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「あのさ、お前らさ。気をつけろよ。」
今日ずっと様子のおかしい三男雄がぼそっと忠告する。
「気をつけるって…?ああ、台風か。大丈夫。山には行かないよ。」
そう言う豊虫に首を振る。
「違う。いや、それもそうなんだけど…。なんだろうな…なんか台風に紛れて嫌な空気が漂ってるんだよ…。」
「ん?なんの話?都会の空気はいつも悪いでしょ?」
トビーはなんの話かわからないながらも自分で結論を出す。
それを聞いた三男雄はクスッと少し微笑む。
「あぁ、そうだ。でもその悪い空気が山の方まで行ってるかもしれない。でもダメだぞ、山にいっちゃあ。台風で危ないのは変わりないんだからな。」
そう言って2匹を交互に見つめる。
「ガッテン承知!」
トビーは胸を張り翼でドンと叩く。
それを見て豊虫は笑いながら答える。
「うん、山へは行かない。それに気を付けておくよ、身の回りには。」
豊虫は三男雄の嫌な予感がただの勘ではないと思った。
彼の正体である物怪の血が何かを感じ取っているのだろう。




