第19回 私2
タキガワ先生は優しかった。
そのことを見たといって学校側にも何も言わなかった。
オカダにも何も言及しなかった。
オカダはその件以来、私には手を出すことはなくなった。
今思えば。
そのことをいつかどこかで誰かに言われることを恐れて私を無視していたのだろうか。
タキガワ先生は何も詳しく聞かなかった。
なにより私のことを、私の気持ちを最初に考えてくれたのだ。
傷ついた私を守ろうとしてくれていた。
私の心タキガワ先生が入り込んできた。
タキガワ先生のことしか頭にないくらい想うようになっていった。
タキガワ先生と本気で相談しあって、色々と解決策の話をしました。
私とタキガワ先生が愛し合う関係になるまで長い時は必要としなかった。
幸せな日々が続く。
この人と一生、一緒にいたいと心の底から思った。
だがちょうど学校内で二人いるところを同級生のリュウジに見られた。
リュウジは本当に腐った奴でそれをネタに私を脅してきた。
学校に告げ口すると。
それが嫌ならば・・・・・。
結局・・。
金とあわよくば私の身体が欲しいのだろう。
タキガワ先生には言わずに私の方に言ってきたのはそういうことだ。
世の中自分のことしか考えない奴が多すぎる。
私はリュウジの先輩であるコウジさんに相談を持ちかけた。
運良くコウジさんとは顔見知りだった。
コウジさんの言うことなら、リュウジの馬鹿も仕方ないと思うだろう。
だが。
男という生き物は。
タキガワ先生以外の男は。
ケダモノだと確信した。
コウジさんもただのケダモノだった。
つづく