第27回 探偵4
馬鹿な。
そんな。
なんてことだ。
こんなことが。
死んだ女子生徒は。
俺の依頼人の娘だった。
どういうことだ?
なぜ?
確かに依頼を受けた時には若干の怪しさを感じたが。
暗いのは元々のものかもしれないが。
闇の世界へ魂が向かっているようなそんな雰囲気を感じた。
まさか。
自分の娘が事故で死んでいたなんて。
だがおかしい。
普通ならばその事故を調べるように依頼するものだろう。
それが全然関係ない調査。
今まで死んだ、7人の調査なのだ。
明らかにおかしい。
気でも狂っていたのか。
何がどうなっているのか。
それとも、俺がこの事実に辿り着くことを見越していたのか。
ゾクッ。
探偵の背後にかつてない寒気が走る。
思わず振り返った。
そこには一人の俯いた女が立っていた。
視線だけはじっと見つめて。
探偵だけを見つめて。
その視線が外れることはなかった。
まるで獲物を狙う目。
憎しみに満ちた目。
人を殺した目。
恨みの目。
全ての者を殺そうとする目。
探偵はよく見る。
はっ・・と。
驚愕する。
この女は。
交通事故で死んだ女子生徒だっ!
あの依頼者の娘だ!
しかし・・ありえない。
この世にいることはありえない。
死んだんだ。
死んだのだ。
今、この場に、いることが、ありえない。
ということは。
ということは。
つまり。
つまり!
この女は!
この女が!
今までの・・・・・元凶?
つづく。