誕生!! 魔法少女ジューシーミカン 8
なんということだ。
脳内に声が聞こえてくるなんて……。
そうか、わたしはきっと頭がおかしくなってしまったんだ。もうわたしは死んでしまったんだ。
そうだ、きっとそうに違いない。じゃあ、もう……寝よう。
お休みなさい。zzz……。
(こらこら! 寝ないで!)
あなたは誰?
(私はカードに宿るお姉さんです)
え? 今わたし達を襲ってきてる人もお姉さんだよ。二人もお姉さんが登場したら紛らわしいよ。
(ではこうしましょう。あなた達を襲っているのは敵のお姉さん。そしてわたしは美人で聡明且つ気品あふれる気配り上手な優しいお姉さんです)
お節介なおばさんじゃなくて?
(美人のお姉さんです)
美人だけは譲らないんだね?
(それはともかく、あなたは一言こう言えば良いのです……変身と)
変身変身変身変身変身変身変身変身――
(連呼しなくても良いのですよ。さあ、目を覚まして! その時、あなたはもう立派な魔法使いです)
わたしは意識を取り戻した。
「え!? なにこれ!?」
わたしの右手がオレンジ色の光で煌々と輝いている。
違う、よく見たらカードが輝いているんだ。
いつの間にか手にしてるこのカードが……。
やがてそれは光でわたしの身体を包み込む。
「え? え? ええええええ!?」
わたしの着ていた服がどんどん変化していく。
上着が……スカートが……靴が……
次々と可愛いフリフリになっていく――。
最後にカードがステッキに変わる。
とうとうわたしの衣装はド派手なミニスカドレスになっていた。
「魔法少女! ジューシーミカン!! みんなまとめてジューシーにしちゃうんだから!」
わたしが、魔法少女になった瞬間であった。
でも勘違いしないでね。
今の決め台詞は決してわたしの意思ではないんだぞ☆彡