絶対零度の微笑み
覚醒する、と書きましたが、今回は覚醒させてません、次話で覚醒させようと思います。
「あべし!」
「ひでぶ!」
空に穴が開き、二人の人が落ちた、ちなみに前者が光一、後者が零下だ。
「えええっなに?なに?なにこれ?」
「…把握した。「何を!?」
「ざわざわ…ざわ…ざわざわ・・ざわ」
「実にテンプレすぎるが…」
「あなたたちが勇者ですね、どうかこの世界をお救い下さい」
二人を召還したらしき巫女は、二人を勇者と言い、この世界を救ってほしいと言った
「え?え?」
「ここは・・・」
「どういうこと!?」
「異世界だ・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「な、何だってー!」
光一は驚きで口をパクパクさせている。
一方零下はこの状況を察知し(というかあと少しでネットオタク入りかけだったから)ここが異世界だと理解していた。
「勇者様!この世界を救ってください!!」
確実にここにロリコンがいたら受けているだろう、たとえばうちの高校の2-5のロリコン先生とかは、絶対、そしてその巫女(?)さんは俺たちと同い年に見える。
「まあ、ロリコンの範囲には、入るな」
「??」
「ま、まあそうかもしれしれないな」
一人だけがわからない話をしている異世界人がいた、そう巫女には見えただろう。
「もう一度申し上げます、勇者様、この世界をお救いください!」
「・・・」
「・・・」
一瞬の沈黙、しかしもう一度巫女が言った
「お願いします!!」
「わかった!」
「だが断る!」
どちらもその声で即答したが、二人はまったく逆の答えを出していた。
「おい!何でだよ!何で救ってやらないんだよ!人が困ってんだぞ!」
「自分のことじゃないし、利益もない、お前は昔から知っているだろう、俺は自分に利益のあることしかしない、それに、これはこの世界のことで、元いた世界のことじゃない」
「だ、だけどっ!!」
「まずはそのお人よしの性格を直せ、大体、いつも勉強だけ互角程度以外はいつも俺に負けていたお前に何かできるのか?それに、俺が一緒に居たとして、二人でこの世界の命運を、背負って戦うのか?到底無理だ、たとえ、聖剣と勇者補正があっても難しい、もし勇者やるなら一人でやれ、俺は元の世界に返る」
「くっ」
そのまま零下は巫女のほうへ歩いていく。
「そこのチビ巫女、俺を元の世界に帰せ」
「な、チっチビとは何ですか!」
「そんなことどうでもいいからさっさと元の世界に返せ」
「・・・それは」
「なんだ?」
「・・・それは、無理です」
「なぜだ!俺がこの世界にきたからか!?」
「違います、元の世界に返るには・・・」
「なるほど、帰る方法はわかった」
「えっ!?」
「え?どうするんだ?零下」
「魔王だ」
「どういうこと?」
「元の世界に返るには、魔王の、そう、魔王の魔造心臓が必要不可欠なんだ」
「そうです、魔王を倒さない限り、あなたたちお二人は、元の世界には返れないのです、」
「どういうことだ?」
「じゃあ、俺が説明しよう、魔王の魔造心臓は、大抵、無限の魔力と、強力な邪気で出来ている、だが、この国の総員の魔力と血を一人ずつ2デシリットル、いや、この巫女さんの血が、6デシリットルほどあればいけるだろう、それで儀式をすると、無限の魔力と莫大な聖気が生まれる、それを使えば、元の世界に戻れる、と言う事だろう」
「じゃあ零下も一緒に、魔王を倒そう!」
「すまないが、それは出来ない、お前が魔王を倒したら、すぐに察知してここにくる、それまではお前と顔を合わせることはきっとないだろうな」
そのまま零下は歩いていく。止めないと、また俺は、大切な人間をなくすのか、いまはもう、母も姉も死んだ、いやだ、幼馴染までもしかしたら失うかもしれない、しかし、そこに希望が見えた、零下からしても、計画がうまくいったと思っているだろう。そこには、
メイドさんが、チェーンソーのような大剣を零下の目の前に右から左へ突き出した。
グサッ さすがメイドさんクオリティ、素人だとできもしないしできたとしてもグサッの効果音が発せられるのは零下の頭だっただろう。
「なぜ止める、勇者は光一にでもやらせとけ、俺は、どこかで平凡に暮らしとくさ」
「行かせるわけにはいきません」
「どうしてだ」
「姫様はああ見えてもかなりの魔力を消費しています、それに、かなり大きな次元の穴を作り出したのです。それは姫様の魔力のコントロールが昔から悪いのがいけないのですが、しかし、あなたも何かと、勇者の力が付いているのが、分かっているのでしょう」
あ、巫女じゃなくて姫だったのか、そう零下は思った
「なんだ、やっぱり分かってたのか、面白い、ならいいだろう」
「といいますと?」
「俺も、魔王狩り、参加してやるよ」
零下は、にやりと、計画が上手くいったことを笑っていた。それはまさしく、ペテン師そのものだった
今回は長いのを出せました、毎週日曜に定期的投稿ができるようにしたいと思います