第15回 探偵2
オカダカズユキの同僚であるタキガワナツヒコが職員室で死んでいたそうだ。
テストの採点中だった時の心臓発作。
そこまで苦しんだわけではないらしく、赤ペンなどが転がっていただけで、他の物は酷く散らばっていなかった。
格闘の跡もない。
明らかに事故だ。
誰がみてもテストの採点中に突然苦しみだして、一人だったため助けも呼べず、そのまま亡くなったようにか見えない。
本来ならば、事故だ。
事故としてとられるだろう。
だが探偵はそうは思わなかった。
死んだタキガワ先生はオカダ先生と同じ学校だったのだ。
そして、2人の生徒も同じ学校。
事故ではない。
これは今までの延長だ。
奇妙な出来事。
どういうことなんだ。
連続殺人にしては不規則過ぎる。
親子を狙って、同級生、恋人、統一性が全くない。
探偵は学校へと車を走らせた。
とりあえず現場へ向かおう。
今日もさすがに授業はないだろう。
校長先生のお話で休校だ。
喜びのせいか生徒の足取りも軽い。
家に帰ってから、遊びのことでも考えているのだろう。
自分たちの学校での連続の死。
もしかしたら、今度は自分かも・・という発想はないのか。
なぜ笑顔で登校できるのだ。
ふとある女子生徒が探偵の目にとまった。
色気のある茶髪の女。
どことなく社会に突っ張っているような態度が遠くからでも見て取れる。
女子生徒は突然しゃがみこんだ。
何の前触れもなく。
探偵には倒れるように見えた。
探偵は思わず車から飛び降りて女子生徒へ駆け寄った。
つづく。