第17回 シンジ
家の中。
部屋の中。
布団の中。
シンジはガタガタと震えていた。
ここ2・3日学校に行っていない。
無断欠席している。
突然。
あまりにも突然な出来事だった。
同級生が2人もいきなり死んだ。
2人はいわゆるいじめっ子・いじめられっ子の関係だった。
何がどうなってこんなことになるのか。
どちらか1人であれば納得がいく。
いじめていた奴が無茶したか、いじめられていた奴が無茶したかのどちらかだ。
事件性がはっきりする。
だがどちらでもない。
2人が死んだのだ。
それもほぼ同時に。
わからない。
誰が動いたのか。
どうなったのかわからない。
シンジは恐かった。
なぜなら。
シンジも一緒に金を脅し取ってた仲間だったからだ。
この死んだ2人の関係に関与していたのだ。
シンジも部類で言えば、いじめっ子の部類だった。
次は自分の番じゃないのか?
自分の身になにか危険が降りかかるのではないか?
誰が学校なんかに行くものか。
シンジが布団に潜り込んでいる間。
キイ・・・。
ドアが開く音がした。
身体が恐怖で動かなくなる。
ミシ・・ミシ・・。
近づく音。
まさか。
まさか!
「シンジ・・?」
心配そうな女の声が聞こえた。
母親だ。
シンジは安堵した。
脅かせやがって!
怒りがわいてくる。
「うっせ〜よ!」
シンジは睨みを効かせようと布団から飛び出た。
だが。
目の前にいたのは母親ではなかった。
つづく