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第三話

「志陽! 朝だよ」



 まったくどうして高校二年生になってまで志陽を起こしに来なければいけないんだろうという思いが脳裏をよぎったがとりあえず無視する。う゛-という唸り声が聞こえる。布団を剥いでみれば少し寒そうに身を縮こまらせる志陽がいた。無意識に布団を取り返そうとしている志陽の手をピシャッと叩く。


「志陽ー。桜ヶ崎のほうが遠いんだからー」

「ん……。いまおきる………………」


 目をしょぼしょぼさせながらも志陽は起き上がった。そしてそのままパジャマを脱ぎ始める。そんな志陽に私は制服を渡していく。私は志陽の母親か、とつっこみたくもなるけれどもう慣れた。


「しゅりおはよ……」

「はい、おはよう。ほら、美春さんがご飯作ってくれてるから食べといで」


 未だに目が開ききっていない志陽の声はまだ眠そうだ。大きく伸びをした志陽の手を引っ張って立ち上がらせる。シワになったシャツを伸ばしてほら、と促す。

 これは毎朝の風景だ。志陽の寝起きは正直言ってめちゃくちゃ悪い。何故か私が起こせばスムーズに起きるのでいつからかこれが私の日課となった。

 まあ私としても正直私を頼ってくる志陽が可愛く思えているというのもある。志陽がひっつきだした当初はかつては自分がそっち側だったということを忘れて面倒がったこともあったけれど、今ではそんなことはない。

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