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警察が到着して落ち着いた頃にいろんなことを聞かれる。
男の背格好は?
顔は見たか?
何かされなかったか?
トビーと彼のツレである服部がそばにいてくれたことで豊虫はかなり落ち着くことができた。
空は相変わらず暗いが夜を迎えるためにより一層闇を深める。
その頃、電話で呼ばれた豊虫の母である小豆が駆けつけた。
「豊虫!」
そういうと小豆はしっかりと豊虫を抱きしめる。
「大丈夫?変なことされてない?」
その言葉に豊虫は苦笑いする。
「もうこの数時間で10回は言われてるよ、それ。」
「あら、ほんと?でもよかった…!大丈夫なのね?」
豊虫は頷くと少し恥ずかしそうに小豆を押し除ける。
「もう!照れなくてもいいじゃない!」
そう言ってようやく周りにいる人たちに気づく。
小豆は少し顔を赤くしながらみんなに挨拶する。
「あら、やだわ。恥ずかしいところを…。初めまして、豊虫の母の小豆と申します。」
そのまま母は服部と警察に事情を聞きに行く。
トビーは豊虫を翼で小突くと耳を貸せと言う。
「いい母ちゃんじゃない。俺だったらいくら心配でも子供を急に抱きしめたりできないね。子供いないけど。」
それを聞いて豊虫は微笑む。
「うん、母さんはいい人だよ。でも、外ではやめてほしいな。」
それを聞いてトビーはピュルルルルと笑う。
夏休み早々、台風はかなり大きな問題も一緒に連れてきたようだ。




