表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第2話:敵将と上司とお昼のメッセージ

斉藤は午前の会議が終わるや否や、思わず天を仰いだ。


(やっぱり、あれ、絶対おかしいって……)


さっきの会議中の三枝課長の発言が、ゲーム中の敵将Strahlの台詞と**一致率95%**だった。言い回し、語彙、冷静な口調、すべてが“あいつ”と同じ。


しかも「夜の戦略シミュレーション」って、どう考えてもゲームのことだ。


そんな中、田所から昼休みに軽快なチャットが飛んでくる。


「副官、副官〜!昨夜のStrahlの“あの”台詞、録画しといたんで送っときますね!」


斉藤のスマホに送られてきた音声。


「無駄な抵抗は好きよ。策の網にかかっていく様を見るのは、少し癖になるわ」


(うわ!課長の声……にしか聞こえない!!)


さらに田所は続ける。


「あ、あとオフ会どうします? 今度、東京でギルドメンバー集まるって」

「俺、絶対Strahlさんとサシで話したいっす!恋するかもですわ〜」


(やめろ、今それどころじゃねぇ)


午後、斉藤が資料をまとめていると、三枝課長からチャットが届く。


「斉藤さん、今日の進捗報告、少しだけ“攻め気味”にお願いしますね。油断を誘う感じで」


(なんで仕事で“油断を誘う”って使う!?)


心拍数が上がる。ここにきて確信に近いものがある。


この人、Strahlだ。間違いない。


そんなとき、田所がまた爆弾を投下してきた。


「てか副官、課長の声とStrahl、似てません?」

「俺ちょっと、課長=Strahl説あると思うんすよね〜!」


斉藤は飲んでいたコーヒーを吹いた。


(おまえ、それ、もっと早く言ってくれや!!!)


夕方、三枝課長から再度のチャット。


「斉藤さん、今夜の“戦略会議”、楽しみにしてますね。録音とかしないでくださいよ?」


なぜか絵文字は“ウインク”。


(……お、俺は今、仕事と戦争のどっちで命を削ってるんだ?)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ