表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

①出会い

吉田(よしだ)さんとは藤巻家(ふじまきけ)で飼われている犬のことである。。。


吉田さんは藤巻家でとても大事にされている家族の一員である。


藤巻家は父の総一(そういち)38才、母の美奈子(みなこ)38才、長男の博史(ひろふみ)中学生2年生、長女の美加子(みかこ)小学6年生そして我輩、吉田さんの4人と1匹の家族である。


これは我輩が犬の立場で感じたことの物語である。


------


今日は月曜日。。。


天気は晴れ。


父ちゃんは仕事。博史と美加子は学校。博史は学校に行く前に我輩にエサをくれる。


だが、今日は寝坊したのか我輩のエサを忘れてとっとと学校に行きやがった!自分だけパンをくわえながら!


なんてやつだ!ワン!!


父ちゃんが「今日は吉田さんうるさいな!博史のやつエサをやっていかなかったな。。。まったくー。」と言いながらも我輩にエサをくれた。


我輩は父ちゃんの顔をペロペロなめてやった。


父ちゃんは、にたぁーと気持ち悪い笑顔でデレッとしていた。


「吉田さんヨーシヨシ、ヨーシヨシ」と言いながら我輩をワシャワシャしてきた。


我輩も気持ちよくなって、しっぽをフリフリした。


父ちゃんが仕事に行ってしまった。


早く母ちゃん散歩に連れてってくれねーかなぁ?ワンワン!!


すると、母ちゃんがみんなを送り出したあと、朝食の片付けを済まし、何やら鏡の前でお顔に色を塗り始めた。


今日も母ちゃん化粧濃いなぁーワンワン!


「吉田さんうるさいわよ!ちょっと待ってなさい。すぐにお散歩つれていってあげるから。」


母ちゃん早くぅーワンワン!


「よし、お散歩行こうか?」


ワンワン!!


今日はお天気もよくポカポカしていたので我輩のテンションはMAXだった!!


さらに我輩のテンションが上がった!


それは毎朝、この公園で会うとてもかわいいわんこがいるからだ!


まぁー飼い主はただのおばはんなんだけどな!ワン!


今日もキターーー!!前からしっぽをフリフリしながら頭にリボンを着けてオシャレな服を来て。。。なんてかわいいんだ!


ワンワン!


「また会ったわね!ワンワン!」


かわいいワンコが我輩のこと覚えてくれてたワン!


「我輩は吉田さんと言うのだが、君の名前は?!」


「私はメリルちゃんよ」


「かわいい名前だワン!」


母ちゃんたちは我輩たちがワンワンうるさいので、いつもすみませんと言っておばはんにあいさつをしていた。


「うちの子、かわいいわんちゃん見るとすぐにテンションあがっちゃって。」


「うちはもですぅー。」


「また、仲良くしてくださいねー。」


「うちのメリルちゃんよろしくねー」とおばはんは我輩の首もとをコロコロしてきた!


我輩は不覚にも少し気持ちよかった!おばはんとは言え、犬の扱いになれているようなのでさぞかし、メリルちゃんも大事にされているのだろう。また、明日も会いたいなー。。。ワンワン。


お家に帰ると我輩は疲れたので少しお昼寝タイムだ!


母ちゃんもお昼寝をしていた。


そうこうしているうちに、美加子が帰ってきた。


「吉田さんただぃまぁー!かしこくしてたぁ?」と言って我輩をワシャワシャしてきた。


我輩は美加子が1番遊んでくれるので大好きだ!ちょっと前までは、博史もたくさん遊んでくれたのに中学2年生になってからは急にませがきになりやがってエサすら忘れる始末だ!いわゆる、中2病だろうな!知らんけど。ワン!


母ちゃんが美加子に「さっさと手を洗っておやつ食べたら宿題して、吉田さんのお散歩連れていってよー」と言った。


美加子は「はーい」と言って我輩に「吉田さんさっさと宿題住済ますから待っててね」と優しく頭を撫でてくれた。


やっぱ美加子は優しいなーワンワン!でもなー、美加子も来年中学生だからなー、博史みたいになるのかなー?我輩は、なんだか嫁に行ってしまう娘を悲しむ父親のような気分だった。


美加子は宿題が終わるとすぐに我輩のところに来てくれた。


「今日ははどこ行こっか??」


我輩はうれしくてしっぽをめいっぱい振って喜びを表現した。


「吉田さんうれしそうだね!さぁー行こ!お母さん、吉田さんと散歩に行ってくるねー」


「気をつけていってらっしゃーい」


我輩はワクワクしながら美加子とお散歩に出た!


美加子は公園で友だちに会った!


その友だちはなんだか変な生き物を連れていた。。。


それは小さくてツンツンしていてなんだか怖かった。


美加子が「えりちゃんちのハリネズミくんかわいいーねー。なんて名前なの?」


えりちゃんが「ハリーて言うの。怖がりだからすぐに丸まっちゃって(笑)」と言っている。


我輩は恐る恐るハリーに話しかけてみた。


「ハリーさん君はなんでそんなにツンツンしてるんだい?」


「ぼっぼく、怖くて。。。こんな大きい公園に来たくないのにえりちゃんが連れ回すんだ!」


「我輩は吉田さんである。我輩は優しいお犬さんなのて怖くないぞ!敵がくれば我輩の後ろに隠れるがよい!ワンワン」


「もー、吉田さんそんな吠えたらハリーが怖がるでしょ!」


我輩は美加子に怒られた。しゅん。。。


すると、ハリーは、我輩のもとによってきてくれた。


えりちゃんが「ハリー、吉田さんのこと気に入ったみたい。いつもは犬とか猫みたらすぐに丸まっちゃうのにー。吉田さんは優しいワンちゃんなんだね。」と言ってくれた。


我輩はなんだか照れてしまった。


それを見たハリーが笑っていた。。。


我輩とハリーは仲良くなった。


新しい生き物と友達になれたのは初めてだったので我輩もすごく嬉しかった!


あー、今日はとても楽しい日だなーとるんるん気分で帰ると博史がすでに帰って来ていた。。


すると、博史が珍しく我輩のもとに来て「今日は朝、エサを忘れてごめん。」と謝ってきた。なかなかかわいいところもあるじゃねーか!


実は4年前、公園に捨てられていた我輩を藤巻家に連れて帰ってくれたのが当時、小学校4年生の博史だったのだ!

我輩はまだ子犬で、前日の雨でビショビショになり、お腹もすいていたので、寒さと空腹で死にかけていたのだった。だから、博史は我輩の命の恩人でもあるのだ!


我輩は博史の顔をペロリとひとなめしてやった。


博史は「明日はちゃんと、早起きして吉田さんにごはんたくさん食べさしてやるからな。」と言った。


そして夜に父ちゃんが帰ってきて家族みんながそろった。


今日もとても良い日だった!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ