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  作者: 七英雄
29/30

第29回 母2

ああ・・。

ああ・・。

感じる。

感じるわ。

くる。

くるわ。

あの子がくる。

あたしに会いにくる。

やっぱり生きてた。

生きていると思ってた。

あたしの思った通りだ。

死ぬわけがない。

あの子が死ぬわけがない。

どこ?

どこにいるの?

お母さんはここよ。

女手一つで育ててきた。

たった一人の可愛い子。

早く会いたい。

あの探偵さんがきっと見つけてくれたんだ。

良かった。

高いお金を払っただけあるわ。

早く。

早く。

早く。

会いたい。

どこにいるの?

台所?

どこにいるの?

居間?

どこにいるの?

玄関?

どこにいるの?

もしかしてお風呂?

どこにいるの?

もしかしてトイレ?

どこにいるの?

ああ・そうか。

自分のお部屋ね。

さあ、出てらっしゃい。

お母さんよ。

ああ・・。

いた・・。

お母さんよ。

よく・よく生きててくれてたわね・・・・・。

お母さんよ。

何怒っているの?

そんなに怒らないで。

もう、うるさく言わないわ。

生きていてくれただけで。

お母さん幸せよ。

もうずっと離れないわ。

ずっと一緒よ。

どこか静かなところで暮らしましょう。

こんな場所からは早くいなくなりましょう。

あなたの好きな場所でいいわよ。

ねえ、決めて。

どこにいくの?

あの暗い道の先はどう?

奥の奥の闇はどう?

永遠にずっと・・。

ずっと・・・。

ずっと一緒よ。

早く行きましょう。

私を早くあの闇へ連れていって・・。



つづく

次回最終回。

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