべる己が弟子を浮かべて。





だが、ドンっと言う軽い音と共に、不意にゲイルの身体が横に倒れた。


そして、ギリギリだったゲイルの意識は、やがて遠のき…




ゲイルの意識が闇に沈み行く中、微かに彼の耳に聞こえた。









…「『変身メタモルフォーゼ』」と。


こんにちは、こんばんは、おはようございます。

最近暑くて飲み物が手放せない、そんなサルタナです。


前回、な!な!な!な!な!なんと、遂に自分で書いたタグだけでは無く。『早よ更新』の言葉を感想で頂けました!パフパフ!。

とても、とても嬉しいっです!、思わず二度見、いや!三度見はしちゃいました!。嬉し過ぎて更新急いでしまいました、今回(笑)

まさかこのコメントをいただける日が来ようとは…、こんな拙い至らない点の多い作品ですのに、思わず端末を落としかけました。

本当にコメントを頂けた方を始めとして、ありがとうございます!


では、また次回の更新で。おつかれさまでした。





追伸、そろそろ登場人物も増えて居ているので、登場人物の紹介を簡単に投稿しようかと思うのですが、どうでしょう?

感想や一言なんかに、コメントいただけると幸いです。


誤字脱字や、前ページまでの物語の違和感など教えて頂けると幸いです。

書き方についても指南の通り直せる様努力中です、その辺りも違和感有ったらどうぞ、お願いいたします。

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