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山奥に連れて行かれるに連れ硫黄のにおいがだんだんと強くなる。
「レディには少しにおいがきついかい?」
心配してくれる猿帝に微笑む。
「ううん、大丈夫。うちの実家、糞臭いとかよくあったし。」
「うほうほう、意外と野生的な生活をしてるんだね。」
少し違った伝わり方をしてしまったような気はするが服部は笑顔でスルーする。
「ひぐっさんはね。避難がてら傷ついた体を湯治で癒してるんだよ。もちろん、俺様の勧めでな。」
「怪我をしてるの?」
心配そうに聞く服部を安心させるためか猿帝は明るく話す。
「なぁに、心配することはないさ。傷はすっかり完治してる。まだ傷は残ってるけどそれはお嬢さんがなんとかしてくれるだろう。」
「?」
猿帝は含みのある言い方をして服部の反応を楽しんでいるようだった。




