二枚目のカード 5
呪具。
それは恨み辛みなどの悪い思いを込めて人を呪う道具。
つまり今まさにわたしの首を絞めつけているこれは……。
「斎藤美咲がプリンセスに対して何らかの恨み辛みを抱いているという事だ」
と、シンクが冷静に呟いた訳だけどわたしはどうしても納得がいかない。
だって美咲先生はわたしの担任の先生だよ。
「それにわたしは優等生なのに!」
「…………」
無言でジト目を向けるシンク。
「何? ハッキリ言ったらどうなの?」
「いや、いい」
「じゃあ、これ早く外してよ! チョー蒸れるんだから!」
「仕方ねえ、ちょっと見せろ」
シンクはわたしの首にぐっと顔を寄せ、まじまじと見つめる。
え、やだ、なんか近くない?
改めて見ると本当に顔だけは良いんだよな~この男……。
でも騙されちゃダメ。
わたしは「イケメンは苦手なんですぅ」っていうキャラでいこうって決めたの。
男は中身よってママが言ってたんだから。
そんな事を考えていたらシンクが一言放つ。
「無理だな」
「じゃあ、切って!」
わたしはディスクグラインダーを差し出す。
「んな!? 正気か! というか、どっから出したそれ?」
「チュイイイイイーン! はダメだからね! わたしの首まで刃が行っちゃうかもしれないんだから。チュイン! だよ、チュイン! チュイッでもいいかもしれない」
「いや、流石にそれで切断するのは無理だ。手元が狂ったらプリンセスの首が……」
「シンクの意気地なし! もう知らないんだから!」
わたしは飛び出した。
「おい! 待つんだプリンセス!」
追いかけてくるシンク。
よし、変身だよ。
魔法少女の姿になると、箒に跨りスピードアップ。
その時、首輪から黒いモヤモヤがあふれ出てきた。
「え、何これ!?」
その時。
「「危ない!!」」
向こうから野球少年達の声が聞こえると、前方から野球ボールが飛んできた。
辛うじて避けると。
「ぐえええ!!」
背後に迫っていたシンクの顔面に直撃した。




