妖精さん
ーーーーー動いてる。。
日曜日の22時、明日からの通勤のだるさにうなだれる時間を超えて、腹を括り始める時間になりながら、お気に入りのテレビ番組を前に私は腕を組んで難しい顔をしていた。
ーーなくなっているーー
そう、先日耳かきをした時には、確かに小物入れへ入れたはずなのに覗き込んでもひっくり返しても出てこないのだ。
普段は一切気にならないが、一度気になり始めると常に考えてしまうのが耳かきの欲求である。
悶々しながら他の事をしている時に、ふと出てきたりするのがまた厄介なとこである。
女
「なんで、洗面所に、、、」
ボソッと他の人に聞こえない大きさで呟きながら、過去の自分に呆れた。
毎日の日記や食器洗いを次の日に持ち越さない自分ルールから、人並みの几帳面さは持ち合わせていると思っていたが『耳かき、爪切り、ピンセット、リップクリーム』等の取るに足らない小物達だけは欲しい時に欲しい場所にないのである。
自分がガサツなだけと諦めるよりも、妖精さんのイタズラや小人さんの拝借、小物自体に足が生えているんだなと思う事にしながら軽く微笑んだ。
その可愛らしい笑顔に外から見守っている俺もついつい釣られてしまうのだ。
耳かきや爪切りがなくなるんです、、、
私はガサツなので適当なとこへ置いてしまっているのですが、几帳面な「あなた」は果たしてどうでしょうか、、