魔王が意外に変な人でした 其の一
魔王城で住み込みの騎士になった零下だ、実は今…
「すーすーすー」
宿舎の部屋が足りないからと言われ、魔王の部屋で住むことになったのだ。
「宿舎足りないなら自分で木材集めて簡易式ベッドでも作って寝るのに魔王が私の所に来てよ!って言いやがって、本当迷惑だな」
「寝床貰ってるのに迷惑と言うな!!」
「起きてたのか」
少女(魔王)は、豪華なベッドから飛び出て零下に指を指す。
「だって君の実力テストがあるからね」
何故か、昨晩魔王と戦ったのに実力テストがあると少女は言う。
「勘弁してくれ、昨晩戦ったばかりじゃないか」
「皆に君の力を見せ付けるためだよ、それに僕と戦ったことが知られたら、皆パニックになっちゃうよ」
「そうだな、それでどんなテストだ?」
「簡単に言うと、僕が君を異空間に飛ばすから、そこで黒い鍵と扉の欠片を集めてくれればいいよ」
「欠片っていくつあるんだ?」
「1000個程度かな?「全然程度じゃなーいっ!!」
「君の魔法を使えば楽勝でしょ?」
そう、零下の能力は闇、闇を広げて引き寄せれば簡単だ。
「それもそうだが、モンスター達が出てきて邪魔するような気がしてしょうがない」
「チッ」
「舌打ちした!こいつ舌打ちしやがった!」
「何のこと?」
「はぁ、なんでもない、それであとどれくらいでそれを始めるんだ?」
「昼食食べ終わったらだよ」
「朝食までの時間は?」
「三時間後」
「今の時間は?」
「多分3:30位じゃない?」
「じゃあ時間があるな、あれもできる」
「あああああれって何!?」
何故か魔王が赤面で後ずさりする
「違う!そんな目で見るな!断じてお前が想像したことなんかしないししたくもないっ!!」
「チッ」
「なんで舌打ちしたのか理解できない」
「五月蝿い!どうせ零下君は女心を理解できないんだーっ!」
「理解しないししたくもないっ!」
その声がまだ皆が寝ている城に響きながら日は昇り始めた。