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ドアの開いた部屋のままコーユーノはベッドから起き上がった。
自分付きのメイドが用をなさないので、本人自ら動くしか無かった。口惜しくて情けなくて、頭の中では煮え滾るような感情を精神で抑えている。そんな自分を持て余すことなく、誰に、どこに、何をすれば効率がよいのか考えていた。
まずは着替えから。
屑な使用人のせい?
屑な親のせい?
いえ、コーユーノ本人の自覚のなさのために使用人すら扱えて無かったようですね?
前世のせいでできるのかと思いましたがコレは違うようです。自分で着ることの出来るワンピースがクローゼットに揃っていた事により、常に本人で着替えていたのでしょう。
コーユーノの記憶が途切れ途切れなのも、辛い琴を記憶したままだと精神的におかしくなるのを回避するためでしょう。きっと。