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誕生!! 魔法少女ジューシーミカン 7
わたしと犬の雪丸は空中でぐるぐるかき回される。
「あぁあぁあぁあ~!!」
そのまま地面に叩きつけられた。
「ぐわああああ!!」
地面にぐったり横たわる雪丸をお姉さんが蹴り飛ばす。
「この犬が! 私を辱めやがって――」
「ぐはあああ!!」
何度も何度も雪丸を踏み潰す。
「あはははは! このクソ犬が……我々、協会を出し抜こうったってそうはいかないわ!」
とうとう動かなくなった雪丸。
「もうやめて! 雪丸にひどい事しないで!!」
わたしは思わず叫んだ。
お姉さんはこちらを睨む。
「そこのガキ! 次はあんたの番だ!」
わたしは背筋が凍るような恐怖を覚えた。
逃げなきゃ!
でも身体が動かない。
もうだめだ。
意識もだんだん遠のいていく――。
その時。
脳内に誰かの声が聞こえてきた。
(お困りのようですね。私の力を授けましょう――)