俺は絶対助ける!
嫌な犯罪シーンが出てきます。
ご注意ください。
僕はあの話が冗談である事を願いつつ、二人の後姿を電柱に隠れて見ていた。すると二人が突然立ち止まった。横の女の子の携帯に電話がかかってきたようだ。
僕が様子を見ていると、その子は小走りにこちらに向かってきた。岡本さんはしばらく、その子の後姿を見送っていたが、再び一人で歩き始めた。
危ない!
わなだ!
あの子は電話で急用か何かができたと言って戻る。そして、岡本さん一人だけがその先に進んだところを襲う。
僕はそう直感した。
その頃、電柱に身を潜めている僕の前に、あの女の子が来た。隠れている僕に気付いていて、訝しげな視線をちらりと投げかけ走り去って行った。
なんで、そんな目を僕に向ける。お前の方が犯罪者だろ!
僕は叫びたかったが、この子の相手をしている場合ではない。僕は視線を岡本さんに戻した。岡本さんはもうあの場所近くまでたどり着いていた。
僕が飛び出そうとした瞬間、4人もの男たちが県営住宅跡地から飛び出してきた。一瞬、辺りをきょろきょろしたかと思うと、岡本さんを背後から襲って、顔のあたりと足を抱えて、有無を言わさず県営住宅跡地に連れ込んだ。
まだ飛び出していなかった僕に奴らは気づいていない。
僕は必死で走った。
絶対、奴らの手に岡本さんを渡したりはしない。どんなに南がでかくて、強くても、岡本さんを守る。
僕も彼らが飛び出してきた所から、県営住宅跡地に乗り込んだ。
さっき、あいつが言っていた家を目指す。
土壁でできた一階建て、窓には雨戸が取り付けられていて、中の様子は見えない。
家の中からは汚い男の声が聞こえている
ドア。
僕はドアを探して、家に沿って駆ける。
曲がった先にドアがあった。
丸く、くすんだ銅色の取っ手。
それを持って、ドアを思いっきり開けた。
岡本さんの頭の側から、岡本さんの両手を押えている男子生徒が一人。
岡本さんは涙を流しながら、首を振っている。その口にはタオルか何かが詰め込まれている。そして、岡本さんの左足と右足を開いた状態で、それぞれを押さえつけている男子生徒たち。
一人はさっき僕を誘った奴だ。
覆いかぶさって、岡本さんのブラウスを引っぺがして、右手はめくりあげられたスカートの中に、左手で岡本さんのブラからはみ出した胸を掴みながら、その胸に顔をうずめているのは間違いなく南君だ。
突然ドアが開いたことで、驚きの表情を浮かべて、みなが一斉に僕の方を向いた。




